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月を詠む  作者: 都合
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流れる

水の流れる音がする。陽は高くなり、じわりじわりと熱を伝える。


水の流れる音がする。陽は傾いて、一気に色濃く変化していく。


水の流れる音がする。藍色の空に、小さな星々が煌めいている。


水の流れる音がする。東の空に、ひときわ明るく星が輝く。







「様子はどうだ?」


人間はとうに寝ている時間だというのに、夢の気配がしない。昨日も碌に眠れていないだろう。無理もない。


「お食事もあまり喉を通らないご様子で、ずっと部屋の窓から外を見ているだけでして…」


小さな白狐は、俯きながら報告する。


「気に病むな。お前のせいではない」


「ですが、これが続くとなると…」


白狐の妖、ツツジが言い淀む。人間は弱い生き物だ。ツツジの言いたいことも理解できる。


「分かっている。それはこちらがなんとかしよう」


私の言葉に安心したのか、ツツジは「ほっ」と小さく息を漏らす。


「やはり、あのことについて花嫁様は何も知らないのでしょうか?」


「そうだろう」


引き続き彼女の世話を頼むと伝え、ツツジを下がらせる。さて、どうしたものか。このまま放っておくわけにもいかない。様子を見に行こうかと考えた矢先、業の出現を知らせる合図が届く。最近はずっとこれだ。刀を持って屋敷を出て、合図のあった場所に向かった。

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