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月を詠む  作者: 都合
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その後

水の流れる音がする。その中に、微かに筆が滑る音がある。


「ツクヨミ様、文書まとめ終わりました。机に置いていいですか?」


「あぁ、助かる」


綴った文書をツクヨミ様が作業している机の端に置く。廃病院での出来事からしばらくたち、最近はこうしてツクヨミ様のお手伝いをすることが多くなっていた。お手伝いといっても、文書のまとめや郵便の受け渡しなど簡単なもの。それでも、ツクヨミ様の近くにいれるのが嬉しいと感じている。


業の襲撃はあれからぱたりと無くなった。まれに業を見かけることはあるが、その姿形は私の物ではなかった。ツクヨミ様曰く「あれがあるべき姿」らしい。それを聞いて、元に戻ったのだと安心した。もう、私の血は必要ないのだと。




今更ながら、気が付く。


私の血は必要ない。




では、もうここに居る必要はないのではないだろうか。


そうだ、ツクヨミ様と私の婚姻は、私をあの家から連れ出すための口実で、それが解決した今、その婚姻だって無効になってしまうかもれしれない。


現に、ツクヨミ様から婚姻の話は一切されたことが無い。




じゃあ、私はもう、ツクヨミ様の隣に居れないの?


それは、嫌。でも、どうして?




ずきん、と鋭く胸を刺されたような痛みが胸のあたりに響いた気がした。

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