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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第三章・八部 ???? フィー編
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喋ってるだけなのに、あいつ胸が主張しすぎている

「やっぱ、主様の負担が大きすぎるのがちょっとね。お陰で凄いパワーが出せるんだけど」

「そうだね。そう考えてみると確かに属性特化一体化は、マスターにすごい負担をかけてる。マスターしか出来ないことだから、マスターに任せるってことが自然と当たり前のように感じてたけど。その負荷を誰かが減らせれば、その分かなりマスターの魔力吸収量も上げられるはずだよね。マスターも楽になるし」

「それだよ姉さん!!あたし思うんだ。以下に敵がすごくても、主様の魔力吸収能力までは真似できないんじゃないかなぁって。あれ、主様専用能力的なところがあるからさ。あれを強化出来れば、自ずとあたし達の鎧が強くなって、相手の強化量を上回れるんじゃないかなぁ?」

「なるほど。流石マスターだね。シデンちゃんも言ってたけど、今回の勝利の鍵を握っているのはマスターかもしれない」

「やっぱりさ、全属性の属性特化一体化になるわけじゃん、フィー姉さんの鎧は。つまり、今までの一体化の強化版ってことだよね。それならさ、やっぱあたし達の能力を今までどおり一番活かせる主様が使うのが一番強いんじゃないかなぁ。フィー姉さんの鎧なわけだけど、もしフィー姉さんがそういう能力を得るのなら、そういう戦い方をしたほうがいいと思うな。姉さんの鎧だけど」

「なるほど。レムと同じってことだね」

「そうそう。姉さんが、別の専用の力を持つっていうのなら話は別だけどね」

「……どうだろう。私はなんとなくだけど、マスターの能力を活かす方向の能力になると思う。だって私、マスターとずっと一緒にいたいから」

「……あたしもなっておけばよかったなぁ。一体化の理想像が、自分優先過ぎたかも。やっぱ、ミルクの言う通り愛を意識するべきだったかなぁ」

「愛……」


 フィーは、そう言いながら目をつむって自身の胸の上に手を当てる。


「無敵神牛だもんね。愛って偉大だよ」

「うん」


 今まで出会った敵の中で最強であり、最難関の相手を手加減されていたとはいえ、ぶっ飛ばした無敵神牛。その力を、認めていない者など誰もいない。フィーもカヤも、愛って凄いなぁと、心の中で呟いた。


「ありがとう、参考になったよ」

「どう致しまして!!で、次はミズキを呼べば良いのかな?」

「うん、お願い」

「はいはい」


 カヤは、庭へと出ていく。すると、既に目の前にミズキが座っていた。


「……私ですよね?」

「うん。流石ミズキだね。いつ来たのか分からなかった」

「ニンジャですので。……して、本日はどのようなお話をするのですか?」


 腕を組み、フィーを見つめてミズキは問う。そのミズキに、フィーは少し考える素振りをすると、話を切り出した。


「ミズキはね、どうやったら勝てると思う?」


 率直に、フィーはミズキに意見を求めた。その後、少しの沈黙をとってミズキは話し始める。


「現実的な話をしましょう」

「うん」

「ここまでの状況を整理しますと、敵は我々と同じ魔法が使える。そして、同じ身体能力を出せる可能性があります」

「うん」

「ですが、例外があります。それは誰かに合わされて作られた特殊なスキル。能力ですね。レムの属性特化一体化能力などです」

「うん」

「ただ、それ以外でも我々は強力な魔法・能力をいくつも持っています。ディレイウインド、魔法操作などがそれですね。それが、今我々が抱えている問題です。ただでさえ強い能力を、敵も使ってくる。これが、私達の頭に敗北を感じさせています。特に、ディレイウインド。我々の最高速度を出せる魔法です。これには、カザネモードのみでしか対処出来ないでしょう。レムモードならあるいは、というところもありますが」

「うん」

「しかし、思うところがあります。果たして、本当に敵は魔法操作を使えるのでしょうか?」

「うん?」

「ミルクの魔法操作。相手の発動した魔法をこちらが制御して使うという魔法なのですが、あれって、殿との連携。殿の能力なくしては使えない魔法ですよね。つまり、殿の専用能力なくしては使えない魔法のはずです」

「うん。でも、それを使えないとは限らないんじゃないかなぁ?」

「そうですね。相手には、似たようなことは出来ると思います。妖精という一種族に対応できる能力を持っているからです。しかし、あれは殿専用の特質。そうそう身体に備えることが出来るものではございません。それこそ、専用の魔法と同じように」

「うん」

「つまり、何が言いたいかと言いますと。相手は我々の魔法発動の形質に合わせて魔法操作は使えると思います。しかし、こちらが魔法発動時にその波長を変え続ける。そうすれば、恐らく相手は対応できません。即ち、魔法操作を封じれると思います」


 そのミズキの言葉を聞くと、フィーは考えるように目を閉じた。


「つまり、マスターの能力で相手が干渉できないように魔法を発動しながら、魔力をこねくり回すってこと?」

「そういうことです。これで、奴の魔法操作を封じることが出来ます。そして、こちらは相手のディレイウインドを魔法操作で封じる。殿とミルクがいるので、これらの行動を同時に行うのは容易でしょう。そこで我々がディレイウインドを使う。これで速やかに勝てると思います」

「なるほど。確かに完璧に近い作戦かもね」

「こちらの強みで相手を折ればいい。それだけですからね。我々に敗北はありません。私は、そう信じています」

「なるほど。マスターと、相手の能力の対応幅の違いを利用するってことかぁ~。とっても良いね。後で、マスターに伝えておくよ」

「お願いします。では、次はミルクを呼びますよ。よろしいですか?」

「うん、お願い」


 フィーがそう言うと、ミズキが音もなく消えた。そして、玄関からミルクが入ってくる。そして、椅子に座った。


「さて、私の番ですね、フィー姉さん。どーんと、なんでも聞いて下さい!!」


 そう言って、ミルクは胸を叩く。すると、その豊満な爆乳が揺れた。


「……やっぱりさ、ミルクに聞くならこれだと思う。私は、マスターを愛してる。それで、この私の愛の力で、私達は勝てるかなぁ?」

「勝てますね。余裕です」


 ミルクは、そう即答した。


「愛とは、思いやりの心です。そして、比喩でもなく私達は、一つになることが出来る。その中で、一番大切な物は何か。思いやりです。相手を尊重し、高みへと押し上げる力です。即ち愛です。フィー姉さんが、ご主人様を大切だと思う限り、その愛はご主人様とフィー姉さんの力を互いに押し上げる。即ち、奇跡のような力を生み出すのです。私のように、ご主人様の力と私の能力を合わせたような魔法の発動を可能とします。そこに何が追いつけるでしょうか?妖精の全ての力を手にして制御できる。本当にそうでしょうか?我々でさえ準備して得た力を、相手が取得時間のズレすら無く寸分の狂いもなく操作してやってのける。果たして、そんな事が可能なのでしょうか?2人の能力を合わせて作った専用魔法がですよ。無理じゃないでしょうか。私は、その場で作った絶大な力に、相手がその場で対応できるとは思いません。ご主人様とフィー姉さんの力ならば、余裕で相手に完全勝利することが出来る。私は、そう思います。何より、我々の愛で得た能力が、負けるはずが無い!!」


 ミルクは、そう言い切ると大きくふーんと鼻息を吐いた。


「そこなんだけど、私とマスターの能力ってどうなると思う?」

「ふーむ、恐らく仮説ですがね……」


 ミルクは、そういうと胸下あたりで腕を組んだ。



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