水着
家に帰って晩ご飯を食べる。ノービスはもう食べ終わり、湯浴みをしているようだ。今俺は、食後のお茶をゆっくり飲んでいる。すると、洗い物をしていたカエラが、テーブルの対面に座り、俺に話しかけてきた。
「ねぇ、ベイ?」
「うん、どうしたの母さん?」
「お母さん、マリーさんに聞いたんだけど。あなた、召喚魔法が使えるんですって?」
「ぶっ────────!!!!」
驚きのあまり、お茶を噴出してしまった。カエラは慌てながらも、自分にかかったお茶をハンカチで拭いている。
「ゲホッ!!ゲホッ!!な、なんでそんなことを!!」
「なんでって言われても……。マリーさんが、貴方の魔物を見せてもらえないから、それとなく私に言ってみてって」
そんなに魔物が見たいのか、マリーさん!! でも、それだけは無理!! 無理なんです!!
「まぁ、使えるけど……。たいしたものじゃないから……」
「そう。でもとても、気にしているふうだったわよ。まぁ、ベイが大丈夫って言うならいいけど。召喚魔法って、扱う魔物によってはとても危ないんですって。一応、気をつけてね」
「ああ、分かったよ」
「それに、飼育する場所も取るんでしょう?どうしてもって言うなら、庭に小屋を作ってもいいわよ。2,3匹なら大丈夫でしょうし」
「ああ、その時はお願いするよ……」
2.3匹どころか、今や9人ですけどね。それに、今のフィー達を小屋とかに住まわせるわけにはいかない。小屋というか、家を建てるべきだよなぁ~。やるなら。というか、親にはフィー達を見せたくない。女性ばっかだし。ミルクが余計なこといいそうだし。
「今は、どこで飼ってるの?まさか部屋?」
「え、ああ、その、そこら辺を勝手に移動して回ってるんじゃないかなぁ~。特に、飼ってはいないんだ」
「そうなの。ねぇねぇ、お母さんにも見せてくれない?召喚魔法なんて、あまり見たことがないから、興味が有るんだけど」
「ええっと、ああ、人見知りする魔物なんだ。暴れても困るから、ちょっと見せるのは無理かな……」
「うーん、そっかぁ~。それは残念ね」
ふぅ、勘弁してほしい。でも何とか、言い逃れはできたようだ。マリーさんのお陰で、肝が冷えた。でも、これで一応親に召喚魔法をやっているという、言い出しの布石が置けたわけか。いつか、俺の仲間達を紹介できる日が来るといいなぁ~。うちの親が、驚きで顎をはずさないといいけど。
「あ、でも、この事は秘密にしといて。アリーの家が、召喚魔法には厳しいらしいから」
「ええ、それも聞いたわ。大丈夫!!ベイとアリーちゃんのため、外に漏らすことは無いわ。約束する」
「ありがとう」
「アリーちゃんも、もう私達の娘ですもの。どうってことないわ」
そう言うと、カエラは席を立ち、洗い物に戻って行った。俺も、お茶を飲み終えて自室に戻る。召喚魔法かぁ……。召喚魔法を始めたせいもあって、創世級と戦うという話になってしまったが、結果的には、多くの大切な仲間を得られた。今なら言える、召喚魔法をやっていてよかったと。だからこそ、何としても創世級に勝って皆と平和に暮らす。そんな未来を勝ち取らなければならない。明日からも、訓練を頑張らなければ。そう思いながら部屋に帰ると俺は、シゼルの魔石を強化し、お休みのキスをしにきたアリーを出迎えて眠りについた。
(よし!!ご主人様が寝ましたね。作戦開始です!!)
(あまり音は立てるなよ。殿が起きたら、大変だ)
(ふふふ、フィー姉さんのお陰で、殆ど音は出ませんよ。出ても、ご主人様の耳に入ることはありません!!えっと、ではでは、ぱぱっと作っちゃいますかね)
(がんばって、ミルク!!)
(頑張ります、フィー姉さん!!あ、アリーさんのも一応作っておきますかね)
(うん、いいと思う)
(ではでは、スラスラっと……)
俺が寝ている間、わずか30分で、その作業は終了した。勿論俺は、気づくこと無く朝を迎えることになる。
「う、うん?」
朝、目が覚めると、目の前にはフィーがいた。
「おはようございます、マスター。チュッ❤」
もう慣れたもので、朝のキスをフィーがしてくれる。でも、まだ多少恥ずかしいのか、若干顔が赤いフィー。とても可愛いと思います。
「おはよう、フィー。今日は、早いね」
じっと、俺はフィーを見た。フィーは、いつもと衣装が違っていた。身体のラインを出すようにデザインされているその衣装。まさに水着だった。フィーは、水着を着ている。フリルが付いた、可愛らしい白色の水着だ。麦わら帽子でもかぶせたら、かなり似合いそうなほどフィーにマッチしている。可愛いけど、なんで今水着になってるんだ? 水浴びでもしたいのかな?
「おはようございます、主」
その声で、俺はレムを見た。レムは、黒いビキニを着ている。レムの白い肌と黒髪、それに見事なまでに水着がマッチしていた。顔を赤らめていながらも、必死にその姿を俺にレムは見せようとしている。可愛すぎて、どうにかなりそうだ。そのまま、レムが近づいてきて、朝のキスをしてくれる。ああ~、こんなに幸せで良いのだろうか。良いんだろうなぁ……。
「おっと、ご主人様!!私もいますよ!!」
俺の股下から、ミルクが這い出てくる。ミルクも、勿論水着だった。ビキニの、ホルスタイン模様の水着だ。……なんというか、本当にけしからん胸だな。朝から、ゆっさゆっさと俺を挑発している。ミルクのロリ体型と水着、そして爆乳が加わることで、とてもエロい仕上がりになっていた。これは、かなり俺のデリケートな部分に訴えかけてくるビジュアルだ。
「ふふっ、ご主人様ぁ~。チュッ❤チュッ❤」
その上、さらにその胸を押し付けられながらの朝のキス。実際、どうにかなりそうだった。朝から、今日の俺の理性は吹っ飛ぶ寸前だった!! だが、これだけで今朝の俺の理性への攻撃はおわってくれない!!
「殿。どうですか?」
ミズキが、顔を赤らめながら聞いてくる。普段、顔を布で隠しているミズキだが、今日は全く隠していなかった。それどころか、来ている服は水着だ。惜しげも無く、ミズキの隠れ巨乳がさらされている。でかい!!!! それが、青と黒色を使った水着に包まれて、とてもおいしそう。……いやいや、すごいインパクトを生み出している。
「……最高に似合ってるよ、ミズキ」
「なら良かったです。なにか、恥ずかしいものですね。で、では、朝のキスを……。チュッ」
数回の触れ合うキスを、ミズキとする。密着しているからか、ミズキのおっぱいが俺の胸に当たる。……今日は、とても贅沢な気分だ。人生最良の日ではないだろうか。
「主様!!最後はあたしね!!」
カヤが俺の背中に抱きつき、一旦、俺の前に回る。カヤもいつもとは違った感じのデザインの水着を着ていた。引き締まったカヤの身体にいい感じに水着が食い込んで、そのエロさと、健康的さを強調している。そのまま、カヤは俺の正面から抱きつくと、胸を押し付けてゆっくりと唇を合わせてきた。チュッと、軽く唇が触れ合う。そう言えば、カヤと口同士でのキスをするのは、これが初めてだったか。カヤは、味わうように俺の唇と自分の唇を何度も押し付け合った。そのまま舌どうしでも触れ合い、ゆっくりと唇を離す。
「……キスってすごいね。主様」
口を離したカヤの顔は、真っ赤で目を潤ませていた。そのままゆっくりとまた顔を近づかせると、軽くキスをする。止まらくなったのか、そのままカヤにベッドに押し倒されて数回深いキスをされた。ゆっくり、名残惜しそうにカヤは唇を離す。すると、俺に抱きついたまま頬ずりをし、可愛く微笑んだ。
「今日は良い日だな……。そうに違いない」
俺は、カヤの頭を撫でながら、そうつぶやく。これ夢ですよ、と言われたらそのまま信じそうなくらい、今の俺は幸せの絶頂にいた。だが、逆に言えば欲望のメーターも半端ないことになっている。でも、今の可愛く頬ずりをするカヤを見ていると、とても心が安らぐな。これなら、欲望に振り回されずに済みそうだ。
「ふふふ、どうですご主人様。皆の水着姿、最高でしょう?」
「ああ、皆、とっても可愛い……」
「でしょうとも、でしょうとも!!で、ですね。せっかくですし、これから皆で、ご主人様といちゃつこうと思いまして……」
「……は?」
その言葉で、ミルクだけではない。レムも、ミズキも、フィーさえも、俺ににじり寄ってくる。あ、これやばいな、と俺が思っていたその時。……トントンと、家の窓がノックされた。
「おはよう、ベイ!!さぁ、キスしましょう!!」
正妻が遅れて、我が家にやってきた。