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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第ニ章・二部 入学と新たな挑戦
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幼女

「へー、シアがそんなことをねぇ・・・。1回、私の魔法でも、撃ったほうがいいかしら?」


 家に帰ると、アリーに今日あったことを話した。・・・あの凄まじい威力の魔法撃ったら、死ぬんじゃないだろうか・・・。シア・・・。


「で、その子は、ミルクに任せるのね?」

「お任せ下さい、ご主人様!!!必ずや、エロい女の子に人化させてみせましょう!!!」

「え・・・、教育するとこ、そこ?」

「こん?」


 ・・・やはり、不安になってきたな・・・。フィーのほうが、良かったかもしれん。と言っても、ミルクはもう、やる気のようだ。


「そうと決まったら、今日の訓練、私はシデンを鍛え上げますよ!!!何事も、初めが肝心ですからね!!!」

「こん!!」


 シデンもやる気みたいだ。・・・意味は、伝わってるんだろうか?


「と言っても、初級魔物だからな・・・。ある程度、加減してやってくれ・・・」

「うーん、そうしたいとこなのですが・・・。とある理由によって、出来るだけやろうと思います」

「とある理由・・・?」


 なんだろう、なにか問題でもあるんだろうか?


「ご主人様。我々の進化に、魔力が関係していることは間違いないと思います」

「ああ、そうだと思う・・・」

「見てください。我々は、もう、あの頃のような小さい魔力ではなく、聖魔級クラスの大きな魔力を持つ仲間が、すでに6人!!!上級が3人・・・!!!そんな魔力濃度の濃い空間に、初級魔物のシデンがいたらどうなるか・・・・。お分かりでしょう?」

「まさか・・・。すぐにでも、進化するっていうのか・・・?」

「ええ・・・、恐らく。今日か、遅くとも明日には、中級になると私は睨んでいます・・・」


 ミルクは、シデンを抱き上げる。


「だからこそ!!!今のうちから、人化の重要性の知識と、ある程度の進化のための力を付けねばなりません!!!・・・・さぁ、ご主人様!!一刻も早く、訓練に参りましょう!!!」

「こん!!」


 む、そうだな。そう言うなら、急いだほうが良さそうだ。俺達は、急いで支度をし、迷宮に飛んで、訓練を行った。


「そもそも、人化の何が重要かというと、美少女になれば、ご主人様とあれや、これや、し放題・・・!!!」

「こん・・・・・」

「おっと、そのバケツを下ろしてはいけません!!少しでも力がいることを、進化前に身体に覚えさせなければ・・・。苦しいでしょうが、辛抱して下さい・・・」

「こん!!」


 シデンの頭には、バランスよくバケツが乗せられており、その中には、岩が入っている。ギリギリ、シデンが支えられる重さにしているため、相当キツイだろう・・・。


「さぁ、まだまだ行きますよ!!次は、その岩を背中に乗せて、走りこみです!!!」

「こん!!」


 二人共頑張ってるなぁ・・・。任せてどうなるか心配だったけど、上手くやれているようだ・・・。


「ベイ、ちょっといいかしら?」

「うん?どうしたの、アリー」

「久しぶりに、私と訓練しましょう?」

「・・・なんだか懐かしいね」

「ふふっ、そうね・・・。でも、今だから、前よりいい訓練が出来ると思うわ」

「お手柔らかに・・・」

「何言ってるの。ベイのほうが強いでしょ?こっちのセリフよ」


 俺達は、お互いに笑い合って、訓練を始めた。皆との訓練のお陰で、俺が優勢だったが、流石アリー。俺の魔法を尽く相殺してくる。天才的な魔法操作も、相変わらずすごいものだ。聖魔級強化も、長時間発動出来ているし、普通の人間なら、アリーに勝てる人など、ほとんどいないんじゃないだろうか?


「長時間・・・と言っても、30分が・・・げ、限界だけどね・・・。べ、ベイ・・・回復・・・」

「はいはい」


 俺は、アリーを回復しながら、頑張るシデンと、ミルクを眺めていた。



「ふふっ、おはよう、お寝坊さん・・・」

「・・・」


 次の日の朝。目が覚めると、目の前に幼女がいた。・・・誰?


「うーん、寝ぼけてるのかしら・・?なら、・・・ふー」


 幼女が、俺の耳に息を吹きかける。ひぃぃぃぃぃ、ぞくぞくする・・・!!!・・・というか、本当に誰?長い黒髪に、シャツと短パンという、動きやすい格好。・・・・日本人?いや、この世界で日本人の幼女が、何故俺の上に・・・・?


「これでもまだ起きない・・?うーん、なら・・・」


 幼女は人差し指を自分の唇に付け、その指を俺の唇につける。


「お目覚めのキス。順番があるらしいから、口同士はまた今度ね・・・」


 幼女とは思えない艶っぽさで、彼女は妖艶に笑う。キス・・・。順番・・・?ということは・・・。


「あ、ベイ。起きたのね」


 アリーが、こちらにやってくる。幼女は、やってきたアリーを見て・・・。


「ママー」


 !!!!!!????????幼女が、アリーのことをママと言ったぞ!!!!!!!!ど、どどどど、どういうことだ!!!!!!!!!アリーは、幼女を抱きかかえて、穏やかに微笑む。


「見て、ベイ。私と、あなたの子よ・・・」

「え・・・」


 ・・・待った、今すごい一瞬で、感動が胸の中に湧き上がったけど、これ冗談的な奴だ!!間違いない!!!幼女は、薄っすら笑ってるし、俺との魔力のつながりを感じる・・・!!!


「ふふっ」


 ・・・いや、幼女のこともあるが。今は、このアリーの冗談にどう返すかだな・・・・。


「・・・・二人目は、いつ作ろうか、アリー?」


 考えた末、俺はこう返すことにした・・・。するとアリーは、抱いていた幼女を下ろし・・・。勢い良く、俺に飛びかかってきた!!!!!!


「ベイ!!!作りましょう!!!是非、今!!!!!」


 ちょ、ちょっと待って、アリーさん!!!!!まだ、まだ、朝ですよ!!!!うわああ、本当にパンツを脱がないで!!!!!!


「アリーさん、肉体的な問題があるから、今は控えておくのでは?」

「・・・む、そうだったわね。子供は産みたいけど、私への負担がね・・・。くっ・・・、悔しいわね」

「まぁ、私達は、魔物だからそういうの関係無いんですけどね・・・」

「そういうところは、羨ましいわね・・・。でも、皆待っててくれてるし、感謝してるわ」

「いえいえ、アリーさんを差し置いてなんて、我々の誰もが引け目を感じてしまいますよ・・・」


 アリーは、パンツを履き直した。残念なような、良かったような・・・。


「ふふっ、朝から面白いですね・・。ご主人様」


 そうだ、まだ幼女の問題が解決していない・・・。この娘はつまり・・・・。


「シデン?」


 俺がそう言うと、幼女は姿を変えていく。髪はきつね色に、頭には狐耳が、お尻には尻尾が2本でた。服装は完全に巫女装束で、白い羽織を着ている。


「ええ、あなたの忠実な下僕、妖狐・紫電。ここに、おりますわ・・・」


 シデンは、ゆっくりとお辞儀をした。・・・シデンって、こんな子だったのか・・・。キツネの時は、よく分からなかったなぁ・・・。


「も・・・」

「も?」


 シデンが、突然震え始める。な、なんだ・・・?


「も、もう・・・、むり・・・」

「へ・・・?おわああ・・・!!!!」


 突然、シデンを白い煙が包んだ。皆で煙を払うと、そこにはまたキツネ姿で、尻尾が2本になったシデンがいた。


「こん!!」

「ああ・・・、やはり完全人化は、まだ無理ですか・・・」

「こん・・・」


 ミルクの言葉に、シデンは、悲しそうに俯いた。まだ人化出来るのは、一時的になのか・・・。


「まぁ、これからですよ、これから・・・。中級でそれだけ出来れば、十分すごいもんです」

「こん・・・!!」


 シデンは、嬉しそうだ。だが、これから頑張るぞという、気合も感じられる。・・・頑張れ、シデン。あと、あまり俺をからかわないでくれ・・・。


「・・・・こん?」


 俺の複雑な表情を見て、シデンは首を傾げた・・・。




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