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第十六話

 シェリーは口を大きく開けて、今見た光景を疑った。


(まって・・ありえない・・何が起きたの!)理解が追いつかない今見た光景は何?あんなに酷かった怪我が一瞬にして治った!?


普通では考えられないであろう出来事が、目の前で起きたのだシェリーが驚くのは無理もないだろう。カーバンクルはいつの間にか椅子から降りて、シェリーの足元にすりついていた。


「え・・・えと・・神父様その瓶は一体」シェリーは驚き戸惑いながら神父様に話し掛けた。


「ああ・・これはですねハイポーションと言うものでこういった怪我を治す薬です。軽い傷などはこれより効果が低い物で大丈夫なんですが、今回は怪我が酷かったので・・・薬で良くなったとはいえ暫くは安静ですけどね」


「そうなんですか・・暫くは私の家で面倒見ようと思います。神父様ありがとうございました。カーバンクルも怪我良くなって良かったね。」そうカーバンクルに話し掛けると返事をしたかのように「キュイ!キュイ!」と可愛い声を出して私を見ていた。


カーバンクルを抱いて教会を出ようとする私に神父様が言葉を発した。


「待って下さい! シェリーあなたも手を出しなさい・・・その傷引っ掻かれたのでしょう?」


「へ・・?ああ大丈夫ですよ~血も止まってますし!」どうやら神父様はカーバンクルに引っ掻かれた傷の事を気にしている様子だったが、軽い引っ掻き傷だったので、直ぐに血は止まっていた。


「駄目です。血は止まったとはいえ悪化する可能性もあるんですよ!」そう強い口調で話す神父様はいつもと違い少し怖い感じだった。

心配して怒ってくれてるのだろう嬉しい気持ちはあるが、普段優しい人が怒ると怖いというのは本当のように思えた。

素直に「はい…」と返事をして、私もポーションをして貰うと引っ掻かれた傷が、暖かい光に包まれてまるで何事もないように治ったのだ。


その後はいつもの優しい神父様に戻り「もし何かあれば来て下さいね。」と話され神父様にお礼を言って教会を出た。


ポーションか・・・魔法もあってあんな回復アイテムがあると 私が知らないだけで、実はゲームの世界か何かじゃないかと疑問に思ったが考えるのを止めた。


それよりも先ずはカーバンクルの事だ


家で面倒を見ると言ったが、ママやパパは了承してくれるだろうか・・・


多少の不安を感じながら家へと歩いていった。

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