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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
最終章・最終部 召喚魔法で異世界踏破
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育まれる力

 食事も終えて、子供たちは昼の鍛錬に向かった。それぞれの長所を活かした修行を皆が受けている。うちの子供たちの強者としての未来は明るい。しかも、全員そこまで運動嫌いじゃないというのが良いね。俺は実はそこまで運動が好きじゃないんだけど、なんというか最近は体を動かしてないと落ち着かないんだよなぁ~。世界を救った弊害かもしれない。


「で、万全な防犯対策を考えたわけ」

「というと?」


 俺はと言うと、アリーと一緒に研究室とかした家の一部屋に居た。そこでは、ニーナやヒイラが何かを一つ一つ混ぜて反応を見ている。お手伝いのレノンとサラが防護服的な服装なのがかなり気になるが、安全な実験なんだろうか? 違うんだろうなぁ。


「未来をいじれればいいのよ」

「?」

「ベリアも言ってたでしょう。外の人たちをやっつければいいって。それって、うちの子が暴力的な発想を持っちゃったってことでしょう?ちょっと心配なのよ。うちの子たちって倫理観は学習させてるけど、たぶん他のどんな人達よりも強くなっちゃうだろうし。力を振るいすぎて周囲に恐れられたり、ひどいことをうっかりしちゃわないか心配。あと、居ないだろうけどこの家の結界を破壊できる魔法使いとかいたら干渉される前に反撃できる防犯魔法を用意しときたいし、その際には証拠なく消せる確実な、ま、それは良いか。と言うわけで、未来を知ることが出来るようにしようと思います。簡単に言うと、未来にいけるようにする」

「時間を、飛び越えようっていうのか?」

「そう。面白いでしょ?」

「いや、面白いと言うか」

「でも、出来るんでしょ。ベイ達が一体化した直感から言うには」

「……ああ、出来る。魔法を正しく使えれば出来るはずだ。未来に行くことも」

「そ。ならあとは、私が作るだけね」

「……出来るんだろうなぁ。アリーになら」

「当然。だって私って」

「神才どころか、俺の最高に可愛いお嫁さんだ。出来ないはずがないよな」

「そういうこと」


 軽く言っているが、アリーだからな。やってのけるんだよなぁ。問題は、それが何年後かってところか。流石に、何ヶ月ってことはないと思うんだが。どうだろうな。この家の結界も一週間そこらで作ったからなぁ。あり得てもおかしくはないと思うけど。まぁ、俺は見守っていればいいか。


「理論は思いついたから、あとは形にするだけね」

「……」


 意外とその時は早いかもしれない。


「そういえば、うちの子たちって今はどれくらい強いのかしら?ベイ、知ってる?」

「う~ん、子供たちの修行風景は見てないからなぁ。でも、皆普通の子供たちよりは強そうだよ。腕力で普通に俺を登っていくからね。身体能力は皆高いみたいだ」

「シルド達が相手してあげてるんでしょ。ちょっと見てきてくれない。ベイが外に出しても良さそうだと判断したら、外に社会科見学も兼ねてお散歩させるから」

「えっ、分かった」


 俺が判断するのか。責任重大だな。でも、誰か保護者が付けば今でも完璧な気がするんだけど、子供たちだけでってことなんだろうか? それぐらいの基準で判断すれば良いのかな。ちょっと厳しめになるな。でも我が子達のためだ。そのぐらいで行こう。そう考えながら、俺は中庭へと降りていった。


「組手、始め!!」

「「「「はい!!」」」」


 空は綺麗に澄んでいて青空がよく見えた。結界の中とは思えないな。その下で、我が子達が訓練をしている。その様子を、母親達が見守っていた。


「惜しい!!受け流すには、あと半歩踏み込んで!!」

「そこ!!手を抜いて振っただろ!!それじゃあ、相手に斬れと言ってるようなもんだぞ!!」


 レラやサラサは子供の剣術指導に余念がない。最近までは、アルフェルト商会の社員達を鍛えていたようだが、研修が終わって今は子供たちにつきっきりだ。子供のうちからあの2人に剣を教わる子はどれぐらい強くなるんだろうな。楽しみだ。


「でやっ!!」

「……」


 ベリアが木剣を振って攻撃しているが、その攻撃のどれもがネイに当たらない。そればかりか、ネイの動きが早すぎて残像が見える。子供たちの中でも実力の大きさには違いがあるようだ。やはり、フィー達との間の子供は、生まれてから明らかに人間の子供の実力の発達とは成長具合が異なる。最初から教えていないのにもかかわらず魔法が自由自在に使える。ただし、全属性の魔法を使えるようだが、それぞれに得意な属性魔法があるようだ。ミルクの子なら土。カザネの子なら、風魔法といった感じだな。それ以外は、使えるけど苦手なようだ。最初から扱える魔法も、得意属性だけだな。ただ、一人だけ例外が居て、その子はフィーとの間の子のイフであった。


「それ、教えて」

「良いよ」


 イフは、最初から使える魔法が無かった。ただし、他の子が使っているのを見て覚えて使った。見るだけで覚えたのだ。威力は劣化していたが、その魔法センスは凄まじい。今では、他人に感覚の口頭での指導を受けるだけですぐに魔法を覚えて扱ってしまう。かなりの天才児だ。ただ、保有魔力がまだ少ないので大きな魔法は使えない。ここは日頃の努力で成長させていくしか無いな。


「魔力切れた」

「ネイがバテた」


 そういえば、俺の魔力吸収は子供たちに受け継がれなかったようだ。成長すれば使える子も出てくるのかもしれないけど、現時点ではイフでも使えないことが分かっている。なんでだろう。これさえ皆にも出来れば魔力切れとかで腹が痛い思いをさせなくて済んだのに。


「いや、駄目でしょ」


 その考えを言ったら、ミルクに真顔で否定されたのを思い出した。駄目かぁ。そうか。今思うと、皆がそう思ってるから遺伝しなかったのかもしれない。確かに無限の魔力補給はやばいよな。そうかも。


「フルパワーモード」


 あと、全員が鎧を出せるわけじゃないみたいだ。レムとの子供の、レイは鎧が出せる。ネイも出せる。だけど、ミルクの子のルイや、シデンの子のベインは鎧が出せない。将来的には出せるのかもしれないが、今は無理なようだ。なんでだろう。それぞれのガントレットや、鎖は出せるみたいだし、タイミング的に人化した時に覚えてたからかな? 真相はよくわからないが、今はそうとしか思えない。


「う~む」


 戦える時間にそれなりの制限はあるものの、うちの子達強いよな。これ、お外に散歩ぐらいだしても良くない? 良い気がする。アリーにそう伝えるか。俺は、そう考えて研究室に戻ろうとした。


「お腹が痛いからパパの肩で休む」

「ずるいぞ!!」

「僕も登る!!」

「はいはい。皆は我慢ね」

「「「「え~~~!!!!」」」」


 ネイが肩に腹を抑えた状態で飛び乗ってきた。お腹痛いのに風魔法使ったのかよ。しかも、そのせいで更に痛くなったのか俺の頭に寄りかかって辛そうにしている。普通に寝ていればいいのに、甘えんぼだな。俺は、ネイを片腕で支えながら移動することにした。







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