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振られたその日から逆転するラブコメ  作者: スクールストライカー
ぐちゃぐちゃな好き
3/59

振られた日は家族が増えた日

読んで下さい!!

よろしくお願いしまぁぁぁす!





 ガチャッ―――


 歩き始めて五分ほどで着いた。


 「さぁ、上がって」

 

 古賀さんは、一瞬玄関を跨ぐのを躊躇したように見えたが、すぐに靴を脱ぎ、丁寧に整える。


 「お、お邪魔します」


 さっきも冗談であったように、古賀さんも年頃だ。恋人でもない男の家に上がるのを躊躇う気持ちも分かる。

 僕が、安心させてあげないといけない。

 


 「古賀さん。・・・えーとっ、今思ったんだけど・・・荷物、それだけ?」


 見れば、学校のカバンに一つ小さなリュックサックのみだ。


 「あ~、うん」

 「そ、そうなんだ」

 「・・・大丈夫?」

 「・・・・・・まずいかも」

 「だ、だよねー」

 「どうしよう?これ…」


 いきなり微妙な空気が流れた。

 あ~、え~、・・・・・・はあ。


 「あ、あとで考えよっかー」

 「そ、そうしよう」


 ・・・・・・第一問題発生

 しかし、僕たちは、選択を未来の自分たちに託した。これは――そう、想定の範囲だよ・・・・・・フフッ、け、決して、思考放棄ではないと言っておこう。


 「・・・・・・まず、親に挨拶しようか?」

 「・・・・・・」


 無言で頷く、古賀さん。

 どこか、緊張しているようだ。


 うーん。期待?しているようで悪いけど、うちの親は古賀さんが想像しているような大人じゃないのだけど…。

 まあ、いいか。

 会ってみればわかるけど、どういう反応をするのだろう。とは僕自身も気になる。

 やはり、からかわれるのだろうか?・・・って、なんか、いじめっ子に呼び出されたみたいだなあ。

 ・・・経験あるけど…


 「あんまり緊張しなくていいよ。」

 「・・・頑張る、よ」


 そう言っているけれど、顔は硬いままだ。

 ただ、どうでもいいけれど、そんな顔一つも美しいと思ってしまった。


 「・・・準備はいい?」


 となりで、深い呼吸をしているのが分かった。それから、


 「うん」


 古賀さんの返事を聞くと、リビングのドアノブに手をかけた。


 カチャッ―――


 僕が先に入る。


 「あ、真也(しんや)。遅かったじゃないか」


 キーボードを打ちながら、僕に気づいた父さんが言う。


 「まあー、いつもにしてはね」

 「お邪魔します。」


 後から古賀さんが入ってきた。

 

 「おーう。ゆっくりしていっ……えっ?」


 一瞬で空気が変わったのが分かった。

 父さんは、僕と古賀さんを交互に見ながら腰を抜かしていた。

 戸惑っている。いや、それも当然か。

 僕は、女の子を家に上げたことは今まで一度もない。それどころか、男の子だって……


 ゴホンッ、しっかり了承の意を取り付けないといけない。

 頑張ろう。


 「・・・父さん、話があるのだけど。」

 「お、おう。な、な、何でも話そうぜ。俺たち、親子だ、だしな?」


 さっきのクールさ一転して、変なことを言っている。

 あと、何で疑問形なのさ。あんたが産んだんだろ。


 「そう言ってもらえると、話が早い。じゃあ、早速――――」


 と、言いかけたところで、ガチャンと音がして、「ま、待った―」が掛かった。

 夜なのに、かまわず叫んだ人物は、母さんだ。


 「私抜きで楽しい話とは、感心しませんねえ。真也」

 「・・・あ、うん。どうせ話すことになるからちょうどいいよ。」


 買い物袋を肩に担いだまま、父さんの隣に座る。それに続いて僕も。

 ダイニングに全員が腰掛けた時。


 「「スウ―、ハア」」


 僕と父さんの呼吸が重なる。

 そして、それを合図に緊急家族会議が始まった。


 先攻は、母さん。


 「で、えーとっ、真也の彼女さん?」

 「ゴホッ、ゴホッ、ゴフッ」

 「だ、大丈夫?」

 「う、うん?全然。」


 いきなりの爆弾発言で、何も飲んでいないのにむせてしまった。


 「古賀さんはー、彼女じゃないよ。」

 「あら、そうなの。残ねーん。」


 「残ねーん」じゃねえよ。

 僕、今日振られたばっかなの。わかる?とは言えず、押し黙るしかない。

 心の傷が開きそうで、というか、閉ざし切れていなかったけれど!

 

 なんか、早々に話がつまずきそうな気がしてならない。


 「あの、話を始めるよ?」

 「どうぞ」


 母さんは、興奮した色を隠さないままにやにやとしている。横にいる父さんもだ。

 

 はあ、まったく。何を勘違いしているのだか…

 こっちは、大真面目だというのに。


 僕は、隣に視線を向ける。


 「古賀さん、できれば…」


 古賀さんは、最後まで言い切らなかった言葉を理解してか、頷く。

 古賀さんの表情は、目は、真剣そのものだった。


 


 


 


 

 

 

どうでしょうか?

続きが気になってもらえれば、幸いです。

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