#012:信仰
初めて見た神様が土下座をしてチート能力をくれる、そんな存在では信仰することは出来ないだろう。
しかし、規格外の存在になったキャラを受け入れてくれる世界には感謝をしてもいいのではないだろうか。
まあ、その世界の住人たちにも信仰心があるように見えないのだが・・・。
実際に神が存在し、癒しをはじめとする神術という形で恩恵を受けている世界で、神に感謝をしないなんてことはないだろう。
食事だけでなく、朝起きてから夜寝るまでの様々な行動のひとつひとつに神への感謝の言葉が出てもおかしくない。
主人公が「いただきます」と言ったところで感心することも無いだろう。逆に何で食事のときだけなのか問うキャラがいてもいいように思う。
一神教なのか多神教なのかで世界のあり方は大きく変わってくるだろうが、人々の行動が信仰する神に影響されるというところは変わらない。神が嫌うものを嫌い、好むものを好み、司る物を神聖視する。
実際に神がいるとなれば、教義を曲解しようとする者が出てくることも無いだろう。
神の意にそぐわない行動をとるのであれば、それなりの理由があるといえる。
リアルでは戦争の原因が宗教であることも少なくない。
神が実在することでどのような事が起きるのか、作者の想像力しだいで何が起きても不思議ではない。
侵略後の支配の障害になるのも宗教、徹底的な弾圧や自分の宗教へ吸収といったことがなされてきた。
宗教は文化であり、常識にも影響を与える。
一見、無駄に見えることにも意味があったりする。
転生主人公の常識での改革が簡単に受け入れられつまづくことなく成功する。こういったことに、ラノベだから、素人小説だからといって疑問に思わず考えることを放棄していては上達は望めないだろう。
作品に書かれない事は考えなくていいのではない、考えた上で書く書かないを判断する。
様々な作品、資料を読むことで考えの幅を増やすのは、書く以上に大切なことだと思う。