表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/20

土師 修斗 二

 暗い部屋の天井を見つめる。カチ、カチ、と断続的に秒針の音が静かに刻まれる。

 サッカーも終わり、受験勉強を始めて、もう本番も間もない。

 

 ふいに三年間を頭の中で振り返った。

 

 ――楽しかったな。


 素直に出てきた感想だった。サッカー部では斗真とのコンビがはまり、常にレギュラーの座でチームを勝利に導いた。部活のメンバー、クラスメイトと遊んだ日々。ほどほどにハメを外し、不良じみた行為もやってきた。

 いい時間だった。普通の高校生としては上出来な青春だった。


 ――これで良かったのかな。


 そんな俺の、俺達の学生生活が一瞬にして崩壊する出来事が起きた。

 夏休み前。あの日、俺達に一度最悪が訪れた。

 終わった。あの瞬間、俺達の未来は一瞬で絶望に塗り潰された。

 

 ――それがまさかな。


 俺はあの夜の記憶を呼び起こす。

 

『馬鹿げた話だ』

 

 あの夜の出来事を話すと皆がそう口にした。そう思うのも無理はなかった。俺だってそうだった。自分で言っていて、やっぱり頭がおかしくなったのかと不安になりかけた。

 だが事実、その馬鹿げた話は現実になっている。

 全てを無に出来るなら。全てを元に戻せるなら。

 神のイタズラのような最後の希望に、縋りつく他なかった。 


 全てが無にはならなかった。

 全てが元には戻らなかった。

 けど、歪でも良かった。

 歪でも俺達の未来が保証されるなら、それで十分だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ