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月を詠む  作者: 都合
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帰省

夜の里を出て、しばらくすると帝都が見えてくる。いつも窓から見ていた、お馴染みの街。


今回、私の帰省の目的は、父の動向を探ること、業の研究機関の把握、及びそれの壊滅。私が危険と言われているのは、帰省した実家でまた検体となってしまうのではないかという点だった。


「許可はする。ただし条件がある」


実家よりも少し離れた場所で馬車を降りる。私の隣には、背の高い銀髪の女性。私の侍女として、帰省についてきてもらった彼女。そう。女性の妖に化けたツクヨミ様である。


ツクヨミ様の言った条件とは、決して一人にならないこと。そのために、女性の妖に化けたツクヨミ様から離れるなというものだった。


少し歩くと、実家の屋敷が見えてくる。私にできることは何でもしたい、と意気込んできたが、いざ実家を前にすると緊張してくる。ましてや、今の私はここで何をされてきたか知っているのだ。


「緊張しておられるのですか?」


前を歩く侍女、もといツクヨミ様は鈴の鳴るような声で話しかけてくる。侍女という設定なので、敬語で話しているのだが、とても違和感がある。


「す、少しだけ…」


本音を素直に言うと、侍女は私の耳元に顔を寄せる。何だろうと不思議に思っていると。


「私がいる。必ず守るから安心しろ」


低く、囁かれる。聞こえてきたのは、元のツクヨミ様の声。くすぐったさと驚きで、思わず肩が跳ね上がってしまう。耳に熱が帯びる、この感覚おそらく赤くなっているだろう。


「あっ、ありがとうございます…」


恥ずかしさも相まって、言葉が尻すぼみになってしまう。それと同時に、隣にツクヨミ様が居れば大丈夫、そう安心できた。

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