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追放された双剣使いは魔物を狩る  作者: もぐもぐ野菜
2/3

壊れた者

無謀であるが、彼にはもう何もなかった。

ゼロは龍に近づき、双剣を振るう。だが、鱗には傷一つ付かず、龍は前脚を振るい、地面に叩きつけようとする。ゼロはそれを回避するが風圧で吹き飛び、叩きつけられた前脚によって地面が陥没する。


「ははっ、化け物かよ」


ゼロはそう言うと、龍は口から光を放った。ゼロはそれをギリギリで回避したが、触れていないはずの装備がドロドロに溶けた。


「光属性のブレスか…」


そう呟きながら躱しつつ、龍の全身を攻撃する。だが、龍にはダメージは入らない。やがて、龍は咆哮を上げてゼロの動きを阻害すると、尻尾が神速とも言うべきスピードで振られ、直撃する。それによって瀕死のダメージを喰らい、地面に激しく打ち付けられながら転がり、巨大な岩に激突した。


「ガハッ…!」


それにより、身体中の骨が罅が入り肋骨や右足が折れ、血反吐を吐く。だが、彼は再び立ち上がった。頭から血を流し、朦朧としながら。


(これは死ぬな…なら、足掻いてやる)


ゼロはそう思いながら、あの龍に突撃する。


「身体強化…」


自身が使える唯一の魔法を全身に、尚且つ全力で自分に使う。そして、足の骨を代償に龍の攻撃を避け、天高く舞い上がると龍の背中に双剣を刺した。そこだけは、そこまで固くなかったのだろうか、龍の血を浴びながら深々と突き刺そうとさらに力を込めた瞬間、双剣が折れる。


(まぁ、折れるよな)


ゼロはそう思いながら、龍の背中から振り落とされ地面に激突する。


そして、龍がこちらを見て近づいてくる。


(…終わりだな…あぁ、なんかもう…ど…う…も…い…)


ゼロはそう思いながら、目を閉じた。


「…貴様は見殺しにはせん」


そんな声を、最後に聞きながら。

次回 龍神から語られた真実

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