Episode.0
-スクールカースト-
程度の激しさはあれど、どこのクラスにも存在する階級制度。
時に人間関係を築く上での制限となり、時にいじめを引き起こす。
スクールカースト上位の人間には、逆らえない。
長年、スクールカーストは問題視されてきた。
生徒は皆平等でなければ、と。
生徒同士のトラブルはどうしても起こってしまう。
それが原因で若い命を自ら投げ捨ててしまう子供もいる。
他の人を下に見ることしか 自分の価値を高める方法がない人間。
与えられた学びの機会を存分に活用できない人間、その機会を奪う人間。
仲間外れにされることを恐れ、自分の意思を持たない人間。
公教育は、もちろん、そのような人間を育てようと思っている訳ではない。
これまで、「クラスの雰囲気」と言われる曖昧なものと向き合っていたのは教師だった。
しかし、教師が把握している子どもたちの人間関係はほんの一部である。
これ以上、「クラスの雰囲気」に頭を悩ませていては、学校での学び、授業についてブラッシュアップする時間がない。
では、生徒にその役目を担わせてはどうか。
生徒同士の良好な関係を作り上げていくのもまた生徒である。
騒がしいイメージの強い、いわゆる「一軍」が、
・誰にでも平等に接するなら
・クラスの信頼を正当に得られるなら
・いじめを起こさせない強い意識があるなら
誰もが過ごしやすいクラスになるのではないか?
ついに政府は、リーダーの素質がある者に、専用の教育を受けさせる方針を定めた。
小学3年から小学6年の選ばれた男女に対し、リーダーとしてあるべき姿を徹底的に叩き込むのである。
頼りになる優等生で、クラスの中心人物。
教育された子どもたちは、学校生活を通して学んだことを活用し、リーダーとしての経験を積み重ねていく。
将来は、社会のリーダーとして活躍してもらうことを期待して_____
…と言いつつも、本人たちはまだ小学生。小難しいことを考えているわけではない。ゆっくりと時間をかけ、時に協力させ、時に争わせ、意識を高めていくのだ。
こちらでは、自然豊かな田舎、ナズナ地区の小学校での様子をご覧いただこう。