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それは、
目覚めたはずの脳を再び目覚めさせるような、そんな衝撃。
「まーきっ!」
「…あ、あき…ら?」
蕩けるような極上の笑みで
学ランを気崩したハーフリーゼントの青年が手を振った。
マキは冷や汗のような滝汗を、隣の涼介に気付かれないかヒヤヒヤした。
知られてはいけないのだ。
あのヤンチャな青年の事を。
まさか転校前の男子校で、熱烈なラブコールを受けていた相手が、どことなく、涼介に似ている…なんて。
「ひっさしぶりだなあー!全然連絡くれねぇんだもんなっ冷てぇよ!俺とお前の仲じゃんか、まーき!」
のしかかってくる体重が、涼介からの圧力の様な気がしてならない。横を見る勇気なんてない。
あきらと呼ばれた男は
曖昧な返事を返すマキを不満げに見つめる。
前のマキも綺麗だった…けどこんな?
なんか、こう…色気っつーの?
なんで……
「…積もる話もあるだろう。俺は帰るから、2人で遊びにでも言ったらどうだ」
「り、りょー…すけ…」
顔面蒼白。
言葉通りの顔をしたマキが涼介を引き止めようとアワアワしている。
あきらはそこでやっと涼介の存在に気が付いた。
「あ…悪ぃな!えーと、色男さん!」
自分と同じか、それより少し高めの"色男"に多少驚きはしたものの、マキの友人であるのなら、是非とも仲良くしたいと、あきらは涼介の肩に手を伸ばした。
「じゃあ、また明日、学校で」
あきらの手をするりと躱し、立ち去った。
ー・・・握手をしなかった。その行為が、涼介の中で起こっている出来事を如実に現している。
涼介は気付いていたのだ。
マキが明らかに動揺し、何かを隠そうとしていた事を。
あのあきらと言うヤンキースタイルが声を掛けてきてから、妙にそわそわしていた。気まずそうに、こちらを窺っていた。
昔の恋人かと逡巡したが、そう言った様子でもない。それならばもっとあからさまに態度に出てくるはず。
マキはそんな奴だから。
「っ涼介!」
ぐっと瞑っていた瞳をこじ開ける声がする。
感情に乗っ取られて取り返しのつかない事になる前に距離を置いたはず。
「....マキ?」
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