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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第三章・八部 ???? フィー編
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元〇〇、初めて食事をする

 「……うーん、朝か」


 昨日はぐっすり眠りにつけたな。レムといちゃついた後、1人まだ考え込んで座っていたアリーを抱き上げてベッドに運んでから眠った。やっぱアリーが隣りにいてくれると安眠できるんだよなぁ。嫁達の体温バンザイ。


「うん、フィーはまだ寝てるのか。よしよし」


 俺は、寝ているフィーの頭をなでなでした。あ~、撫でた俺自身が癒される。フィーは最高だな。そう思っていると、ベッドに誰かが座って俺を見ていた。


「おはよう、ベイ」

「アリー、おはよう」


 我が嫁のアリーさんであった。アリーは読んでいた本を閉じると、俺に近づいてきてキスをする。最初は軽いキスだったのだが、そのままベッドに押し倒された。朝から濃厚なキスをアリーと交わす。しばらくして唇を離すと、アリーはこういった。


「準備出来たわよ」

「……何の?」


 まさか、子供を作る準備か? 俺の覚悟は、とうに出来てるぜ!!


「これよ、これ」

「……ローリィ、改造計画」


 アリーは、魔法でメモ書きを空中に作り出した。それを俺は手に取る。そこには、常人に理解できるように取り敢えず概要を端折ってこんな風にするよという計画が書かれていた。


「まず、ビームが出る大砲を付けて」

「ビームが出る大砲」

「次に、乗り込んで戦える浮遊物体を生成できるようにして」

「飛行戦闘機?」

「最後に、胸から構造物質がはみ出ても違和感無いように巨乳にする」

「巨乳化」


 ……俺は、頭を抱えた。マッドサイエンティスト・アリーの爆誕だ。およそ一般の人の成す諸行ではない。流石、神才。神にさえ届く才能。やることが違う。


「というわけでベイ。ローリィを召喚してみてくれる」

「えっ、良いの?」

「うん。まだ戦闘は出来ないけど、日常生活くらいなら大丈夫よ。勿論、改造も」

「そ、そう」


 取り敢えず、召喚してみるか。初めて呼ぶから、少し緊張するなぁ。どんな子だろう。そう思いながら、俺はベッドの上にローリィを召喚することにした。魔力が光を放ち、対象を召喚する。そして、その子がベッドの上に降り立った。


「……やぁ、ベイ・アルフェルト。はじめまして。私がローリィだ。君と共に戦えること、嬉しく思うよ。これからよろしくな」


 そう言って、その子は俺に手を差し出す。


「……ク」

「?」

「クローリ」

「おっと、君と良い、ライオルといい。感が鋭いな。だが、今の私はローリィだ。それ意外他言無用。それで頼むよ。我が救世主殿」


 そう言いながら、クローリ。改め、ローリィは俺の口を手で塞いできた。めっちゃ柔らかい手じゃん!! モッチモチの肌だ。俺は、取り敢えず頷いた。すると、ローリィが手を離す。


「さて、やることをやってしまおう。それじゃあアリーさん、私はどうすれば良いのかな?」

「そうね。そこに座ってくれる」

「了解した」


 そう言って、アリーは俺のあぐらをかいている足の上を指差す。そこに、ちょこんとローリィは座った。何ら抵抗もなく。


「これでいいのかい?」

「ふむ、嫌がる素振りもなしと。良さそうね」

「おや、試されていたか。ま、このくらいなんともないけどね」

「それじゃあ、そこに座って」

「はいはい」


 今度は、何もない所にローリィが座る。その身体を回転させて、アリーは背中を触った。


「で、ベイは私の背中を触る」

「魔力供給ね」

「流石私の夫。その通り」


 ウインクして、アリーは微笑んでくれた。可愛い。


「よし、それじゃあ改造しましょう」

「容姿に不都合がない程度に、していただけると助かる」

「安心しなさい。そこは大丈夫よ」


 こうして、俺達はローリィの改造を進めた。暫くして、フィーが起きる。そんな中でも、俺達は黙々とローリィの改造を進めた。


「アリーちゃん、ベイ君!!ごはーん!!」

「はーい!!」


 ヒイラの声がした。どうやら、朝ごはんが出来たようだ。


「これでよしっと。出来たわね」

「お、なかなかにハイペースじゃないか。どれどれ」


 ローリィが、魔力で何かを構成しようとする。しかし、それは途中で消えた。


「……魔力不足か」

「もうちょっと、身体が馴染むまで待ちなさい。じゃないと、無理よ」

「そうみたいだね。そうするよ」

「あんたも食べていく?うちのごはん、美味しいわよ」


 そのアリーの言葉に、ローリィは驚愕した表情をした。


「なっ!?この体には、まさか消化器官があるのか?」

「そうよ。私が作ったんだもの。当たり前でしょ」

「ということは、私も食事が出来るのか?」

「そういうこと」

「……分かった。挑戦してみるとしよう。いや、同席してもよろしいかな?」

「ああ、大丈夫だ」


 ローリィは、あり得ないほど緊張した顔をしている。まぁ、今までしていなかったことをやるんだもんな。そうもなるか。俺は、フィーとローリィを抱き上げて下に降りることにした。どうやらローリィは、まだ歩くのすら上手く出来ない様子だったので、ついでにフィーも持ち上げて降りることにした。


「すまないな。まだ慣れなくて」

「気にするな。階段で転がられても困る」


 そうこうしているうちに、俺達は皆のいる部屋に辿り着いた。そこには、既に料理が並べられており、レーチェとロロ&ジャルクも座っている。そういえば、昨日はお泊りしたもんな。だからいるのか。でも、どこか疲れている顔を、ロロとジャルクはしている。朝から鍛錬をしたのだろうか?


「……そ、創世級」

「うん?面白いやつがおるではないか。消すか?」

「待って。私の作品なの。不必要になるまでは、消しちゃ駄目」

「そうか。まぁよい。なら座れ。食事をするぞ」

「……」


 俺は、魔法で椅子を出して、ローリィを座らせた。フィーは、俺の膝の上だ。


「揃ったね。それじゃあ、いただきます」

「「「いただきます」」」


 皆が、ヒイラの合図でそういう。そして、ご飯を食べ始めた。


「わ、私は何から食べればいい?どうすればいいんだ?」

「落ち着けクロー、じゃなかった、ローリィ。そうだ、スープからにしよう。ほら、こうやってすくって飲むんだ」

「いいわね。まだ、胃が慣れていないでしょう。消化の良い物のほうが今はいいわね」

「じゃあ、今日はスープだけのほうがいいな」


 そういって、俺は野菜スープをローリィに渡した。ローリィは、スプーンを取ると、ゆっくりとすくってそれを口へと運ぶ。……あっ、もしかしてこれって、レーチェ印の野菜のスープか? まずいな。かなり美味いぞ、これ。最初に食べさせて、良いやつだったかな?


「……う」

「う?」

「うまあああああああああああああああああああいいいいいいい!!!!」


 そう言って、ローリィは立ち上がった。


「当たり前じゃ。わしの育てた野菜じゃぞ」


 それを見て、レーチェは僅かに微笑んだ。








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