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ベッドと絵本

 メリーゴーランドのライトアップが消える。

メリーゴーランドにある馬車の中には大きなベッド。そこにフェアリーライトとキャンドルの淡い光が枕を照らした。

「内緒の話をしよう」

 二人は柔らかい大きな布団を被り、キャンドルの灯を頼りに一冊の本を広げた。カサカサと乾いた音が鳴る。そこには少しいびつなピエロと女の子が描かれていた。

「これが僕、これが君。二人は楽しく遊んでいるよ」

 ぺらりとページをめくる白い手袋。本の中の二人は好きな物を一緒に食べたり、好きな色の服を一緒に着たり、好きな曲を一緒に奏でたり。楽しい事でいっぱい。

「そして、最後には同じ冷たいベッドでずうっと眠るんだ」

 冷たい? と少し不思議そうにする女の子。

「……冷たいのは嫌だね。でも大丈夫、ほら、このベッドは温かいから。その時は、僕が君を温めるよ」

 ぱたんと本を閉じる。二人は少し寄り添うと、温かさに身を任せてうとうとと眠りに誘われた。

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