1/1
プロローグ
「あーあ、私もまりあみたいになりたーい」
「高望みしすぎ(笑)あれはもう人間じゃないよ」
「そだよねー、たっくんも綺麗すぎて怖いって
いってたー。完璧じゃなくて、
どじかわいい明奈だから好きなんだよって」
「結局のろけかーい!!」
楽しそうにじゃれ合う声が、徐々に遠ざかっていく。
私は冷や汗でべとべとになった手で、
ドアノブを捻りトイレの個室から脱出することに
成功した。
明るい照明に照らされた醜い私と
鏡越しに目があった。
気持ち悪い…声しか知らない彼女たちは
私がまりあの声だとしったら、
どんな反応をするだろうか。