表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/129

六月は金緑石(七)

特に興味もなく急ぎもせずのらりくらりとやって来た紫苑が見つけたのは、翠姫だった。

「やぁ、やっと来たね。」

少女漫画から飛び出たしてきたようにボーイッシュな笑顔は周りの少女たちを釘付けにする。

「紫苑さん、お知り合い?」

積極的な曽根崎などは、普段は紫苑に話しかけもしないくせにここぞとばかりに声をかける。

「なにしに来たの?」

やけにツンとした態度を見せる紫苑に対し、姉はなおさらやさしく話しかける。

「近くまで来たら雨が降り始めたからさ、心配になって。」

自分の傘の下に妹を招きいれようとするしぐさを見せる姉に対して、妹は反抗的な眼差しを緩めることなく、お気に入りのフリルが付いた折りたたみ傘を一回転させる。

「けれど、心配無用だったみたいだね。」

「ええ。でも、折角だから、ケーキくらいはごちそうしてもらってもよくてよ。」

「そうこなくっちゃ!」

姉と妹はそれぞれに傘をさしたままではあるが、横に並んでさっそうと舗道を歩いていった。少女たちの羨望の眼差しを受けたまま。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ