帝都へ2
「こちらなどいかがでしょうか?」
まるで着せ替え人形になったかのようだ。次々と洋服がやってきて、女性の店員に手伝われながら着替えていく。仕切られた空間にはカーテンが付いており、着替えている間は周りから見えないようになっている。カーテンの対面は一面鏡になっており、自分でも着替えた服を見ることができる。
「ふむ」
カーテンを開けるとツクヨミ様が近づいてきて、吟味するように上から下まで凝視される。視線もそうだが、着慣れない服装ということもあり、気恥ずかしい。
「襟元と袖、裾に白のレースをふんだんに使用しており、今流行りのデザインでございます」
「これを頂こう。靴と帽子も併せて見繕ってくれ」
どうやら決まったらしく、店員は他の洋服を手際よく片付けていく。そして、入れ替わるように靴と帽子が並べられた。そして、まずは帽子を端から順番に頭に載せていく。
その中で気になったデザインがあった。月と星のオブジェがついた帽子。かぶせてもらった後、思わず手に取って眺めてしまう。
「気に入ったのか?」
「素敵だな、と思いまして」
気に入った、そう言われればそうなのかもしれない。この中で、手に取ったデザインはこれだけだ。目の高さまで上げると、陽の光を浴びてきらきらと輝く。
「そうか、ならそれにしよう」
「良いのですか?」
「あぁ、私もそれが一番似合っていると思っていた」
私の手から帽子を取って、頭に乗せてくれる。先ほど選んだワンピースと同じ色合いで、調和も取れている。
「オブジェはブローチとしてもお使いいただけますよ」
朗らかにそう話す店員は、靴の用意をしていく。これも洋服と帽子と同じ色を数足持ってきて合わせていった。




