遭遇3
帝都の外れということもあり、人通りはなかった。業の攻撃に巻き込まれた人がいなくて安心する。
それにしても、業の出現は夜だけだったはずだ。妖の里への襲撃も激化していたとはいえ、出現する時間は決まって夜だった。しかし、今は昼間である。これも進化なのだろうか。だとしたら、帝都も安全とは言い切れなくなる。
それに加え、先ほどの業は一度切られただけでは消滅しなかった。何度も攻撃しなければばならないのか、急所となる場所が決められているのか。これもまた進化なのか。
ずきり、少し考えただけでも頭が痛くなる。考えることが多すぎて、辛くて投げ出したくなってしまう。
しかし、これは私が向き合わなくてはならない問題だ。辛くとも、何としてでも解決しなければならない。それが私にできること。投げ出すなんて、絶対にしない。
「月華、また業が来るかもしれない。私から離れるな」
「は、はい…!」
ツクヨミ様の言葉で、堂々巡りの思考を止める。そうだ、まだ完全に安全が確保されたわけではない。追撃があるかもしれない。一度周りを見渡して、黒い影がないか確認する。
すると、帝都の中心から向かってくる一台の車があった。
私達は迎えが来るから良いが、運転手は帝都へ戻らなくてはならないだろう。その車は速度を落として、私たちの横で停車する。丁度良かったと安堵したのもつかの間、車から降りてきた2人の男性を見た瞬間、恐怖した。
「ゆっくりしていけと言っただろう、ミツ」
私をその名前で呼ぶのは、限られている。そう、車から姿を現したのは父だった。その後ろには先生も居る。このタイミングで姿を現すなんておかしい。ツクヨミ様は、すぐに父から私を隠すように前に来てくれる。私はツクヨミ様の背中にしがみついた。




