続・水着
「むっ!!なんだ、もう始めてたのね」
「お、アリーさん、ご主人様が早めに起きてしまいましてね。ささっ、アリーさんの分の水着はこちらですよ。どーんと、着替えちゃって下さい!」
「へー、赤色かぁ~。結構可愛いわね。ありがとうミルク。じゃあっと……」
そういうとアリーは、その場で服を脱ぎだした!! アリーは、俺の視線に気づいているのか、見せつけるように着替えていく。熱い視線を俺に送り、丁寧に水着を着た。
「ふふっ、どうかしらベイ?可愛い?」
くるっと、アリーはその場で回った。アリーの赤い髪が、赤い水着とよく合っていて、アリーの可愛さをより引き立てている。というかアリー、もしかしてまた胸が成長したのか? ……確かめねばなるまい。夫として。それも触診で。これは義務だ。仕方あるまい。……最高です。
「あれ?そういえば、新しい魔物の4人は?」
「ああ〜、彼女達には、まだ刺激が強そうですからねぇ。ミエルは行ける気がしますが、まだ寝てるんじゃないでしょうか?」
「む、そうなの。昨日も寝てて、会えなかったのよねぇ。いっそ、無理矢理ベイの回復魔法をかけてそのまま皆で、って言うのはどう?」
「私は、それでもいいと思うんですが、ご主人様が変な気を回してしまいそうですからね。今回は、無しがいいと思うんですよ」
「なるほど、それもそうね……」
いやいや、今回はとか。まるで、次はそうするみたいなの駄目だよ。イカンよ、無理矢理は。あと、俺の回復魔法を、そんな風に使わないで……。
「じゃあ、私達でベイと……」
「ええ、そりゃあ、もう……」
二人の喉がなる。ギラついた目で、俺を見ていた。あれは、獲物を狙う目だ。だが、その目をしていたのは、二人だけではない。レム、ミズキ、カヤ、俺の天使フィーですら、その目をしていた。もちろん、皆がその目を向けているのは、俺に対してだ。な、なんというプレッシャーだ。怖い……。
「あ~、でも、朝ごはんに行かないと、母さんが来るから」
あまりの皆の迫力に、俺は軽く逃げ道を口にした。だが、これは事実だ。カエラに、息子が美少女達と水着でくんずほぐれつなど、見せられる訳が無い。
「むっ!!」
そういうと、バッと水着の上に服を着直したアリーは、部屋の扉の前に立った。
「それもそうね。ちょっとお義母さんに、今日のご飯は私が用意したと言ってくるわ!!」
「いてらです、アリーさん!!」
「アリーさん、ファイト!!」
「帰還を、お待ちしてます!!」
「殿は、お任せ下さい!!」
「ズバッと、片付けちゃって!!」
皆の声援を受け、アリーは、任せて!! という格好いい顔と、サムズアップをして一階に降りて行った。俺は、ミルクとミズキの胸に腕を挟まれ、カヤとレムの胸に足をガッチリ挟まれる。胸には、フィーが赤い顔をして、俺に軽くキスを繰り返しながら、俺を押さえつけていた。むっ!! 可愛いし気持ちいいしで、すっかり逃げる気持ちを奪われてしまった。
「マスター……」
フィーが、潤んだ瞳で俺を見つめる。その目は、俺を愛おしむように見つめていた。少しの間を置いて、何度も俺を求めるようにキスをしてくる。俺の首に腕を回し、少しでも俺と密着しようと身体を寄せてきた。フィーと接している身体から、口から、全身でフィーの愛情を感じた。レム、ミルク、ミズキ、カヤも俺に軽いキスをしてくる。時間が経つほどに、1回のキスは長くなり、より濃厚なものへと変わっていった。全身に甘い痺れが広がり、皆を愛おしく思う気持ちが強くなっていく。
「ふふっ、ご主人様、気持ち良さそうですね……」
ミルクが、俺の指先を口に含んだ。ゆっくりと口で、俺の指を弄ぶ。それを見たミズキも同じように、俺の指を舐め始めた。なにかもう、どうにでもして下さいと言う感じだ。ミルクの言った通り、とても気持ちがいい。今まで生きてきて、これほど素晴らしいことはなかった。ここは天国ですと言われても、納得しそうである。そして、程なくして部屋の扉が開き、アリーが帰ってきた。
「よし!!これで問題ないわよ!!!!」
「お、ちゅぱっ、おかえりなさいアリーさん」
「あー!!もう皆だけで、だいぶ盛り上がってるじゃない!!私も!!!!」
アリーがすぐに服を脱ぎ、水着になる。フィーと一緒に俺の胸に乗ると、そのまま一緒にキスの雨を降らせてきた。俺の胸で、アリーの胸のたわむ感触がする。やはり、アリーの胸は少し育ったようだ。グレイト!! 最高です!!!! というか、完全にこれで俺は、逃げ道を失った形になる。だが、今更逃げる気になることがあるだろうか? いや、無い!! 俺はもう、この天国に溺れる覚悟を決めた!! 全員の妖艶な目と、色っぽい声が俺に降り注ぐ。俺は、その状況に溺れながら、子供何人ぐらい出来るかなぁ……。と、訳の分からない考えを頭で行なっていた。
「(うわぁぁ~~!!これは……)」
「(はわわわわわわわわわわわ!!!!)」
「(ゴクリ。す、すごいですね……)」
「(あわわわわわ、ふ、不純です!!)」
念話による声が、全員に響く。ああ、そうだった。4人が起きてくることを、考えていなかったな。
「お、起きたようですね。ちゅぱっ」
「そのようだな。ちゅぱ、ちゅるっ、はむっ」
だからと言って、全員やめる気が無いようだ。構わず、ミルクとミズキは俺の指を、愛おしそうに舐めている。
「チュッ、うん、そうね。ベイ、皆出してあげたらどうかしら?私も挨拶したいし。チュッ」
アリーはそういうが、この状況で大丈夫なんだろうか? 俺が言うのも何だが、かなりやばい状況だと思う。当事者でなければ、かなり気まずい雰囲気が出ているだろう。俺は、チラッと皆を見回すが、皆、特に異論は無いようだ。
「(……ということらしいんだが、召喚していいか?)」
口がフィーに塞がれているので、念話で会話をする。
「(いや、そう言われても困るっすけど……)」
「(こんな状況下で、我々にどうしろと!!ミエル様はともかく!!)」
「(ふええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!)」
「(さっきから、ミエル様も熱い視線をなさってますからね。ふふふ)」
「(あ~、取り敢えず、アリーが会いたいらしいから、1回出てくれないか。その後は、戻ってもいいから)」
「(むぅ、分かりましたっす。覚悟を決めるっすよ!!)」
了解が得られたので、4人を召喚する。4人全員が、恐縮した感じで立っていた。アリーが、俺から離れて挨拶をする。
「さて、初めまして。私はアリー・バルトシュルツ!!ベイのお嫁さんよ。よろしくね!!」
「貴方が、アリーさんですか。お噂は聞いています。ミエルと言います。よろしくお願い致します」
「シスラっす」
「サエラです」
「シゼルです。よろしくお願いします」
順々に、握手をしていく。チラッとミエルが俺を見て、顔を赤くしていた。と言うか、この状況を見られるというのは、俺もかなり恥ずかしい。よく皆は平気だよなぁ。と思って、辺りを見回したのだが、全員顔が赤かった。気にしてないわけではない無いらしい。ということは、やめる気がないということか。
「いやぁ~、なんというか。ハーレムって感じっすね。感じと言うか、そのまんまっすけど」
「ふむ、我々には、踏み込みづらい領域ですね」
「そうね。ミエル様は、今すぐにでも行けそうだけど」
「あうう……」
ミエルが、顔を隠してうずくまってしまった。そんな4人を、アリーはしげしげと眺めている。
「うーん、全員胸が結構大きいわね。まぁ、ミルクがOKするくらいだし、こんなものかしら。しかも、4人も一気になんて。すごいわね」
「え、別に私は、胸が小さくてもご主人様のためになる可愛い系魔物なら大歓迎ですよ!!今回は、たまたまですよ。たまたま」
「そうなの?まぁ、ベイについてきたんだもの。いずれ、この子達もより強くなるんでしょうね。今から楽しみだわ!!う~ん、でもなんか……」
「あの、何かって、何っすか?」
「うーん、ああ、そうだ。やっぱこの場で、普通の服っていうのは、なにか変よね。ミルク、この子達にも水着を!!」
「ふふふ、昨日の内に洗って、もう乾いた水着がここに。さぁ、皆さん、どうぞ!!」
「やはり、そうなるのですね……」
「あわわわわわわ!!!!」
「あらあら……」
4人全員が、胸を押さえて頬を赤く染めていた。水着を持って、アリー、ミルク、ミズキが4人に迫る。4人には悪いが、この状況からは、逃れられそうに無いようだ。