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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第ニ章・一部 仲間を探して
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ミズキとカヤ

 学校での見学もおわり、俺達は近くの街で一泊することにした。アリーが家具屋に行ってオーダーメイドでベッドを注文した後、時間が出来たので、俺たちは皆で火属性上級迷宮に転移して訓練をすることにした。


「ミズキ、あのさぁ……」

「うん、どうしたカヤ?そんな、難しい顔をして」


 カヤは、ミズキの隣りに座る。今はベイとレム、ミルクとフィーが戦闘訓練をしている。それをアリーが見ながら、休憩しているところだった。二人はベイの作った、土魔法の椅子に座っている。


「これさぁ~、あたしが言うべきか、迷ってたんだけど」

「?」

「あんたさぁ~、そろそろ、し、してもいいんじゃないの?」

「……何をだ?」

「あ、主様とのキス、よ」

「……なるほど」


 その言葉を聞くと、ミズキは腕組みをして空を眺めた。何かを考えているような、遠い目だった。


「なに、まさか嫌ってわけじゃないでしょう?あんたも、主様のこと好きなの、知ってるんだから」

「う~ん、嫌ではもちろん無い。むしろ、私もしたいのだが……。少し、問題があってな」

「問題?そんな可愛い容姿で、主様の言うこともそつなくこなすあんたなら、何も問題ないと思うんだけど?」

「……まぁ、これがな」


 ミズキは、口の前の布を下ろしギザ歯を見せる。ミズキがあーっと言いそうな感じで口を開いて歯を見せると、キラーンと歯が輝いた。


「ああ~、気をつければいいだけでしょ?」

「うーん、言ってしまえばそうなのだが、殿とのキスだからな。万が一にも失敗したくないという私の心が、未だにその挑戦を拒ませているというわけだ」

「でも、その、あんたがしてくれないと。その、あたしがしずらいと言うか……」

「……分かった。私も殿の女として、覚悟を決める時が来たようだ!!殿が休憩に入ったら、言うとしよう」

「が、頑張るのよ!!」

「ああ、ありがとう、カヤ。難しいが、生乳を触って頂く程度までは、頑張ってみようと思う」


 ミズキのその発言に、カヤは顔が赤くなり、胸を押さえた。


「む、無理はせずにね……」

「ああ。その分だと、カヤはまだ揉まれる覚悟ができてないみたいだな。早めにしといたほうがいいぞ。いずれ、聖属性の後輩が出来るだろうからな」

「わ、分かってるわよ……。ミズキが先にしてくれたら、あたしも頑張れると思う」

「ふふ、なら、努力するよ」


 二人は、ベイの訓練がおわるのを黙って眺めていた。結局のところ、ベイは最初から時間ギリギリまで、誰かの相手をして訓練を行っていた。ここ最近は、ベイの力もより強くなっているといえる。強化魔法なしでも、レムの剣を見きれるようになり。フィーの魔法の同時展開にですら、合わせて同じ数の魔法を操り相殺できるほどの魔力コントロールを身につけていた。流石に純粋な力などでは、流石に全然かなわないが。その技術力は、とても高いものだった。


「そろそろ暗くなりそうだし、今日はこのぐらいにしておこうか」

「はい、ベイ!!タオル」

「ありがとう、アリー」

「殿!!」


 俺がミズキを見ると、地面に正座をしていた。……一体なんだろう。そんなにかしこまって。


「ど、どうした、ミズキ?」

「殿、お願いしたいことがございます」

「う、うん」

「私と、キスをして頂きたいのですが、よろしいでしょうか?」

「え、ああ、もちろん!!大歓迎だよ!!」


 俺がそう言うと、ミズキは顔をやや赤く染めて、嬉しそうに微笑んだ。とても可愛い。


「で、では、失礼します……」


 ミズキは、口の前の布をずらすと、顔を近づけてきた。が、途中で固まってしまった。


「……どうした、ミズキ?」

「……やはり、緊張するものですね。いえ、大丈夫です。よろしくお願いします」


 ゆっくりと、俺とミズキの唇が近づき、そのまま軽く重なった。そのまま5秒間、唇を合わせてゆっくりとミズキが唇を動かし始める。ミズキの唇から熱い体温が伝わってきて、とても照れているのがよく分かった。ゆっくりと、お互いを求め合うようにキスを続ける。少しすると、ミズキが落ち着いてきたのか、行為がより深いものになっていった。口を大きめに開けて、むさぼるようにキスをする。そこから、舌を絡め合ってキスを続けた。


「ふぅ、はぁ~、殿」


 ミズキはゆっくりと、唇を一旦離す。その瞳は、熱を帯びて潤んでいた。もう一度ミズキは、顔を近づけてくる。そのまま俺の唇に吸い付いて、ミズキは激しく俺を求めてきた。さらにミズキは、俺の手を取ると、服の隙間から差し入れて自身の胸に俺の手を導く。すると、むにゅっと柔らかい感触がして、ミズキの心臓の音が聞こえた。それにミズキの情熱的なキスが合わさり、俺に対してのミズキの愛情の深さが分かったような気がする。しかもミズキは、俺の動きを読んでいるのか、的確に俺の動きに合わせて行為を続けた。小さく舌を吸ったり、絡めたり。短時間で、どんどん行為そのものが上手くなっている気がする。そのまま、どれだけ時間が経っただろうか……。俺とミズキは、実際の経過時間よりも、より濃厚な時を過ごした。日も沈んでいなかったので、時間はそんなに経っていなかっただろう。だが、俺とミズキには、その時間が何十倍にも長く、濃厚に感じられた。


「うんっ。……ありがとうございました、殿」


 ゆっくりと俺の手を離し、ミズキは身を引く。だがその顔は、まだ続けていたいと言っていた。俺は、そのままミズキを抱きよせて、頭を撫でる。


「ふ、ふぇ!!と、殿!!!!」


 そのまま、俺はゆっくりとミズキを撫で続けた。すると、ミズキは安心したような顔になり、俺に体を預ける。そして、体の力を抜いて目を閉じた。


「う~ん、ベイの抱きしめ撫で。あれ、いいのよねぇ。ほっとするというか」

「フィーも好きです。マスターを、いっぱい感じられるので」

「私は、あまりされたことがありませんね。……もっと、していただきたいです」

「ご主人様は、いつになれば私を、搾乳えらいえらいと褒めてくださるんでしょうか!!待ちきれません!!!!」

「ミズキ、良くやったわ!!つ、次は、あたしの番ね。……うまく出来るかな。あたしも、撫で撫でして欲しい」


 ミズキは、皆が意見を言って、こっちを見ていることに気づくと。ハッ、として俺から離れた。


「え~、こほん。なかなか恥ずかしいものですね。でも、嬉しいです、殿。……その、またお願いしてもよろしいでしょうか?」

「ああ、もちろんだよ」

「はい、よろしくお願いします!!」


 ミズキは、顔を真っ赤にして、ニッコリと微笑んだ。いつもは気を張っているミズキだが、その表情はとても可愛らしいものだった。俺はまた、ミズキに近づき頭を撫でる。そのまま、照れているミズキの顔が可愛くて、しばらくそうしていた。



「だから、言っているでしょう!!腕に、魔力を集中させるんだと!!何度言えば分かるんですか!!」

「ひいいいいいぃぃぃぃぃん、す、すいません!!!!」


 その二人を止めるように、後ろから声が掛かる。


「まぁまぁ、そうきつく言わなくても、いいじゃないっすか。ミエル様が、魔法を使えないのは、いつものことですし」

「そうですよ。あまり目くじらを立てても、解決いたしませんよ。ここは、気長に行きましょう。ね?」

「シャアアアアアアアアアアアラップ!!あなた達が、いつまでも甘やかすから、この子が今の今までこんな感じなのでしょう!!まったく、このままでは、上の者に何を言われるか……」


 その女性は、頭を抱えた。この2人は気長にと言っているが、この社会で、そんなことは言っていられない。使えないものは、容赦なく切り捨てられる。格の高い生まれのミエルだろうと、それは同じだろう。そうならなければいいが。そう思い、彼女は指導を続けるのだった。





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