罰ゲーム
今回は、真面目な奴?
「へ?…………」
「どうしたの?」
「・・・・・・」
絶句する古賀さん。
「・・・えっとー、「想像以上……」」
何が?
僕の顔って、そんなにひどい?
振られた原因であるけれども!
ねえ、人の顔見て固まらないでよ!
・・・・・・やっぱり、こんなことするんじゃなかった。……
※ 二分前――――
僕は、罰ゲームを賭けたゲームで、完敗した。
そして今、その罰ゲームが実行される。
「じゃあ、私のいう事を聞いてくださーい。」
「まずはー、目を閉じて。」
普段、女の子同士が何をして遊んでいるのかが知れる。と、言えば、気持ちが悪いかもしれないけど、とりあえず、これから一緒に遊んでいくうえで役に立つ、はずっ!
だから、罰ゲームなんか……怖くない……よ!
「はい、早くしてー。」
「ご、ごめん。」
目を閉じる。
すると、一気に不安というか、緊張がこみ上げてくる。
目を閉じる。と言っても、前髪で顔を覆いつくされてしまっていて、良くわからないと思うのだけど……
「目を閉じた?」
あ、やっぱり、分からないか。
「うん。」
「次はー、両手を後ろで組んでくださーい。」
さっきから、さほど難しくもない要求ばかり……女の子の間では、これが人気なの、かな?
「よし、オッケー。なら、そのままじっとしていて。」
いや、これからが本番なのか。
・・・何をされるのだろうか。
ビンタ、かな?・・・いいや、古賀さんはそんなことする人じゃない。
落書き、かな?・・・あ、ありえる!
・・・何を書かれるのだろう。
できれば、すぐ落ちるものだと助かるのだけど……
前髪が持ち上げられる。
そして、初めに戻る。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・あ、あの古賀さん、目を・・・開けてもい良いかな?」
「・・・・・・」
あーえと、無言は肯定だっってこと?
ゆっくりと、瞼を開けようとした途中に「ま、待って」が入る。
・・・・・・もしかして、そういう遊びなの?……
前髪がふぁさりと、下ろされる。
もう終わったという事?
「・・・・・・楽にしていいよ。」
・・・終わった、らしい。
これはー、・・・何の遊び?
目を開ける。
やはり、こちらからはレースカーテンのような視界だけど、見える。
「予想以上……」、その言葉が引っ掛かる。…
僕って、そんなにブサイクだったっけ。………いや、最後に見たのは何年も前の事だから、今はわかんないや。…………
「・・・・・・千堂君、失恋したんだよね?」
「グハッ!」
容赦のない直球が、刺さる。
ぼ、僕の、古傷があああ!・・・いや、新しいか。
塞いだばかりだし。……
「で、・・・前髪…というか、髪を切りに行かない?」
な、なるほど。
た、確かに、聞いたことある!
振られた人が、バッサリ髪の毛を切るアレ。
「う、うん。・・・どうしよう。」
けど、恥ずかしい…な。どうしても…
この髪型は、・・・この髪型のせいで、虐められたことは何度かあった。・・・でも、なんだかんだ言って、隠れれている感じが気に入っていた、から…。
「・・・私は、千堂君が何を言われて振られたのか知らないけど…でも、だったら、もう、怖いものとか、ないんじゃない、かな?」
そう言われて、ハッとした。
僕が、古賀さんにあの提案が出来た理由を。
本当だ。
僕は、とっても、良いことを忘れていた。
・・・僕は、昨日から、いや、以前から僕から、変われている。
・・・だったら、髪型の変更なんて、自信を持てば、変えられる。
そして、その自信は、今、貰った。
・・・・・・変えよう。
サッパリしてこよう。
「・・・行く、行って来るよ、・・・そ、それで、古賀さんも、付き合って貰える?」
古賀さんは、目を丸くした。
そして、
「デートのお誘いですか?」
今日の僕は、何かが変われる気がした。
どうでしょうか?
感想,アドバイス等ありましたら、よろしくお願い致します。