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月を詠む  作者: 都合
30/61

今後

「実家に帰ります」

「ダメだ」




ツクヨミ様から名前を頂戴して数日。業の襲撃は収まるどころか、激化する一方だった。そろそろ本格的に手を打たないと里の存続に関わってくるということもあり、ツクヨミ様、スサノオ様、アマテラス様の3人で情報共有と今後についての話をしていた。


業の進化には私の血が使用されている。それは分かったが、具体的にどのように進化させているのか、どこでそれを行っているのか、分からないことが数多くある。それを知るためには。そう思い、私はある提案をする。それが先の「実家に帰ります」発言だ。


「で、でも、私が実家に帰ったら、父の動向を探ることができるかもしれませんし…」

「ダメだ」


しかし、ツクヨミ様に速攻で却下されてしまう。我ながら良い案だと思っていたので、ショックである。


「でも…」

「ダメだ」


食い下がるが、それも速攻で却下。どうしてもダメらしい。


「ツクヨミ、落ち着きなさいよ。却下したい気持ちは分かるけど、ちゃんと言わなきゃ月華ちゃんがかわいそうじゃない」


見かねたアマテラス様が、ツクヨミ様を窘める。そして、私の方を見て微笑みながら話し出す。


「月華ちゃんごめんね~。ツクヨミはね、月華ちゃんが危ない橋を渡るのが嫌なのよ」


その表情は、微笑みを通り越して、満面の笑みだった。スサノオ様は笑いながら話に入ってくる。


「危ないとは思うが、いい案ではあるだろう。根源を完全に断つのであれば、少数精鋭かつ短期決戦で決めるべきだろう」


「しかしだな…」


隣に座っているツクヨミ様は、渋い顔をして許可を出してくれそうにない。だが、もうそんなことは言っていられない状況でもある。少しでもツクヨミ様の力になれるのなら、私にできることは何でもしたい。


「ツクヨミ様、あなたのために私は私にできることをしたいです。ですから、実家に帰らせてもらえないでしょうか?」


渾身のお願いに、ツクヨミ様はしばらく考え込んだ後、渋々首を縦に振った。


「実家に帰るって!やーい、ツクヨミ振られてやんのー!あっはっは!」

「いじわるばっかり言うからよ~」

「やかましい!」

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