始まりの前夜
始めましての方は始めまして!そしてお久しぶりです皆さん……
かなり長い間エタっていて本当にすいませんでした。
これは、前投稿していた『崩壊したセカイで……』の前話的なものだと思って下さい。
これの本編となる『崩壊したセカイで……』は鋭意書き直し中です。投稿したらぜひ読んでください、よろしくお願いします!!
では、長くなりましたがお楽しみください。どうぞ!!
20XX年04月06日AM02時24分……
暗い夜道を冷たい風が吹き抜ける。4月になったとはいえこの時間帯はまだまだ寒い。一定間隔である街灯以外明かりは無く、それもさほど明るくは無いのでなおさら不気味な雰囲気が漂っている。
住宅街を一人の女性が自転車で走り抜ける。本来美しいであろう顔は疲労の色を色濃く表し、少しやつれて見える。
部下のミスで残業が発生してしまい、帰宅が大幅に遅れてしまったのだ。
「まったく……」
一人呟くのは仕方ない、巻き添えを喰らったのだからこれくらいは当然だといわんばかりに愚痴を洩らす。だが愚痴を呟いたところで何も変わらず非生産的だと思った女性はスピードを速める。
「最近はちょっと物騒だし……」
そう、最近の日本は少しおかしい。日本各地のいたるところで猟奇的殺人事件が起こっているのだが死体と犯人が見つからない。多量の血痕だけを残し忽然と消えているのだ。
……いや、おかしいのは日本だけではない。
事の発端は、中東で起こった暴動。それを機に世界各国で暴動が起き始めたのだ。某大型掲示板サイトではゾンビだの新型ウィルスで人喰い化け物に変異しただのと騒がれていたが、そんなものは創作物の中だけの話だ。現実的に考えてありえないと判断し不謹慎極まりないデマだと決め付けていた。
そのとき、道の端に横たわる何かが視界の隅をよぎった。
「ん?あれは……ひっ!!」
そう人、男性が倒れていたのだ。女性は急いで駆け寄り呆然とする。
右腕、右肩、首が抉れたかのような怪我をしている。
「なにこの傷……嚙み傷?動物かしら……それより!すぐに救急車呼びますからね!!」
スマホを取り出し119番を押し繋がるのを待つ。
「はい、こちr『男性が大怪我して倒れているんです!!早く来てください!!』っ!?落ち着いてください!場所はどこですか!」
『場所は……あっ!?起き上がっちゃだめですよ!!……え?嘘嘘嘘嘘!!やだ!やめて!!いやぁああああああああ!!!!!!』
突然の悲鳴に混乱するコールセンター職員。
「もしもし!?どうしました!?あのっ……?」
反応の無くなった談話口から聞こえてくるのはクチャクチャと何かを咀嚼する音。
そして、バキッ!!と硬いものを壊したかのような音が聞こえて電話が途切れる。
「……悪戯電話なのか?いやしかしアレは……」
「ん?どうしたんだ?さっきのコールは?」
同僚の職員が声をかけてくる。
「いや、それがな、いきなり悲鳴あげて途切れたんだ。最後のほうは変な音が聞こえてくるしよ」
「悪戯電話じゃないのか?最近の事件に合わせたとか。まったく、不謹慎極まりないよな」
「それだといいんだが……」
悪戯ならまだいい。だが、あれが本当なら……
そう思うとゾッとするものがある。
家族を持つ者としては、今のが悪戯ではなく実際に起こっていたとすると看過できない。あの電話が本当だとしたらまるでB級ゾンビ映画のようではないか。
「ただの悪戯電話であってくれよ……」
そう、願わずにはいられなかった。
―――翌日―――
住宅街に広がる致死量の血痕だけが残されそれ以外は煙のように消えていた。
そして人々は知らない、これが全てが終わる引き金になっていたということを……
延々と繰り返される毎日を惰性で過ごし、これからも続くであろうと思っていた日常はこれを機に一転し常に死に怯え人の命が何よりも安くなる世界が始まるなど誰も想像していなかった。
「おはよう、雄一」
「ウム、おはよう―――」
何も知らない学生たちはいつも通りの日常を繰り返そうとするのだった。
読んでいただきありがとうございます!いかがでしたか?
お楽しみいただけたでしょうか?
次回、本編の投稿は8月中(夏休み期間中)には完了したいと思います。
それでは、ありがとうございました!
ps.よろしければ、感想をいただけるとうれしいです。




