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短編

倫理

作者: RK

 倫理――。

 社会性とも言い変えられるそれは、人間が他人と生きて行く上で必ず生じる。

 そもそも、個人の善悪正邪の感が、他人と一致することでそれは形成される。

 それが何を意味するのか。

 時代で、状況で、それは刻一刻と変化するものなのだ、ということだ。

 人を殺してはいけないということも。

 身内で愛し合うことはいけないということも。

 それはすべて時代が生み出した、世界が生み出した、考えである。

 人を殺してはいけない。

 だが、戦争は人殺しを肯定する。

 兄妹で結婚してはいけない。

 近親相姦を推奨する村があった。

 移ろい行く考えの中で、何が正しくて、何が間違っているかなんて、判断できるのだろうか?

 道徳とは、倫理とは、それを廃絶する物ではない。

 まして、それを抑制する物でも無い。

 曖昧で、朧気なそれは、何をすることもない。

 重要なことは、自分がそれをどう思うか。

 犯罪者を肯定するわけではないが、と前置きを置かせて貰おう。

 人を殺すことに自分の中で重要なファクターがあるのだとしたら。

 血のつながったものを愛する対象として選ぶことが正しいのだと信じているのならば。

 それらを振り切ることも、間違いではないのだろう。

 正義は転じて悪となす。

 その人の正義は他者にとっては悪である。

 だが、それは当人にとっては紛れもなく正しいことであり、たった一つの正解なのだ。

 自身の正義を貫いた者に、せめてもの幸福があることを、ただただ祈るばかりだ。

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