#009:ファンタジー
今のファンタジーは10年前、20年前のファンタジーと全く別物のように思う。
私が思い描くファンタジーは古いファンタジーなのだろう。
たとえに使われるゲーム作品はやったことの無いものばかり、引っかかって止まったり読み直すなんてことはよくある。
この作者、調べてかいてるの? と疑う作品も多い。
素人が趣味で書いているのだからと言うのは甘い考え。
作者がどんなに書いても、基準点が違っていたら正確には伝わらない。
魅力的な世界だとしても色褪せて見える。
「現実」を書けないから「ファンタジー」を書くなんていうのも論外。
登場人物にとっては「ファンタジー」こそが「現実」、テンプレートという言葉でごまかしていたら読者ごとに違う世界が描かれてしまう。
世界のイメージを正確に伝えるのなら、「現実」のほうが簡単にできる。
「ファンタジー」という言葉の曖昧さに甘えていないだろうか?
「他の作品に触発されて書きました。」とか「MMOをやったことが無いと言いつつ、MMOを題材にした作品を書く。」というのもどうだろう?
他の作品を継ぎ接ぎしたものになっていないか、オリジナルと胸を張って言える作品に仕上がっているか、作者自身が似ていると感じるような作品では盗作と言われても仕方がない。
MMOを題材にした作品をどれだけ読んでも分からないことのほうが多い。MMO関連のサイトは数多くあるが、これらを全てチェックしても十分とは言えない。
実際にプレイして作品に活かすのが一番だが素人にそこまでは求めない。
MMOを題材とするなら実際にあったらやってみたいではなく、実際にありそうと思えるゲームを設定することも考えて欲しい。
小説に書かれるのは、その世界の一部。そこから世界全体を想像するしかなく、書かれていない部分は読者の常識で補完される。
その常識はそれまでに出会った作品によって構築されたもので読者によって様々に違ってくる。
描写が足りなければ、読者の思い描く世界はいびつな物になり、矛盾点や不自然な所が出てくる。
どこまで書く必要があり、どれだけ書けば十分なのか、これは舞台が現代から離れるほど難しくなる。