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知られてしまった
傷つけたくなかった。
知らぬのなら、そのまま。何も知らず、なんでもないと言えたら、どれほど良かっただろう。しかし、結果はこの体たらく。自分の実力不足に腹が立つ。
一番、最悪な形で、彼女に知られてしまった。
何が正解だったか分からない。どうすれば良かったのだろう。
何を考えても、今更だ。
泣き疲れて、意識を失うように眠ってしまった彼女をベッドに運ぶ。目は赤くなり、頬には涙が流れた跡が残っている。親指で優しく擦り、跡を消す。羽織を脱がせようとしたが、両袖を握っていたのでそのままにして、布団をかける。
「すまない」
ぽつり、届かない謝罪をひとつ。
部屋の結界をかけ直して、自室に戻った。




