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第24話 賭け抜ける衝撃!!

「くそっ!他の探しやすいやつ!!」


 周りを見ると、他の騎手も次々と紙を手に走り出していた。


 ンバを置いたままで、一体何のレースなのか……。


「こいつはどうだ!?」


 次に開いた紙には――


 ん?……んん?…………うん。


 俺はコースの中央を突っ切ってスタンドへと全力でダッシュした。



「ラビットさん!!一緒に来てください!!」


「え!?私!?」


「はい!!急いで!!」


「え、ええ……」


 俺はラビットさんの手を引いて、チープの下へと走っ……ラビットさん足遅っ!!


「非常時なんで失礼しますね!!」


「え?キャッ!」


 レベルが上がってステータスが多分上がっている俺は、ラビットさんを抱きかかえて走った。



『さあ、最初に戻ってきたのは、スタコラサッサー騎乗のロレックス騎手。

 その手に持っているのは……髪?

 いや、かつらだー!!』


 よく貸してくれたな。


 それと、よく声かけられたな。


 気づいてもそっとしておいてやれよ。


『そして、他の騎手もぞくぞくと戻ってきたぞー!!』


「すいません!これで、この人です!!」


 俺はチェックの係員に、お題の書かれた紙を渡して、ラビットさんを指さした。


「ん?この人は……」


 頼む!!これで勘弁してくれ!!


「はい、オーケーです」


「よっしゃー!!ラビットさんの為にも俺は勝ちますから!!」


 ラビットさんの手を握りしめて、熱い誓いのキス……は交わすことなく、待たせていたチープへと向かう。


 そう、バレる前に逃げるように走った。


「……私がお題?何だったのかしら?オオミミトビネズミ族?」


 紙に書かれていたお題は――《うさぎ》、だった。



『最後にオレハカズアワセのモブッチ騎手がクリアで、全ンバ障害をクリアーしました。

 先頭を行くのは、1番のスタコラサッサー。

 早くも3コーナーを回って、大欅おおけやきの向こうを抜けていきます。

 少し離れて、10番のコシタンタン。

 外に、チャンストウライと先行集団を形成していきます。

 1番人気、チープインパクトは馬群の中段、外々を回って進んでいきます』


 落ち着け。勝負は最後の直線だ。


 俺にはチープがどれくらいの体力が残っていて、どれくらいのスピードで走れるのか分かっている。


 これは他のンバと騎手よりも、かなり有利なはずだ。


 外を回っている分、他のンバよりも距離を損しているけど、最後までもつはずだ。


『さあー!4コーナーから最後の直線!!

 先頭はスタコラサッサー!!手ごたえ十分に逃げる逃げる!!

 コシタンタン、チャンストウライが並びかけにいくが、差はなかなか縮まらないぞ!!


 そして、いよいよ最後の障害だー!!』


「まだあるのかよ!!」


 一気にスピード上げるつもりでいたってのに!!


『最後の障害は難関の水濠すいごう障害だー!!』


 何?水濠って?水なの?


『深さ30センチ!!幅1メートルの恐怖の水濠が、栄光のゴールへ向かうンバたちを待ち受けている!!』


 浅っ!!――で、幅せまっ!!


 だからサイズが合ってないんだって!!


 足の長さ2メートル以上あるって言ってんだろーが!!


 チープ!!一気に走り抜けるぞ!!



『おおーっと!!ここで外からチープが上がってきた!!

 ンバ場の中央を一頭もの凄い脚で上がってきたー!!


 そして、最後の障害を一気にまたいで、ゴールまで残すは直線400メートル!!』


 またいでって言っちゃってるやん。


『チープ来た!!外からチープインパクトが一気に先頭を捉える勢い!!

 内で粘るスタコラサッサー!!

 チープインパクトを追って、オイマテコラーも突っ込んできている!!』


「おい!こら!!待てよー!!」


 あの少年騎手が叫んでいるが――


 誰が待つかー!!


 『しかし、ここでチープが先頭に立ったか?チープ先頭!!

 スタンドからは大歓声!!』


《チープいけー!!お前に全財産賭けてるんだー!!》


《チープ差せー!!お前が負けたら、俺は明日の朝日が拝めねえかもしれねえんだー!!》


《差さないで!!タイセイさん落ちて!!イヤー!!来ないでー!!》


「うおおおおおおー!!いけえぇー!!」


『残り200!!先頭は完全にチープインパクトが抜けた!!

 リードを3ンバ身、4ンバ身!!どんどん広げていくー!!

 これは強い!!

 チープだ!!チープだ!!チープインパクト圧勝―!!』


「よっしゃー!!勝ったぞー!!」


『チープインパクト!!見事に親子2代での無敗のダービーンバの誕生です!!


 アルデナイデ競ンバ場に「陳腐な衝撃」が走りました!!』


「だせえぇぇぇ!!異名がだせえぇぇぇ!!」


 そんな感じの意味だけれどもさ。



『見事に世代最強に輝いたのは、チープインパクトでした!!

 ああ、鞍上のタイセイ騎手、スタンドに向かってガッツポーズをとっております』


 あ、はい。ガッツポーズとれってことね。


『10万人を超えるスタンドからはチープコールの大合唱!!

 もの凄いレースを見せてくれました。

 チープインパクトとタイセイ騎手。

 歴史に残るダービーがここにまた1つ誕生しました!!』


 なんか、レースが終わったら、一気に恥ずかしくなってきた……。


 急いで戻ろう。


『チープインパクトが戻っていきます。

 これで今年のダービーも全てが終了いたしました。


 ファンの皆さん、これからのチープインパクトが作っていく新たなる歴史を楽しみにしましょう。


 実況は私――タイセイ騎手のナビがお送りいたしました』


 全部お前かい!!



「タイセイ君!お疲れ様!!凄かったわ!!本当にありがとう!!」


 涙ながらに抱き着いてきたラビットさん。


 ラッキー。


「うぅ…タイセイさん、やりましたね……。ダービージョッキーですよ!!凄いです!!」


 タマちゃん、落ちろって叫んでたの聞こえてたからね。


 君の涙は種類が違うよね?



 そうして、チープインパクトと俺の勝利でダービーは幕を閉じたのだった。


「うぅぅ……これからどうやって生きていけば……」


 ギャンブルをせずに生きていけば良いと思うよ?




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