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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第ニ章・二部 入学と新たな挑戦
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準備

「うん。やっぱり、ベイ君にも仲間になって欲しいわね。お願いアリーちゃん、ベイ君。一緒に世界を救いましょう?」

「何か、すごい大事なことをお願いしている割には、お願いの仕方が軽いわね」


 そう言うと、う~ん、とアリーは腕組みをして唸なり始めた。何を考えているんだろうか?


「……まぁ、アホに付き合って死ぬのは嫌だし。付いて行ってあげてもいいわよ」

「え、本当?やった~~!!」

「ただし、条件があるわ」

「え、条件?」


 アリーは、俺の隣に歩いてやってくる。そして、俺の腕に抱きついた。


「私とベイは、大会で優勝するからいいでしょう。でも、他にも何人か連れて行こうと思うわけ」

「他にも。……誰かしら?」

「そうねぇ。候補になるけど、サラサ・エジェリン、レラ・サルバノ、ニーナ・シュテルン辺りかしらね」

「え、ニーナ?」

「まぁ、彼女を参加させられるかは、ベイ次第だけど。有能な回復役は、一人でも欲しいところよね」


 う~ん、サラサや、レラはまだ分かるが。ニーナか。危なくないだろうか。危ない気がする。


「う~ん、サラサちゃんや、レラちゃんかぁ。こっちでも声かけたけど、微妙そうだったのよねぇ~。連れてこれるの?」

「私とベイが言えば問題ないでしょう。取り敢えず、何人になるかは分からないけど、行く生徒の手続きは頼むわよ」

「うん、それぐらいなら全然大丈夫よ」

「あと、一つあるわ」

「あと一つ?」


 アリーが、シアに歩み寄り、そっと耳打ちする。


「と、いうわけね」

「う~ん、難しいけど、出来る範囲でいいなら」

「それで構わないわ。でも、この件に関してのことは、最低限協力してもらうわよ」

「まぁ、協力するのも悪く無いから別にいいけど、あまり無茶なのはやめてね」

「……考えとくわ」


 アリーは、また俺のもとに戻ってきて、俺の手を抱く。


「じゃあ、何か動きがあったらそっちから連絡しに来なさい。私達は、今日はこれで失礼するわ」

「アツアツだねぇ~、二人共。よし、引き受けた!!2人のために、お姉さん頑張るわ」

「ベイ・アルフェルト!!……次は、私が勝ちます!!」

「シュア、あなたじゃ無理よ。じゃあね、二人共。後はよろしく」

「む、無理じゃありません!!次は、こうは行きませんよ!!!!」

「あはは、じゃあ、またね。二人共」


 俺は、アリーに腕を引かれ、2人に手を振って帰宅することにした。



「勝手にOKしちゃってごめんなさい、ベイ」

「いいよ。アリーが考えて決めたことだし。俺も、世界が滅ぶのは嫌だからね」

「ありがとう、ベイ」


 アリーが、きゅっと、抱いている手に力を込める。う~ん、可愛い。


「……ところで、何でサラサや、レラ、ニーナまで連れて行こうと思ったの?」

「万が一を避けるためでもあるけど。複数人いたって事実があれば、皆を召喚しても言い訳ができるかなって思って」

「なるほど」

「それに、ベイの力になってくれそうな女性がいるなら、距離を縮めるいい機会になるわけだし(ボソッ)」

「え、アリー、今なにか言った?」

「……いえ、独り言よ。ふふっ」


 アリーは、どこか楽しそうだ。なら、いいか。俺達は、そのまま雑談をしながら部屋に帰った。



「ご主人様。今日は、私の練習に付き合って頂けませんか?」

「ああ、うん」


 部屋に帰って、皆を呼び出し休んでいると、シデンが座っている俺の膝の上に座ってきた。しかも、巫女装束じゃなく、シャツと短パン姿だ。上から眺めると、シャツからシデンの白い肌がそっと見える。う~ん、エロい。


「ふふっ」


 俺の視線に気づいたのか、シデンは笑うと、俺に抱きついて肌を密着させる。


「ご主人様の、えっち」

「!?」


 耳元で、そんなふうに甘く囁やかれた。しかも、そのままシデンは俺の耳を舐めてくる。


「レロ。ハム」


 ゆっくり、優しく唇で耳たぶを甘噛してくる。うわああああああああああああああ!!!! なんなんだ、この幼女は!!!! あざとすぎるぞ!!!!


「でも、そんなご主人様が、好き」

「!!!!」


 いやいやいやいや、いくらなんでもあざとすぎませんか!! これ、ミルクの入れ知恵かなんかじゃないんですか? ……いや、そうだ!! そうに違いない!!!! そう思うことで、俺は落ち着きを取り戻した。


「ああ、ありがとう。訓練だったな、俺は何をすればいいんだ?」


 優しく、シデンの髪を撫でながら、俺は答える。


「次の進化で、私に何が必要かを教えて下さいませんか?ミズキ姉様に教えたように、何か特殊な職業のことや、水着などの私が知らない未知の知識でも構いません。少しでも、強くなるヒントを得たいんです」


 う~ん、強くなるための知識かぁ。ミズキはニンジャだったからなぁ。だとすると、シデンは妖怪的な知識でいいんだろうか?


「じゃあ、適当に話すから、それで大事だと思うものを覚えていてくれ」

「はい!!ご主人様!!」


 俺は、適当に妖怪の話をシデンに聞かせていった。



「……なるほど、面白いですね」

「どう、参考になりそうかな?」

「はい。幻術や呪い、なかなかに興味深いです。存在感を消すというのも、ミズキ姉様みたいで格好いいですね」


 シデンは、自分の尻尾を手で毛づくろいしている。これが、シデンが考えている時の癖だろうか?


「ふむ、分かりました。ご主人様!!私、立派な妖怪になります!!」


 俺の膝から降りて、シデンは決意表明をする。うん、進化の目処がたったみたいでよかった。


「取り敢えず、黄色と黒の縞模様の服を着るところからですね!!」

「いや、そこは真似しなくてもいいから」


 シデンが、どんな進化をするのかこれから楽しみだ。あ、別に下駄も履かなくていいからね。




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