ケーキ2
「で、ツクヨミとは最近どうなの?」
ケーキを食べ終わって、机には紅茶のみになっていた。ツツジは厨房にお皿を下げてに行ったので、アマテラス様と部屋に二人きりということになる。
「あ、あの…どう、とは…?」
ツクヨミ様の名前を出されて、どくん、と心拍が上がる。アマテラス様の質問の意図が読めず、これまた曖昧な返答になってしまう。
「そうね~。ねぇ、ツクヨミのことどう思っているの?」
どう思っている。そういえば、そんなこと考えたことなかった。アマテラス様に聞かれて、改めて考える。私に言ってくれたこと、やってくれたこと、いつも私のことを想ってくれている。数々の出来事を思い出すだけでも、胸が締め付けられる。
「えっと、その、上手く言えないのですが…」
「うんうん!」
私が話し出すと、アマテラス様はテーブルに頬杖をついて、前のめりになった。目がキラキラと輝いていて、楽しそうにしている。
「いつも私のことを大切にしてくださるんです。それが、嬉しくて。でも、それだけじゃないんです。胸がぎゅっとするような感じがあって…」
どうせ心を読まれるのなら、包み隠さず全てを話そう。そう思い、顔に熱が集まるのを感じつつ、ここ最近の気持ちを吐露する。視線は宙を泳いで、最後には膝の上で握られている手に落ち着いた。
「そうなのね~、それでそれで?」
「一緒に居たいって思うんです。お仕事のお手伝いも、お出かけも。夜寝る前に、何してるのか気になっちゃうんです。でも、そう思う理由が分からなくて…」
恐る恐る視線を上げると、アマテラス様の瞳はより一層輝きを増していた。
「ツクヨミと一緒に居たいって思っているのね!?」
目が合った瞬間、テーブルに手をついて立ち上がって前のめりになる。そんな興奮するようなことなのだろうか。呆気に取られていると、アマテラス様はコホンと咳ばらいをして、椅子に座りなおした。
「失礼。ツクヨミのことそう思っているのね!」
「はい」
アマテラス様はとても嬉しそうにしている。
「ツクヨミには言ったの?」
「いえ、これは伝えるべき気持ちなのでしょうか?」
もう胸はずっとどきどきと心拍を上げたままだ。私の質問を聞いたアマテラス様は、優しく微笑む。
「話してあげて。きっと喜ぶから」
そう言いながら私の手を優しく両手で包む。まるで自分が嬉しいことをしてもらったような表情をするアマテラス様は、とびきり綺麗に見えた。




