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第43話 激闘!!ゾウアザラシ!!

「ねえタイセイさん……何かおかしいですよ……」


 おかしいのは君の体勢だと思う。

 いい加減自分の足で歩いてくれないか?

 いつまで引きずられてるつもりだ?


「ここまで何の魔物にも遭わないなんて……」


 そういえば……確かに。


 タマちゃんを引きずり出してから何にも遭ってないな…。


 これが魔除けになってるとか?

 いや、むしろ餌に見えるか?


「もしかしたら……私たちはヤバい奴のテリトリーに入ってるんじゃないでしょうか?」


 猫が嫌いな魔物がいるとか?

 いや、ほぼ人の猫もどきだしな・


「ねえ!聞いてます!?猫もどきが話してるんですけど!?」


「え?聞いてる聞いてる。夏になるとノミが出て大変なんでしょ?」


「ノミなんていませんから!!」


 あれ?何の話だっけ?


「タイセイさん!ストップ!!てか、おかしいって言ってるのに何でずっと進み続けてるんですか!?」


 そりゃ、タマちゃんの話をほとんど聞いてなかったからじゃない?


 ――ドス!バキバキ!ドスドス!


「この先に何かいます!いや、こっちに向かってきてます!!」


 うん、もうヤバい音が聞こえてきてるから知ってる。


 何かが木をなぎ倒しながら向かってきている音が聞こえてくる。

 どう考えてもデカい何かが来ているのが分かる。


「タイセイさん逃げましょう!!あれは絶対にヤバいです!!」


「了解!!」


 俺はタマちゃんを引きずったまま――


 自分で走れ!!


「にゃうん!!」


 急に手を離すとタマちゃんが初めて猫っぽい声を出す。


 違う、今じゃない。


 それにつっこんでいる余裕はない。


 つっこみ1っと。

 心の中の黒革の手帳に書き込む。


 ――バキバキ!!


 音がかなり近づいてきている。

 俺たちは今来た道を全速力で走ったが、木を避けながら走る俺たちよりも、直線で向かってくる相手の方が速かった。


 そして、振り向いた俺の視界に、巨大な毛むくじゃらな何かが映った。


「マズイです!!タイセイさん!!あれは――」


 全身を茶色の長い毛に覆われた巨大なソレは、長い鼻に大きな耳。

 口元から伸びた2本の上に曲線を描いて伸びた牙。

 その頭までの高さは5メートルはあるだろう。

 これは昔テレビで観たことがある――


「マンモ――」


「ゾウアザラシです!!」


 そう、ゾウアザラシ……え?


「ゾウの身体にアザラシの牙を持つ魔物――ゾウアザラシです!!」


 違うぞタマちゃん。

 アザラシにあんな牙は無い。

 どちらかといえば、ゾウセイウチじゃないか?


「あいつはCランク相当の魔物です!!今の私たちじゃ無理です!!」


 説明ありがとう。

 いろいろと助かるよ。

 2ランク上相当の魔物ということで、「ダービージョッキー」によるバフは期待できない。


「でも!このままじゃ追いつかれる!!」


 どんどんとゾウアザラシとの距離は縮まってくる。

 このままじゃ戦うしかなくなる。


「タマちゃん!時間を稼ぐから、とにかく走って!!」


 俺は走りながらタイミングを計る。

 ゾウアザラ……マンモスが木にぶつかる瞬間――


「アースウォール!!」


 その木を抜けた場所に土で作った壁を作り出す。


 ――ゴオォォォン!!


「よし!!」


 木をへし折って抜けた先に突然現れた壁に、マンモスは回避することも出来ずに激突した。


 その衝撃に土の壁は砕け散り、凄まじい音が森の中に響き渡る。


 しかしマンモスも無事に壁を貫通という訳ではなく――走って来た勢いを殺す程度には抵抗し、その巨体は宙を舞うように転倒した。


 どうだ?土魔法(中)の威力。


「今のうちに――」


 逃げるよタマちゃん!!


「今がチャーンス!!」


 はい?タマちゃん、そっちはマンモスの方向――


「タイセイさん!!大物を狩るチャンスです!!何をぐずぐずしてるんですか!?」


 駄目だ……タマちゃんの目が金貨になってる……。


 タマちゃんが鉄のひじりの付いた矢を連続で放つ。

 出会った頃とは段違いの威力の矢がマンモスの身体に突き刺さる。


「パオーン!!」


 マンモスはそれに怒ったのか、転倒させられたことに怒っていたのか――立ち上がると、鼻を振り上げながら大きな声で吠えた。


「タイセイさん!!何してるんですか!!逃げますよ!!」


 いや、お前が何してんだよ。

 もう今から逃げるのは遅いって。


「パフォオォォォン!!」


 ほら、めっちゃ怒ってるし。


 完全にタマちゃんに怒りの矛先を向けたマンモスが再び突進を始める。


 ということは、矢が効いたのか?


「なんでこっちに来るんですか!?」


 そりゃあ、君が矢を何本も刺しちゃったから。


「タイセイさんの方が美味しいですって!!」


「あーすうぉーる」


「あだっ!!」


 タマちゃんの足元に小さな土の山を作って転ばしてやった。


 マンモスが倒れたタマちゃんを踏みつぶさん勢いで迫る。


「いやあぁぁぁ!!」


「も1つ――アースウォール!!」


「キャイン!!」


 今度はマンモスの顎をかち上げるように土の壁を作り出す。

 さっきよりも幅を狭めて、その分強度を上げた土の壁。


 タマちゃんしか目に入っていなかっただろうマンモスはキャインと悲鳴を……キャイン?まあ、そんな悲鳴を上げて転倒した。


 タマちゃんにちょろちょろ動かれたらマンモスの動きを絞れなかったから、心を鬼にしてタマちゃんを転ばしたんだよ?


 俺はロングソードを握りしめ、倒れたマンモスへ向かって走り出す。


 そして仰向けに倒れているマンモスの首元目掛けてジャーンプ!!


 全身をエビぞりに反らせてー!!

 全体重をかけた一撃をその喉元に叩きこんだ。


「オルアァァァァ!!」


「パフォオォォォン!!」


 会心の一撃!!かどうかは知らないが、その一撃はマンモスを倒すのに十分な効果があったようだ。


 『ゾウアザラシを倒しました。

 経験値2100を手に入れました』


 そんな声が俺の中に聞こえてきた。


 ナイス「柔軟性上昇(小)」と、「斬攻撃上昇(小)」。

 普段よりも体を反っての振り下ろしの分、攻撃にかかる威力が増したところに、斬攻撃上昇の上乗せが出来て良かった。


 それにタマちゃんの矢が効いてるのが分かった時点で、俺たちでも倒せる可能性があると知れたのが良かった。



 ナイスだぞタマちゃん!!


 ん?何故俺に矢を向けてるのかな?


 あうちっ!!




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