5話:占奈さんの占い結果【風】
朝から蒸し暑い風が吹きつける日、教室内は期末テストの緊張感が漂っていた。窓から差し込む陽射しが教室の壁に反射し、明るく照らしている。
その中で僕は昨日のデートの余韻を引きずりつつ、占奈さんの姿を探した。占奈さんと目が合うと、自然と微笑んでしまう。
「おはよう、占奈さん」
「おはよう、天夜くん。今日はいいことありそうな気がするね」
占奈さんの言葉に心が和むが、期末テストが近づいていることを思い出し、ふと冗談を口にした。
「占奈さん、テストに何が出るか分かったりしない?」
占奈さんは一瞬驚いた顔をしたが、すぐにニヤリと笑った。
「天夜くんって、けっこう悪い子だね〜。でも、その発想はなかったよ。やってみるね」
占奈さんは新しい紫の水晶玉を取り出し、真剣な表情で占いを始めた。占奈さんの指が水晶玉の表面を優しく撫でるように動き、光がキラキラと反射する。僕の心臓はドキドキと高鳴る。
「見えてきたよー。今回のテストは……風!いいことあるよ?」
「テストに風?どういうこと?」
占奈さんはニヤリと笑っただけで、詳しい説明はしてくれなかった。僕は少し戸惑いながらも、そのまま授業に臨んだ。
授業が始まってしばらくして、突然強い風が教室の窓から吹き込んできた。僕の机の上に置いてあったペットボトルのカフェオレが倒れ、教科書に零れてしまった。
「うわっ!」
慌てて拭こうとするが、教科書はびしょびしょになってしまう。隣に座っている占奈さんが微笑みながら見ている。
「ずるはダメってことだね、天夜くん」
「本当だね……」
教科書が乾くまで、僕は占奈さんの机をくっつけて見せてもらうことにした。彼女は楽しそうに教科書を開いてくれた。
「ここ、一緒に見ようね」
占奈さんと机をくっつけると、占奈さんの息遣いが近くに感じられ、僕の心臓はさらに高鳴った。占奈さんが微笑むたびに、僕の胸は幸せで満たされた。
授業が進む中、占奈さんは勉強が得意であることを再確認する。占奈さんはノートを介して、筆記で僕に話しかけてくる。僕たちだけの小さな秘密の時間が始まった。
「勉強苦手なの?」
占奈さんはノートに書き、僕に見せる。占奈さんの字はとても綺麗で、見惚れてしまう。
「うん、ちょっとね」
僕は少し恥ずかしそうに書き込んだ。
占奈さんは微笑みながら、次の言葉を書き足す。
「私が教えてあげるよ」
占奈さんの提案に心が踊る。こんなチャンスを逃すわけにはいかない。
「いいんですか?」
書き言葉でも警護になってしまった。
「もちろん!」
占奈さんはすぐに返してくれた。占奈さんの笑顔が一層輝きを増し、僕の心臓はまた高鳴った。
「今週末、一緒にお勉強しない?」
占奈さんが書く。
「どこ集合にしよう?」
僕は驚きながらも書き込んだ。
占奈さんは少し恥ずかしそうに笑いながら、
「あのね、お恥ずかしながら、水晶玉買ったから、その、お金無くて……だから、私の家に来ていいよ」
と書いて見せる。
心臓が一気に高鳴った。占奈さんの家に行くなんて、夢のような展開だ。
「本当に?じゃあ、お邪魔させてもらうね」
と書き込みながら、心の中で小さくガッツポーズをした。
占奈さんの頬が赤く染まり、僕も顔が熱くなるのを感じた。二人で勉強する時間が楽しみで仕方がなかった。
占奈さんの笑顔が僕の胸に深く刻まれた。このままの幸せが続くことを願いながら、僕は占奈さんとの週末を楽しみにした。
心の中で伝えた。
『いいことあったよ。
占い、当たってるよ。占奈さん』