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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
EX 終末世界の軍団達
622/632

宇宙からの帰還

ここからEXストーリーです。

「よし。最後の魔力域監視装置設置完了!!」

「ということは……」

「この宇宙は、アルフェルト家の完全なる監視下に置かれたってことね」

「……アリー」

「何かしら、ベイ?」

「これ、人間が成し得ていいことなんでしょうか?」

「いいでしょ?今や私達は、召喚王とその妻達だし、これぐらい出来て当然よ。まぁ、だいぶ時間はかかったけど」

「当然なんでしょうか」

「当然よ」


 惑星ベイアリーを飛び出して早2200年。俺達は、この宇宙を完全なる監視下に置いた。そんなん出来るんかいなと思ったのだが、宇宙にも果があった。果というよりは、ある一定の距離に行くと宇宙が裏返って宙域の反対側に出るようになっている。なんて言ったらいいかな。アリーが言うには、この宇宙は球体状で外に行こうとすると対応する別座標に行き先が繋がっていてそちらから出てくると言っていた。う~~ん、よく分からん。簡単に言うと宇宙の全域を監視対象にすることは可能だったってことかな。


「さて、やっと家に帰れるわね。長い旅だったわ」

「うん、正常に稼働してるね。問題ないよ、アリーちゃん」

「周囲の魔力領域の安定化も確認できました。これなら魔物が勝手に発生することもありません」

「うん、ヒイラもニーナもご苦労さま。じゃあベイ、家に帰りましょうか」

「あ、ああ」


 俺の嫁達は凄すぎると今ほど思ったことはない。全員美人だし、2200年航行可能な宇宙船を作成したという実績がある。ちなみにだけど2200年ってベイアリーでの時間換算だ。この宇宙船、アリーの考えた魔法技術マシマシなので驚くほど性能がいい。乗っている俺達が強化されて地球時間のまま動けるほどだ。いや、正直かなりぶっ飛んでて俺には今も理解が追いついてないけどそんな感じらしい。


「よし。ベイアリーに向けて高速転移魔法ジャンプ」

「了解です。艦内重力制御よし。機体安定。転移魔法陣展開。正常稼働確認。目標地点とのズレ無し。行けます」

「アルテリオン、発進!!」

「アルテリオン、転移魔法陣に向けて前進。接触問題なし。転移開始します」


 最近のうちの日常こんな感じなんですけどやばくないですか。ほぼSFですよ。おかしいな。俺には、ベイアリーで過ごしていたことがまるで昨日のようにすら感じられる。やっぱり宇宙船ぐらしは、いつまで経っても慣れそうにない。早く故郷の惑星の大地を踏みたいものだ。とか言ってたら転移が終わって目の前にベイアリーが見えた。魔法って凄いよね。今のでどれくらいの距離を飛んだんだろうか。歩いてたら俺の一生も終わってるかもしれない。宇宙空間は歩けないけど。


「さて、アルフェルト商会は、まだ生きてるかしらね」

「生きてますってアリーさん。うちの商会なんですから」

「ロデが考えるほど時って優しくない気がするわ。ま、降りてからのお楽しみね」


 その後アルテリオンは、ゆっくりと時間を懸けてベイアリーに着陸した。やれやれやっと旅が終わったと宇宙船を降りようとしたその時、アルテリオンの周囲に何かが集まってくる。


「戦闘機か?」

「敵かしらね?」

「いえ、おかえりなさいと通信が入っています。どうやら帰還の歓迎のようですね」


 周辺を飛び回っている戦闘機達が、色のついた煙を出して周囲を飛び交い始めた。大げさな出迎えだなと思いながら俺は、アルテリオンの外に出た。


「ハッハッ、お、お帰りなさいませ~~!!!!」


 外に出て周囲を見ると、何人かの人物が全力でこちらに走ってきているのが見えた。わざわざここまでして出迎えてくれるのか。ありがたい。


「初めまして。それと、わざわざの出迎え有難うございます」


 俺は、そう言って走ってきた人達を出迎えた。


「い、いえ、そう言っていただけて恐縮です!!改めてお帰りなさいませ。ベイ・アルフェルト様!!」


 どうやらベイアリーの住民達は、俺達を忘れていなかったらしい。人情溢れるいい人たちだな。2200年も経ってるのに。


「あの、うちの土地の所有権ってまだ俺達にありますよね?」

「はい。勿論です。どうぞ、今まで通りお使い下さい」

「助かります」


 よかった。所有権残ってた。2200年放置してたけど良かった。取り敢えず、空気をいっぱい吸い込もう。そうしよう。俺は、胸いっぱいにベイアリーの空気を吸い込んだ。うん、新鮮。


「さて、荷物を我が家に運び込みたいのですが、道を開けていただいてよろしいでしょうか?」

「は、はい!!これは気がききませんで。皆、移動するぞ。あ、撮影させていただいてもよろしいですか?」


 そう言って俺と話していた人は、遠くのカメラを指差す。


「あ~~、ちょっと遠慮していただいていいですか。ここまでの撮影分は、お使い頂いて構いませんので」

「なるほど、分かりました。すぐに止めさせます」


 そう言って責任者っぽい人が腕を上げて大きくバツを作るとカメラを向けていた人がカメラを下げた。


「ありがとうございます。では、俺達は家に帰りますね」

「はい。ゆっくり休まれて下さい」


 集まってくれた人々が、俺達に遠慮して離れていく。それを見届けると俺達は、家族全員で荷物を実家に移した。結論から言うと、全部入り切らなかった。なので、ミズキがその場で家を拡張して改築する。また広くなったな、我が家。それでも、アルテリオンのほうがでかいんだけどな。


「う~~ん、久しぶりの惑星重力ね」

「そうですねアリーさん。あまり艦内重力との違いは分かりませんけど」

「サラサも時期に分かるわよ。あ~~、体幹制御されてない面倒くさい重力~~」


 そう言ってアリーは、ベッドに寝転んだ。このベッドも久しぶりだな。シーツと布団は、持っていってたから使ってたけど。ベッドそのものは、こっちに置いてたんだよな。うん、今見ると何故か狭く感じる。何故だろう。


「さてと、当面はゆっくりするかな」

「そうね、ベイ」


 そう言ってアリーさんがベッドで手招きして居られる。ドキッ。今でもアリーは、可愛すぎると思うことがある。そんな俺が、アリーに手招きされて止まれるだろうか。いや、止まれない。


「ベイ」

「アリー」


 ベッドで手を繋いで横になる。あ~~、やっぱりアリーは最高なんだよな。


「大好き」

「俺も大好き」


 こうして惑星ベイアリーへの帰還一日目は、穏やかに過ぎていった。と、したかったのだが。


「大変ですアリーさん!!魔力域監視装置が異常な魔力の高まりを検知しました!!この反応は、創世級です!!」

「……」


 穏やかに過ごしたい。そう思っていたのに、現実はまだ俺達に厳しいらしい。




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