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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
最終章・最終部 召喚魔法で異世界踏破
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全種族代表

 なんとか皆さんに頭を上げていただくことに成功する。そして一時間後、皆さんに丁寧に案内されて俺は、試合の控室に運ばれた。まるで迷子の子でも案内するかのように超過保護な警備をされながら運ばれた。あと、全員に握手を求められた。まるでタレント気分だ。そして、皆さんと別れて俺は、一人控室で待つことにする。まぁ、正直今回のタイムトラベルに合わせて全員連れてきたから正確に言うと一人ではないけどな。


「久しぶりにいい運動になりますかね?」

「どうだろうな」


 ミルクが勝手に出てくる。そして、部屋の中にあるものを見て回っていた。お、もしかしてあれって。


「なぁ、ミルク」

「はい」

「そのリモコン、取ってくれないか。その黒い長細い板みたいなやつ」

「これですか」

「そう、それ」


 俺は、ミルクからそのリモコンらしきものを受取る。そして、そのリモコンがあった付近の丸い玉めがけてリモコンのスイッチを入れた。すると、玉の上空に映像が映し出される。うん、テレビだな、これ。


「おお。まるでご主人様の言っていたテレビみたいなやつですね」

「いや、多分そのまんまだよ。これは」


 俺は、一通りチャンネルを変えてみる。う~~む、どこも同じ感じの特別番組をやってるのか。オリンピックより凄いな、このチャンネル占有率。でも、一局だけアニメやってるな。すげぇ。アニメあるんだ。


「おお、アニメですよ!!これ、アニメですよね!!」

「ああ、アニメだ!!」

「見せて!!見せて下さい!!特撮はないんですか!!!!」


 カザネと、ナギが出てきた。チャンネル表を見るが、特撮はなさそうだ。俺が首を振ると、残念そうな表情をカザネ達はする。しかし、その後は黙ってアニメを見始めた。これは、何かのマスコットキャラ達が人間と触れ合ってコメディーをする系のアニメだな。向こうにもよくあったやつだ。


「あ、もうエンディングじゃん。見るタイミングが悪かったな」

「むぅ」

「次もアニメか?」

「えっと、いや、同じ特別番組みたいだ。すごいな。結局、全局でやるのか」

「ちぇっ」


 いや、それなのに直前までアニメやってたこの局がすごいんじゃないだろうか。まぁ、そんな局がある方が面白いよな。しかし、なんの特番なんだろうかって、俺が呼ばれた理由其の物しかなさそうだが。


「やっぱりそうだよな」

「ガチの戦闘試合を、テレビ全局で配信するって教育上どうなんでしょうかね?苦情とか来ないんですしょうか?」

「俺達の子供たちらしいからな」

「そこらへん寛容なんですかね」

「有り得る」


 それ以前に、無秩序な暴力は駄目って教育がはっきりしてれば、教育上はなんにも問題ないと思うんだけどな。そこらへん、この世界ははっきりとされているのかもしれない。


「おっ、始まる感じでしょうかね」


 テレビの映像が切り替わる。そこには、会場を埋め尽くす多くの観客、そして真っ白な何もない空間が映し出されていた。


「ご覧ください!!今、全種族の頂点の力を競い合う試合が始まろうとしています!!!!この試合に勝利した種族には、世界法令の決定投票券が新たに1つ与えられます!!世界全てにおいて注目の一戦が、今、始まろうとしています!!!!」

「おお、花火とか出しまくって演出が豪華ですね」

「そうだな」


 そう言っていると、部屋の扉が叩かれた。その音を合図に、ミルク達が召喚解除して戻る。その後、会場スタッフの人が部屋に入ってきた。


「ご案内致します。選手入場口へ行きましょう」

「はい」


 俺は、スタッフのあとに続いて選手入場口へ行くことにした。


「今、私のもとに試合参加者の名前とプロフィールが届けられました。直前まで伏せられていたこの試合の参加者たち。果たしてどのような猛者たちが集っているのか、必見です。では、早速選手入場と参りましょう!!!!」


 その言葉を合図に、選手入場口が光る。その光と共に、一人の選手が会場入りした。


「まずはエレメンタルの代表、妖精種、ウインディア・アルフェルト!!!!その力、世界中の魔力を手玉に取ると言われているほどの大妖精です!!世界中のエレメンタルヒューマンの力を集めて使えるというその実力。果たして、本物なのか!?」


 え、凄くない? 世界中の種族の力使えるんでしょ。強くない、普通に。


「続いてはダークの代表、鎧王種、ナハト・アルフェルト!!!!その剣技は、星をも容易に切り裂く!!果たして、今夜その凄さを見ることは出来るのか!!!!」


 う~~ん、凄い強そうな鎧の人来たぞ。男性か、女性かすら分からない。ただ、動きにブレがない。多分、凄い強い。


「お次は、アースの代表!!天牛種、クリーム・アルフェルト!!!!その力、破壊を通り越して無敵!!!!圧倒的な腕力を持つ種族、その頂点!!その力、どこまで世界の強豪たちを圧倒できるのか、注目です!!!!」


 え、マジで無敵持ってるの? それだとまずいんじゃない。本当に無敵だとまずいよ。まじで?


「続きまして謎に包まれた神秘の種族アクア代表、フブキ・アルフェルト!!!!謎!!全てが謎です!!しかし、確実に強い!!これだけは確かでしょう!!注目の選手です!!」


  全身をローブで包んでて顔すら分からないけど一つ言えることがある。明らかにニンジャだ。


「その次は、烈火の種族、ファイアより代表の選手、ローザ・アルフェルト!!!!青と赤の2つの炎を持つ最強のファイア代表!!!!2つの炎の力でどこまで世界の頂きを踏破するのか?楽しみです!!」


 えっ。両方持ってるの? まじで? 両方?


「続いては、降臨!!セイント代表、マスウェル・アルフェルト!!!!全ての天使種を束ねる族長自らこの場に降り立ちました!!!!お茶の間でその顔を見ることはありますが、その力は、果たして世界レベルなのか?注目です!!!!」


 あ、代表自らってパターンもあるのね。


「雷撃をほとばしらせての入場!!!!ボルト代表の、ノーリアス・アルフェルト!!幻覚を見せることも可能なその稲妻。果たして、この世界の舞台で何を私達に見せてくれるのか!!!!」


 電気だけなら対策はできるんだよなぁ。電気だけなら。


「次に、ウインド代表、マックス・アルフェルト!!!!彼より速い人は居ない!!!!以前、某テレビ番組でも検証されていましたが、その速さに対応できる種族は存在するのでしょうか?これは見逃せない!!!!」


 あ~~、風属性が一番厄介って感じだよね。実際。


「そしそして、最後の選手入場です!!!!最後の最後までその名前が出てこなかったノーマル代表の選手!!しかして、その名前は!!!!」


 俺は、その声に合わせて歩き出す。そして、会場へと入っていった。


「え、嘘でしょ?本当?冗談じゃなくて?」


 なんだか実況の人が素に戻っている。大丈夫だろうか?


「えっと、冗談ではないようです。それでは、最後の選手の名前を発表させていただこうと思います。ノーマル代表。いや全種族の代表と言っても過言では有りません。これは、夢か幻か。到底信じられないことです。ですが今、彼は、いや、ご先祖様は、目の前にいらっしゃいます!!!!その名は、ベイ。ベイ・アルフェルト!!!!全ての種族にこの星を救った救世主として知れ渡っている召喚王!!!!それがこの方です!!!!果たして嘘か!!それとも現実か!!この奇跡、永久保存するべきだと私は思います!!!!」


 会場を埋め尽くしていた歓声がやんで、その中を俺は進んでいく。無音だ。その中に、俺の足音だけが響いている。そんな中で俺は、静かに指示された位置に到着して足を止めた。


「嘘だろ」


 誰かがそう言った。その言葉が、周りに広がっていく。しかし、会場に居たアクアと呼ばれた種族の人々だけは、俺に向かって静かに頭を下げていた。そして、泣いていた。


「本物なのか」

「召喚王」

「召喚王!!!!」


 歓声が、徐々に大きくなっていく。そんな中で俺は、アルティの柄をそっと握りしめた。



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