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月を詠む  作者: 都合
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心根

心根が清らかとは、正にこのことか。彼女の言葉が頭の中で反芻する。あんな目にあってまで尚、他人を思いやれる余地があるとは。


離れから、母屋へ。客間の襖を開くと、ツツジと共に茶を飲んでいるアマテラスが居た。


「ゆっくりお話はできた?」


笑みを深めて問うてくる。私は答えることなく、座卓を挟んでアマテラスの向かいに座る。


「もう、無視するなんてつれないわね。治すの大変だったのよ~」


頬を膨らませて不服そうな態度をする。それもつかの間、好き勝手に話をし始める。


「それにしても、心がすごく綺麗な子ね。びっくりしちゃった」


ツツジが私の分の茶を淹れて持ってきた。それを手に取り、黙ってアマテラスの話を聞く。




「ミツちゃん、本当に何も知らないのね」




やはりそうか。アマテラスの言葉に安堵した自分がいた。


「それは確実か?」


「えぇ、自分が何をされていて、それがどうなっているのか。あの子、全く知らないのよ。そして、それを疑問に思わせないように徹底的に囲まれて居た」


アマテラスは眉間に皺を寄せて話を続ける。彼女がこんな表情をするのは珍しい。


「心が綺麗で、思慮深くて、思いやりのある子。だから、心配よ」


伏し目がちに話していたが、まっすぐ真剣な目で私を見てくる。


「今日のことを含めて、あの子は真実を知りたがっている。違和感に気が付き始めている。だから、知った後にどうなるか…。それは私にも分からない。ツクヨミ、ちゃんと守ってあげなさいよ」


ここまで真剣に忠告をするなんて、本当に珍しい。彼女なりに気に入ったのだろう。


「分かっている」


私の言葉を聞いて安心したのか、アマテラスは微笑んで茶を飲み干した。

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