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振られたその日から逆転するラブコメ  作者: スクールストライカー
ぐちゃぐちゃな好き
5/59

古賀さんの部屋

早速、ポイントありがとうございます!!

これからも頑張ります!



 「ねえ、真也。私たち、もう夕ご飯食べちゃたのだけど。」

 「・・・・・・」


 空気読んで?

 お人好しと、バカは紙一重である。

 これは、名言でも何でもない。経験者は語る。


 「と、いうわけで、どこか食べに行ったら?」

 「今から?」

 「そうだよ。」


 無茶を言う。

 あんなに泣いた後という事実はなくなっていないのだけど。たとえ、話が途切れていたとしても――――


 「古賀さんだって疲れているだろうし…それに僕だって――――」

 「はーい。いってらっしゃい!お金はこれで。」


 そう言って、諭吉さん二人を握りつぶすかのように渡してきた。

 ああ、可哀想っ。っじゃなくて、


 「紅羽ちゃんはいいよね?」

 「あ、私は、何でも。」

 「そういうことなら、お風呂沸かしておくから!」


 バタンッ――――


 追い出されてしまった。

 もしかして、家を差し押さえられたか?と思ったが、それは本気で笑えないので、心の中にそおっとしまっておいた。


 母さんは、忙しい人だ。

 ただ、文字通りでないのは、母さんはほぼ365日24時間家に居る。

 レアリティで言えば、星0.1といったところ。

 ゲームで例えるならば、画面を埋め尽くしている感じ。


 右を見れば、古賀さん。母さんではなかった。…


 「・・・どうする?千堂君。」


 小首をかしげてそう聞いてくる古賀さんに、見惚れてしまう。

 古賀さんも、母さんのテンションで、だいぶ緊張がほぐれているように見える。


 「おーい。」

 「もしもし、古賀さん。さっきの良かったね。」

 「あ、うん。ありがとうっ!ホントにありがとう!!…」


 まただ。

 僕は全く持って自堕落な男の子だ。

 僕の失恋は、癒えていないというのに。


 「古賀さんは、強いな~。」

 「・・・ああ、言わないといけないと思ったから、かな。」


 かっこいい。と、思ってしまう。

 僕は、暮らす場所を提供するだけで助けた気になっていたというのに。……


 「僕なら絶対言えなかったよ。すごいよ。」


 心の底から思う。


 「千堂君ならちびっちゃう?」

 「・・・・・・古賀さん、女の子だよね?」

 「そだよー。」

 「そう。」


 安心した。

 一瞬、「実は男の子でした。」と言う感じかと思っちゃった。

 あの妙に取る時グロイ変身用マスクを被っている可能性を考える所だった。


 「あー。千堂君レディーに向かって失礼だな~。」


 そう言いながら、ベタに頬をぷくーっと膨らませている。


 「いやー。・・・ごめんなさい。」

 「いや、いいよ。」


 顔の切り替えが早い古賀さん。


 「ありがとう。・・・で、本当にどこ行こう?」


 困ったなあ。

 僕、外食店分からないのだけど。

 古賀さんは――首を横に振っている。

 どうしよう。

 お手軽な場所がいいけど…







 ※


 結局、近くのそこそこのレストランに入った。

 足の問題で…いや、運動神経は平凡だとは思うけれど、疲れが、ね。

 それに、古賀さんに良いものを食べてもらいたかったのも…あったりする。


 「おいしかったねー。」

 「うん。こんな場所にレストランがあったんだね。」

 「知らなかったの?」

 「うん。」

 「へえー、私、こんな贅沢したの久しぶりだよ~。」


 僕は、ポケットに入れたお釣りを確認する。

 ・・・諭吉さんがまだ一人いる。


 「そ、そうなんだ。気に入った?」


 僕は隠す。…


 今気が付いた事だけど、なぜか・・・話せている。

 不思議だ。

 こんな僕は、古賀さんと母さんや父さんの前だけだ。

 

 なんだか、・・・少し、嬉しい。


 「うん。あのお肉の味がまだ口の中に残ってるし。」

 「・・・そっかぁ。・・・・・・じゃあ、また行こうね。」

 「・・・・・・な、なに~、デートのお誘いですか~?」


 ハッとする。

 途端、僕の顔は油に火をつけたように熱くなった。耳の、いや、髪の毛の先まで熱が伝わったのがわかった。


 な、なんという不覚。

 ・・・ぼ、僕は、そういうつもりで言ったわけじゃないし。

 あ、あと、そういう理由で、い、家に来ると言ったわけじゃないのに。…


 は、は、早く弁解しないと。


 「・・・こ、古賀さん。ぼ、僕で遊ばないでよ。」

 「はいはい。」

 「ほんとに~。うーん。信用できないなあ。」

 「いやいや、酷いなあ。千堂君のいじわるっ!」

 

 指で僕の横っ腹を突いてくる古賀さん。


 く、くすぐったい、う、うーん。普通にやめて欲しい。って、い、痛い。痛い。


 「や、止めて…下さい…。」

 「はい?」


 聞こえなかったのか、なお、いや、指の本数を増やして僕を刺し殺しに来ている。

 い、いぃぃぃたいです。とても、・・・何か恨みでも?


 「ああ、あの、止めて!…下さい。」

 「はい?」


 古賀さんは、指の動きを止めた。横っ腹に刺さったままで。


 「はい?」


 キョトンとした顔なのに、とても怖く感じてしまうのは、僕だけだろうか。


 「い、家着いたから。」


 助かった。本当に…助かった。

 い、命が尽きるよりも先に、細胞が暴れだすところだった……

 何故って?

 それは――女の子に免疫力がないからである。悲しいことに…

 別に、女の子と触れ合いたいわけじゃない……って、まだクイコンデル!!

 

 「・・・ねえ、古賀さん?・・・刺さっているのだけど?」

 

 声を絞り出す。

 いや、冗談なしに痛い!とても、とにかく痛い!

 初めは、遊びかな?とおもっていたけれど、今相当刺さっているのだけど、ねえ?

 貫通しているのかな?


 「それが?」


 うおおおおおい!

 酷っ!

 僕何かしました――――


 「うそ。ごめんね!」 てへっ!


 少し出した舌に、さっきまで僕の横腹に刺さっていた指でピースを作っている。


 「許しましょう。いや、許させてください!」

 

 気が付けば僕は、古賀さんの犬になっていた。…




 「ただいまー。」

 「えーとっ、た、ただいま。」

 「古賀さん。」

 「え、何?」

 「お帰りなさい。」

 「あ、……うん。ただいまっ!」


 そうして家族のやり取りをした。

 

 僕は、家族の前では()()でいる。唯一の居場所なのかもしれない……

 だから、こういうのは大事だと思う。


 「あー、業務連絡なのだけど…階段上がって目の前の部屋が僕の部屋で。」

 「で?」

 「うん。あの、隣が古賀さんの部屋でいいかな?」

 「・・・・・・私の部屋…。」


 呟く古賀さんは、どこか気の抜けている。

 

 「・・・というのも、部屋の数がなくてね。僕の隣しか空いてないんだ。」

 「・・・・・・そう、なんだ。・・・私の部屋…」

 「嫌だった?」


 古賀さんの顔を覗く。

 いや、変態じゃない・・・よ?


 「あ、ありがとう。まさか、こんなにも待遇がいいとは…」

 「・・・・・・因みに、古賀さんは何を想像してたの?」

 「あー、・・・俺と一緒に寝―――――」



 こうして長い一日が終わった。

 もちろん、夜長い間眠れなかった事は言うまでもない。



 

 


どうでしょうか?

オタク小ネタを入れていきたいのですが…どうしましょう?

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