表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月を詠む  作者: 都合
43/61

決意

そのまま手を引かれて、ツクヨミ様の隣に座る。まだ手は繋いだまま、離したくなくて少し強く握ってしまう。馬車はゆっくりと動き始めた。胸の中を占めるのは、底知れない恐怖だった。父の考えていることが全く理解できない。


事実から推測、推測から予想、頭の中がごちゃごちゃと騒がしい。それを無理やり洗い流すかのように、大粒の涙がとめどなく溢れてくる。理解ができない、これが何より辛くて、そして、その相手が父というのが私の心を荒立たせる。


「月華」


繋いだ手が離れていく、それと同時にふわり、と体が浮いてツクヨミ様の膝の上に乗せられる。そして、そのまま強く抱きしめられる。肩口に顔を埋めて抱きしめ返す。安心する、でも涙は止まらない。


「月華、無理に来なくてもいい。このまま里に帰ってもいい」


優しい言葉をかけられる。きっと、ツクヨミ様なら一人でも解決できてしまうのだろう。むしろ、私がいることで足を引っ張ってしまう可能性の方が高い。でも、それでも。


「私は、最後まで自分の目で見届けたいです」


埋めていた顔を上げて、ツクヨミ様と目を合わせる。まだ涙は止まらなくて、溢れっぱなしで、声も震えて情けない。けど、それでも。


「足を引っ張ってしまうことは承知しています。ご迷惑をかけてしまいますが、連れてって欲しいです」


最後まで逃げない。って、決めたから。


ツクヨミ様は少し目を見開いて、悲しそうな表情になる。


「本当に行きたいのか?」


再度、確認する。


「はい」


涙を流したまま、震えた声で、できるだけ力強く返事をした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ