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月を詠む  作者: 都合
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気持ち3

「恋、ですか…?」


私には、到底持ち合わせることなんていないと思っていた感情だった。


「あぁ、私は月華に恋している」


私には、到底向けられることのない感情だと思っていた。


「夢で一目見た、その時から恋をして、理不尽に立ち向かい、何度涙を流しても向き合う姿に惹かれていた。しかし、その先に進むには月華の気持ちがなければ成立しない。今、同じ気持ちと知れたことが、私はすごく嬉しい」


これが、恋だと、心拍を上げ、胸を締めつける。昼夜問わず共に居たいと、その手に触れたいと、ずっと隣に居たいと、私を翻弄していた。これが、恋。


「私もツクヨミ様に、その…、恋、しています」


それは伝えるだけではなく、自分に言い聞かせる意味合いが大きかった。そうか、私はこの方に、恋をしているのだ。


「他者と心を通わせることが、こんなに幸せなことだと知らなかった」


ツクヨミ様は噛み締めるように言葉をこぼす。背中にある手に引き寄せられて厚い胸板に頭を預ける。私とツクヨミ様が同じ気持ち。それを共有できることがどれほど幸せか。心拍は上がったままだが、胸の中はじんわりと温かい。私の中の幸せが熱となって放出されているのではないかと錯覚してしまう。


「私も、幸せです…」




自然と目線が重なり合う。


月明かりが私達を照らす。


写し出す影は、一つ。

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