#016:都市
中世ヨーロッパの都市人口はそれほど多いものではない。10,000を超える都市など簡単に数えられるほどしかなかった。
実際に都市壁内に全員住んでいるのではなく、周辺地域に住んでいる人も少なくない。
専業の兵士はそのうちの5%以下、90%近くが農民であったらしい。
農業革命によって農業生産量が増えたことで、ヨーロッパの人口は急激に増える。
この増えた人口によって消費や労働力が増加し、産業革命へつながっていく。
一方、アジアでは米が主食の地域が多く、ヨーロッパとは比較にならないほどの生産力があった。
ロドリゴ・デ・ビベロによって1609年ごろに、江戸の人口は150,000人、京の人口を300,000~400,000人(本人の目算では800,000人以上)、大坂の人口を200,000人と伝えられている。
18世紀初頭に江戸の人口は1,000,000人を超え、世界最大の都市だったとも言われている。
魔法のある世界ではどうなる?
農業革命を待つことなく、魔法によって十分な生産がされているのであれば、都市の規模は大きいものとなっているだろう。
農業を司る神がいるのなら、豊作祈願や収穫祭などが欠かせないものとなっているに違いない。
魔法の設定しだいでは、農業革命に効果がなくても不思議ではない。
魔法で補助されてるのなら、肥料を与えても収穫量が増えるとは限らない。
枝葉と実では必要な栄養が違うということもあるし、育ちすぎた枝葉に実が付かないことはよくある。
ゲームでは人口まで考えられているのはそれほど多くは無い。
PCに必要な機能が用意され、イベントのためにNPCがちりばめてある。きれいなグラフィックによって描き出された街に住人に対する配慮はない。
建物を適度に入り組ませることで広さを錯覚させ、いくつかのエリアに分けることでサーバーへの負担を軽減する。
田畑も無いこと多く、港はあっても船を作ったり整備する施設は無かったりする。
港町、交易都市といっても、街のいたるところに段差があり、馬車が使用できるように見えない。
こういったゲーム的な町はVRになることで変わっていくのだろうか?
VRになることで設定するデータが増えるのは確実、リアルな町を再現するためのフレーバーとしての町人NPCはどれだけ設定されるのだろうか。