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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第三章・七部 ???? レム編
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食事睡眠

「う~ん、このプランで今の体型だと、胸の部分に変な突起が出来ることになるわねぇ~。いっそ、増設しようかしら」

「……」


 俺は、何かヤバイことを言っているアリーの横を通りずぎて、2人をベッドへと運んだ。


「……マスター」

「フィー、どうした。不安そうな顔をして」


 2人を寝かせると、フィーが俺の内から出てきた。それは、不安にもなる。レーチェに、フィーと契約を切れと言われたんだからな。しかも、フィーがいることが、まるで俺の邪魔になるような言い方だった。だが、俺はフィーが不安になる必要はないと思っている。だって、俺にはフィーが必要だから。


「フィー」

「はい」

「ずっと、一緒にいてくれるよな」

「は、はい!!勿論です!!」

「なら決まりだ。不安なんて無い。俺達はまだ、ミルクや、レムと同じように魔力で繋がってないかもしれない。でもな、フィー」

「はい」

「俺達は、もう心で繋がってるだろ」

「は、はい!!」


 俺は、フィーを抱き上げた。そして、強くフィーを抱きしめる。絶対に離さない。そう言うかのように。


「不安なんて無い、だろ」

「はい。絶対に、大丈夫です」

「当然だ。俺とフィーは、最高の相性だからな」


 あの日、フィーと出会ってから駆け抜けてきた日々が、俺とフィーとの絆の深さだ。その絆の前で、何が障害になれるだろう。もしそれが障害だとしても、成長するための壁の一つにしか過ぎない気がする。俺達が、離れ離れになる未来などありえない。そう、俺は思った。


「……フィー」

「はい、マスター」

「……ごめん。めっちゃ腹が減った」


 多分、俺のお腹の音が、フィーにはよく聞こえていると思う。すごい抱きしめてるからな。


「ふふっ、ご飯にしましょうか」

「ああ、そうしよう。この件は、また後日レーチェに聞いて確認するとしよう」

「はい」


 俺達は、そのまま台所へと向かった。


「そう言えば、レムは皆みたいに名乗らなかったですね。思いつかなかったんですか?」

「名乗りかぁ。私の場合、主のための鎧ってだけだからなぁ~」

「でしたら、この世最強の召喚王の鎧ということですね。つまり、召王神鎧・レム・アルフェルト!!」

「なるほど、いい考えだアルティ。それにしよう」


 キッチンでは、ヒイラ達がのんびりと料理していた。それを、レムとミルク、アルティが手伝っている。


「ヒイラ~、腹減った~」

「ん、待ててねベイ君。今盛り付けるから。丁度出来て良かったよ」


 ヒイラが、そう言ってスープをお皿に盛り付ける。良いなぁ~、エプロン姿のヒイラ。お腹も減ってるからか、今のヒイラが母性の塊に見える。こんなお嫁さん最高だろ。そう思いながら、俺はヒイラを見ていた。


「あれ、そう言えば、アリーちゃんは?」

「お、アリー!!ご飯にしよう!!」

「拡張部分は胸だけでいいかしら。しかし、どこまで詰め込むか。いや、それは拡張した魔法回路の大きさによることにして、出来るだけ既存の回路を改変して、圧縮。新しい魔法回路を……。ハッ!!はーい!!」


 アリーからの返事が遅かった気がするが、声は届いたみたいだ。それで良しとしよう。取り敢えず、俺達は晩御飯を食べることにした。


「ふぅ~、ご馳走さまでした」

「いっぱい食べたね、ベイ君」

「ヒイラ達の料理が美味しすぎるからなぁ~。もりもり食べれてしまう。……あれ、さっきまでレーチェいなかった?」

「レーチェさんなら、もう寝るって、すぐに食べてお風呂に行ってたけど」

「まじか。話聞こうと思ったんだけどなぁ~。明日にするかぁ~」

「急用?」

「いや、レーチェが焦ってなさそうだから、多分大丈夫だよ。今度にする」


 そう言って、俺は席を立った。


「俺も、風呂に行こう。……眠いけど」

「そう言えば、ベイ君、今回は倒れないんだね」

「あ、そう言われればそうだな。修行の成果か?」


 レムモードでは、結構な間力を使っていた。倒れていてもおかしくはなかったが、まだ俺は大丈夫みたいだ。流石に、身体はだるいけども、風呂に入れる余裕がある。いや、下手すると風呂場で寝るかもしれないなぁ。


「皆、集合!!」

「はい、ご主人様!!」

「よしシデン、良い返事だ。皆、お願いしたいことがある」

「どうしたの、主様?」

「カヤ、正直俺達、風呂場で寝るかもしれない」

「そうですね」

「一応、疲れてますからね」

「全員、まだ起きてるっすけど、時間の問題だと思うっす」

「主人、それでどうするのですか?」

「皆、俺が寝ないように見てていただけませんか。というか、お互いが寝ないように見合おう。じゃないと、最悪風呂場で溺れる」

「ということは?」

「ご主人様と、お風呂ターイム!!」

「「わっしょい!!わっしょい!!」」


 俺は、皆に担ぎ上げられる。そして、そのまま風呂場まで連れて行かれた。


「ふふっ、良い連携だね」

「ああ、全くだ。さて、私達は後片付けをするとしよう」

「そうだね、サラサちゃん」

「移動は飛行メイン。遠距離の射撃精度を上げるために、そのへんの機能の調整をして。あとは、今までの鎧だと危ないから、形も変えられるように」


 熱心に考えているアリーを残して、残りの女性たちは、後片付けを始めた。


「よし、入るぞ」

「「おお~!!」」


 俺達は、揃って風呂に入る。そこには、もうレーチェの姿はなかった。やっぱ、明日聞くしか無いか。


「はぁ~、いい湯だねぇ~」

「本当」


 かけ湯をして、皆が風呂へと入る。その中で、ミエル達はすぐに身体を洗い始めていた。


「えっと、これが……」

「ミエル様!!もう、寝かけてますよ!!」

「そうっすよ。だらしがないっすよ、ミエル、さ、ままま」

「シスラも!!」


 サエラとシゼルが、2人のサポートをして、何とか身体を洗い終える。そして、2人も体を洗い終えると、ミエルとシスラをサエラ達が担いで風呂場を出ていった。俺に、視線で目配せして。


「えへへ、ご主人様~」

「よしよし、シデン。ところで、その体勢で俺に抱きつくと、眠くならないか?」

「……」

「シデン、落ちましたね」

「ミルク、頼んでいいか?あと、さっきから俺の腕に抱きついて寝ている、フィーも一緒に」

「フィー姉さんも!!わ、分かりました!!ささっと洗って、2人をベッドへとお連れします!!」

「ああ、頼んだ」

「了解です!!」


 そういうと、本当にささっと2人と自分を洗って、ミルクは二人を担いで風呂場を出ていった。


「しかし、珍しくカザネが長湯してるな」

「……」

「既に寝てますね」

「こんなにいいお湯なのに、すぐに寝ちゃあ勿体な……」

「カヤも寝ましたね」

「ミズキ、頼む」

「承知。では、レム。あとは頼みました」

「ああ、任せてくれ」


 ミズキは、2人を洗って。いや、洗ったのか? 一瞬すぎて分からなかったが、多分洗った。ミズキ自身も。そして、2人を担いで風呂場を出ていった。


「いいお湯ですね、主」

「ああ、そうだな、レム」


 俺は、レムと2人でお風呂場の湯を眺めた。




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