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振られたその日から逆転するラブコメ  作者: スクールストライカー
ぐちゃぐちゃな好き
8/59

誰ですか?

引き続きよろしくお願いいたします。



 「こんな感じでどうですか?」


 店員さんの声を聞いて、正面に立て付けられて鏡へと視線を送る。

 見れば、何年振りか分からないくらい時間を空けた僕の顔と対面した。正確には、僕と鏡だけれど。

 細かいことはいいけれど、・・・・・・何だろうこの髪型は……

 確かに、お任せしますとは言ったものの・・・・・・と、いうか、こんな顔していたっけ?

 ・・・・・・誰、この人?

 いや、目が母さんにそっくりだ。ということは、僕?いや、誰?…

 ま、まあ、どうでもいいか、なあ。


 「か、か、か完璧だと思います。」


 言えば、美容院の女性の店員さんはパアーッと顔を明るくした。

 よ、喜んでもらえて良かった。…けど、まだ、緊張してしまう。

 家族以外の人の前でも、()()でありたい。古賀さんに、背中を押してもらえたから。


 「ありがとうございます。今回は、素材を生かすために全体的に遊ばせてもらいました。」

 「えぇ!?遊んでいたんですか?」

 「フフッ、お客様そういう意味ではございませんよ。」

 「//////・・・・・・あ、はい。そうでしたか。あ、あありがとうございました。」


 どうやら、早とちりしてしまったようで、恥ずかしい思いをした。

 店員さんも、お人が悪い。笑うなんて…

 僕は、最近の…というか、おしゃれの事が疎いことを知った。

 なんというか……そういうのを意識していないと、疎いことにも気づけないという事実が学べました。

 

 「えっと、カットだけなので、三千円ですね。」

 「あ、じゃ、じゃ、電子マネーで。」


 

 かっこいいセリフをしっかり言いたかった。…

 って、それよりも、


 「古賀さん。お待たせしました。」

 「・・・・・・・・・おお、これまた予想以上。」


 えっ!

 この、予想以上って、なに?

 すごく、不安になる。…


 「・・・似合っている、かな?」


 恥ずかしいけれど、問題ない。

 だって、家族だから。


 「うん、最高だよ。ちゃんとカッコいい。」


 誰かにカッコいいと言われたのは初めてだ。とても、嬉しいような、照れくさいような、不思議な感覚だ。


 「あ、ありがとう。」

 「どういたしまして。」


 と言いながら、すごく凝視してくるのは何故なのか。

 なんか、怖いよ?

 というか、本当に怖いのはブツブツ言ってることなんだけど…。

 「いや、まさか過ぎ。」だとか、「私の目は何て節穴だったんだ。」等々。

 人の顔を見ながらの独り言ほど怖いものはないと思った。……



 僕たちは美容院を後にした。


 「この後どうする。」

 「いや、僕は、何も。・・・あ、そうだ。古賀さん、付き合ってもらったお礼をするよ。」

 「な、なるほど、そういう、魂胆で連れ出したんだ。」

 「か、からかわ…古賀さん、帰ろっか?」

 「ああ、うそうそ、ごめん。」


 慌てて謝ってきた古賀さん。

 ぼ、僕も、いつまでもやられてばっかりでは、いられないのだ!

 

 「うーん。お礼・・・ねえ。私何にもしてないよ?」


 そういう古賀さんは、自信がなさそうだ。


 「い、いや、感想を言ってくれた、から。」

 「いやいや、普通でしょ。」


 どこか、お金を使う事に対して、申し訳なさそうにして見える。

 昨日の夕ご飯の時も。…


 「じゃあ、゛普通゛を教えてくれたから。じゃ、ダメかな?」


 僕は、゛変わりたい゛。そう思わせてくれたお礼もしたい。

 教室でボッチだった僕に、話しかけてくれたお礼がしたい。

 僕に、優しくしてくれたお礼がしたい。

 僕に、僕の、家族になってくれたお礼がしたい。…


 たくさんの、お礼がしたい。


 「・・・わかった。千堂君、デートの続きをしよう。」

 

 はい、いいですよ。…


 「からかうのは、なしですよ。」


 僕は、返す。

 何倍にして、お礼を返す。

 僕は、変わりたい。


 

どうでしょうか?

『「私は、ネカマです。」なんて、今更言えない。』も、よろしくお願いします!

感想,アドバイス等ありましたら、何卒宜しくお願い致します。

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