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第0話 プロローグ

息抜きに書いた作品です。


作者の好きな要素を詰め込む予定であります( ̄^ ̄)ゞ

白くて家具などは置かれていない空間。


あるのは、2脚の椅子と白いテーブル。そこに置かれた白いティーカップとお菓子だけ。


しかし、今の俺にはティーカップに注がれた紅茶の豊かな香りを楽しむ余裕がない。


そんな俺にーー


「この紅茶美味しいわね」


ーー人外の美しさを誇る金髪碧眼の美女が目の前に座っていて、俺に微笑みつつお菓子を進めてくれる。


その時、纏っていた白いドレスから綺麗な胸の谷間が見え思わず目を逸らしてしまった。


それを俺が怒っていると捉えた美女は苦笑を浮かべる。



俺の名は、竜骸夜兎りゅうがいやと

面倒な事が大嫌いな事とモフモフした物が大好きな事を抜かせば、どこにでもいる普通の男子高校生だと自分では思っている。


そんな超が付く程の凡人である俺がここにいる理由は、現在進行形で美女の椅子として活動中の白い髭を蓄えた神の所為だ。


どうやらこの爺さんは地球を含めたこの世界を管理する神様らしい。


「混乱していると思うから最初から説明するわね」


目が潰れるかと思う程に美し過ぎる笑顔。


「夜兎君が死んだ理由は、この無能な神が貴方に関係している書類を他の人と間違えて処分してしまった所為なの」


「え、マジですか……」


通りで変な死に方した訳だ。


家で昼寝をしていた所にヘリコプターが天井突き破って突っ込んで来る何て普通ありえないよな。


「本当よ。全く、あれ程書類の管理には気をつけなさいと言っていたでしょ」


「も、申し訳ありません!!」


うぇー、この爺さん殴られてんのに笑ってやがる。


ドMの神様かよ。こんな奴に管理されてる地球って、……あれ?何だか泣けて来たな。


「神の誤殺は重罪。この愚か者には後で罰を与えるとして、夜兎君にも謝罪をしなければいけないわね」


そう言って頭を下げる美女と白い床に頭を擦りつけるジジイ。


「もし、夜兎君が望むなら異世界への転生も可能よ」


「え、マジですか!」


本日2回目のマジですかだが、先程とはテンションが真逆だ。


「ええ、寧ろ来て貰わないと世界のバランスの調整が面倒になるのよね」


困ったような顔を俺に向ける女神様。


俺は思わず頬を赤らめながら、異世界での生活に思いを馳せる。


誰にも縛られない自由な生活、好きなだけ寝てられるし、何より夢にまで見た獣人をモフモフ出来るかもしれない!


いや、モフモフは後回しだ。1番はどれだけ楽をして、怠惰を貪れる生活が出来るかが重要だ。


「分かりました。俺、異世界に行きます!」


「ありがとう。もし良ければ希望を聞かせて貰っても良い?」


俺の希望、異世界に行っての望み。


そんなの最初から決まっている。


「俺は怠惰を貪りたい!」


「「はぁ?」」


理解出来ていない2人の神に、俺は異世界でどんな生活をしたいのか出来るだけ詳しく説明した。


「……夜兎君は変わっているのね」


「……儂はてっきり強力なスキルや魔法を願うのかと思ったぞ」


「だって、チート何てあっても面倒な事に巻き込まれるだけじゃないですか」


そんなの御免だ!


「夜兎君、ダンジョンマスターになる気はある?」


「ダンジョンマスター?」


確か暇潰しに読んでいたライトノベルがダンジョンマスターを主人公にした話だったよな。


「詳しい内容は引き受けてくれないと話せないけど、夜兎君はダンジョンマスターに向いていると思うわ」


美の女神が俺の手を握る。


思わず全身が熱くなる。


「勿論。特別な機能を私の方で創って置くし、必要なポイントは私が準備するから安心して!」


何だか凄く好条件でダンジョンマスターをオススメされてる気がするんだけど……。


しかし、上手い話には裏があるのが定番だ。


「何だか面倒くさそう……」


俺はNOと言える日本人だ。


「安心して、特別にナビモンスターも準備するから」


握る手に力が籠る。


そして、息が触れ合う程の距離で女神様は呟いた。


「私を信じて」


「ぁ……はい」


やっぱりNOとは言えませんでした。


「ありがとう。それじゃ、早速異世界に送るわね」


女神様がドM神の頭を小突く。


「あ、ありがとうございます!」


うへぇ、殴られて高揚してやがる。


出来ればもう俺の視界に入らないでくれ……。


「ゴホン!では、其方を異世界に送る。しかし、そのまま送ると異世界の魔素に肉体が蝕まれ死んでしまう。だから、其方の肉体の情報を書き換えさせて貰う」


正直な所、こんなドM神に送って欲しくはないが、俺はまだこの神の管理下にあるらしくドM神が異世界に送る手続きをする必要があるらしい。


ドM神がブツブツと詠唱すると足下に金色の魔法神が浮かび上がった。


それに従い俺の体も浮き上がる。


「それじゃ、貴方の2度目の人生に幸運がある事を願っているわ」


「あのー!責めてお名前だけでも!」


「私は、美と愛の女神アフロディーテ」


「儂はーー」

「ーーてめぇはどうでも良いわ!ドM神がぁぁああ!!」


「儂はゼウスじゃー、よろしくなー!」


「だから聞いてねぇよ!」


そこで俺の意識は光に包まれ途絶えた。



◇ ◇ ◇ ◇



「……全く、いつかミスをするとは思っていましたが、まさか誤殺をするなんて」


呆れた表情でゼウスを見れば顔色が悪く酷い汗をかいていた。


あれは、345年前に201回目の不倫がヘラ様に露見した時と同じ表情をしていますね


不振に思いゼウスの肩に手を置く。


「どうなさいました?」


「……間違えた」


何がですか?そんな事は聞くまでもない。


「書き換えをですか?」


「……奴は神喰らいの体質の持ち主だったようだ」


「なぁ!それでは……」


「儂の神力の大半を喰われた」


私は戦慄した。


ゼウス様は神々の王。こんな田舎の星で管理職をしていようとはいえ戦闘となれば彼に勝てる神はいない。


そんな神の力を喰らった人間がどうなるかーー


「おそらく、奴も人間ではなくなっているだろう」


ーー想像に難くない。


きっと目覚めた時、彼は自分の姿を見て悲しむ事だろう。


「ゼウス様、貴方はどれだけあの少年の人生を持て遊べば気がすむのです!」

「ブフッ!」

「本当に!」

「クフ!」

「貴方と言う神は!!」

「ギャッ!グフ……!」

「精力も命も全て喰われれば良かったのに!」

「あ、あ、ありがとうございますぅぅうう!!」



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