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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
最終章・一部 真の救世主
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降臨・召喚王

 フィー達それぞれを中心に、具現化した魔力が宙を舞う。周囲の光さえ打ち消して、色とりどりの魔力が辺りを照らした。


「綺麗……」


 実を言うと、これはただの演出だ。一応意味もあるにはあるのだが、魔力を凄い持ってるぞっていうアピールでしか無い。それなら、後で持っている魔力を肉体から溢れさせるだけで先程のレーチェみたいに凄みが出せる。そう考えると、ここまで演出をする必要はない。でも、見た目って大事だからというアリーの声でこうなった。


「……」


 魔力の光の中で、全員が自身の武器を出現させる。そして、武器を振り回すと武器自身を打ち合わせる、または地面に叩きつけるなどして音を出してから再び構え直した。


「魔王降臨!!」

「天龍一体!!」

「幻音神鳥!!」

「全妖神狐!!」

「「「「光鎧神天!!」」」」

「炎羅神猿!!」

「暴流神忍!!」

「無敵神牛~~!!!!」

「召王神鎧!!」

「総魔神人!!」


 それぞれが、それぞれの鎧を象徴する言葉を言って鎧を展開させる。その言葉通り、属性特化一体化をした鎧を、全員がその身に纏い、その場に着地した。そう、進化したのだ。全員が、神魔級に。


「な、何だこれは……」

「化物か」


 俺を中心に、神魔級に進化した皆の鎧が立ち並ぶ。一番うしろには、ミエル達がいるのだが、やはり光鎧神天はでかすぎる。天井を開けてなかったら、天井を破壊していただろう。開けといてよかった。


「あれが、ミエル様達」

「ミエル様、お強くなられて……」

「感動」

「ロロ、強くなったな」

「置いていかれちまったな。ずいぶんと」

「全くだ」


 天使たちが、ミエルやロロを見てそう言っている。成長が見せれてよかったな。ミエル、ロロ。


「ちょっと待て、数が多いぞ!!」

「ええ。一対一で戦う以外にも、私達には仲間が居ます」

「魔王降臨とは、そのまんまじゃねぇか」

「なに?」

「気にするな。雰囲気で言っているだけだ」


 ライオルさんの言葉に、ローリィがそういう。まぁ、そのまんまだけどな。ローリィの鎧は、レムとは違う黒い鎧だ。どことなく昔の姿に近い気がしないでもないが、砲撃をするための筒が2つ背中についていたり、両肩・両腕に銃がついていたりとだいぶ砲撃仕様になっている。結構かっこいい。


「ジャルク、かなり安定しているぞ」

「良いね。前に比べると、段違いの安定性だ」


 ロロとジャルクは、そのまま二人が合体した鎧になった。だが、若干見た目がパワーアップしている。装飾が少し豪華になったように見えるのだが、実際には、前と性能が段違いに高い。見た目からだと分かりづらいんだが、そういうものらしい。


「ここには、今言った以外の仲間が居ます。ローリィ、ロロ&ジャルク、ミルク、フィー。彼女たちには、皆さんと同じ戦場で戦ってもらう他、ベイのサポートをしていただきます」

「同じ戦場だと?」

「私達と、共に戦う?」

「ええ。皆さんをお招きした理由は、そこにあります。皆さんには、創世級迷宮の外で、創世級の攻撃によって周囲に発生した魔力溜まりから出来た魔物を掃討してもらいます!!これは、周囲の国に被害を出さないための措置です。勿論、協力していただけると信じています!!」

「魔力溜まりだと!!」

「魔物が湧き出る!!」

「世界の終わりって感じがしてきましたね」


 神妙な顔で、シア達はアリーの言葉を飲み込んでいる。だが、それを待たずにアリーは、言葉を続けた。


「さて、お見せしましたが、これではまだ分からないですよね。私達の夫の実力が」

「はっ、そうだな。彼女たちが凄そうなのは分かった。だが、肝心のベイ・アルフェルトは、直立しているだけだぞ!!」

「ええ、お見せしましょう。私達の切り札をね。ベイ!!」


 アリーの言葉に、俺は息を吐く。そして、皆を見回した。


「マスター」

「行きましょう、主」

「ご主人様」

「殿」

「主様」

「「「「ベイさん」」」」

「ご主人様」

「主人」

「「私達の夫」」

「さあ、ベイ・アルフェルト。今こそ、知らしめる時だ!!!!」

『さぁ、参りましょう、マイ・マスター』


 皆の声が、俺に届く。そして俺は、目を閉じた。


「アルティ」

「はい、マイマスター!!」


 俺の手に、アルティが握られる。その形状は、剣。俺が今の今まで、長く使ってきた武器の形状だ。アルティを握り、そして、俺はアルティを構えた。アルティを持って空気を撫でるだけで、周囲の空気が変わるような気がする。俺に向けられたこれ以上驚くことなど無いというような思いすらアルティを構えるだけで切り裂いて、俺はその言葉を口にした。


「一体化」


 その瞬間、世界が割れた。


「……やはり、最高じゃな」

「これ程なのね、ベイ」


 2人しか、言葉を紡げなかった。そこには、黒い鎧が立っている。全てを集合し、全ての力を合わせた俺達の最強の鎧がそこには立っていた。


「今、世界が」

「錯覚か?」

「あれが、錯覚なものか」


 錯覚ではない。俺達が一体化した瞬間、世界は砕けた。正確には、そう感じるほどの魔力の融合が起きたと言ったほうが正しいが。それを、皆が事象として認識した結果、そう感じるのだ。つまり、特に周囲に気を配らなければ、俺達は今、一体化しただけでこの星の全てを粉微塵に砕くことが出来る。今は、勿論配慮した。あふれる魔力を、俺達自ら制御して壊れる世界を直した。それでも、その結果が周りには見える。すでに直っているのだが、壊れたと皆は認識しているのだ。その威力だけを、見てしまうがゆえに。


「説明が必要かしら、この強さに」

「……」


 俺達は、何気なく後ろを振り向いた。この鎧は、以前の全属性特化一体化をした時から進化している。俺の魔力で、魔力のオーバーフローを起こしているためだ。急激に魔力を注ぎ込まれている鎧自体が変化して、今の鎧になっている。つまり、その実力は、全属性特化一体化を易易と超えていると言える。その鎧を纏っている俺達は、あることに気がついた。


「やっと、俺達を見つけたか」

「もう、遅い気もしますけどね」


 創世級迷宮から殺気を感じる。そう、認識されたのだ。俺達は、創世級に敵として。


「待ってろよ。もうすぐ、殺しに行くからな」


 アルティを、創世級迷宮の方向に向けて、俺はそう呟いた。




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