7 殺す気はない
※残酷な描写があります。閲覧は自己責任でお願い致します。
かれは、私の両腕・両足を切断した。
王座はすべて赤紫の血に覆われた。
私は彼の行動に目を見張りながら、腕と足の痛覚と脳を遮断させた。
だただた、切られていく自分の体を見ながら、どこか遠い意識で聖剣の切れ味に感心していた。
この私をここまで見事に切ることが出来るのは、確かにこの聖剣だけだろう。
私の体は一定時間をおけば再生する。
普段ならば一瞬間を置けば再生するが、聖剣はその再生スピードを遅らせる力もあるらしい。
どこまでも魔王を殺すことに特化した剣だなと漠然と考えていると
勇者は歪んだ笑みを浮かべてこちらを見た。
「腕も足もないのに、平気そうだな。化け物め」
「これくらいでは、私を殺すことはできない」
この程度では致命傷にはならないと、丁寧に教えてやると
勇者は「殺す気はない」とさらに笑みを浮かべた。
「おまえをリツカと同じ目に遭わせてやる。
リツカはおそらく、体を切られた時点で天国へ旅立てただろうが
お前はその格好のまま、足掻くことも死ぬことも出来ずに、ただおれに好き勝手にされるんだ。自分で動くことも出来ず、ただただ俺に蹂躙されるしかない、憐れな生き物になるんだよ。」
そういうと、彼は心の底からおかしそうに笑った。
私は彼の言った内容より、彼の放った「リツカ」という名前が気になった。
それは恐らく女性の名前だろう。
それも大切な。
そう思った瞬間、胸の奥が軋んだ気がした。
痛覚は遮断しているはずなのに、なぜだろうか。
彼はその後、ぼろぼろに引っかかっていた、黒いドレスをはぎ取り
私を犯した。
魔王が女であることは好都合だった。
こいつにリツカと同じ目に遭わせることができる。
これはとてもいいアイディアに思えた。
前に豚共を殺したときは、いろんな方法で半殺しにした。
回復させては、違う方法で痛めつけた。
その方法の中には、両親や村人がやられたことももちろん含まれた。
しかし、ヤツラを犯して屈辱を与えるというのは、俺が死んでも嫌だったのでしなかった。
それがすこし心残りだった。
リツカの味わった気持ちを、魔族の奴らにも味合わせてやりたかった。
それを、最後の復讐対象者の魔王に与えることが出来る。
それに、豚共は弱かったから、瀕死にする度、何度も回復をしなければならなかったが(それはそれで、その度醜い顔で泣きじゃくりながら、殺してくれと乞い願う姿を見るのは面白かった。)
魔王は腕や足を切られたくらいじゃ死なないだろうし、こちらが気にすることなく、延々と苦しめることができる。
なんていいアイディアだろうと、おれはまた満足げな笑みを漏らした。
まずは魔王の両腕と両足を切断した。
最初こそ、魔王も目を見開いていたが、途中から、先ほどと一緒の無表情に戻った。
聖剣を手にした、俺には敵わないと悟っているのか、抵抗らしい抵抗はなかった。
どうやら痛覚を麻痺させてるらしく、特に泣き叫ぶこともない。
少々面白くないと思いながらも、出血により魔王の魔力が減っていくのを感じた。
俺は次々と剣を振り下ろす。
王座の周りは赤紫の血で覆われた。
「これくらいでは、私を殺すことはできない」
と魔王は律儀に言ってきた。
さすが化け物の親玉。
「殺す気はない」と笑顔でいうと、魔王はきょとんとした顔を向けた。
初めて表情が動いたのを見て、余計に楽しくなる。
この無表情魔王が、リツカと同じ目に遭わせれば、どんな屈辱の顔を見せるか楽しみだった。
服をはぎ取る。
いくらデタラメの美貌をもつ魔王でも、さすがにこの血だらけで芋虫状態の女に興奮する趣味はないので、自分で無理矢理起たせて犯した。
魔王は驚愕した顔で俺を見つめていた。
魔王は途中で気を失い、俺はその間に、魔王を連れて自分の隠れ家へ転移した。