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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第三章・七部 ???? レム編
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嫁完璧過

 ライオルさんの為に何か出来ないかと思って俺は、部屋を飛び出して一番頼りになる人の元へと帰ってきた。それは、俺の嫁アリー・アルフェルト。アリー以上に頼りになる人なんて居る? 俺は、いないと思う。だが、帰るなりアリーは、俺に魔力を貸してくれと面白いことでも思いついたかのように言って、俺の手を握った。


「う~ん、ああ、そうそう。もうちょい魔力送って。そうそう。そんな感じ。後は、ここに作ったこれに、こいつを融合させて。出来た!!」


 かれこれ、アリーの指示の下、送り先の物体に魔力を合わせてこね回すこと数時間。ようやく、何かが完成したらしい。俺は、手を離してライオルさんのことを相談しようとした。


「アリー、ライオルさんのことなんだけど」

「ああ、それ。出来るかな?出来るかも?ちょっと、対話させてみるか。精神的に弱ってるなら、直接魔力で話しかけて元気づけるほうが速いわよね。本当に信用できるかも試せるし、それで良いかも」

「?」


 そして、アリーは眉間を押さえて、数分間そのまま押し黙った。


「お、成功した?ライオルさん、帰ってくるって。良かったわね」

「???」


 よく分からんが、俺の嫁は、パーフェクト頼りになるってことだろう。そのはずだ。


「ところでベイ。サプライズプレゼントがあります」

「サプライズプレゼント?」

「魔物です。しかも、そこそこ強い」

「へ~、魔物。アリーが魔物をくれるなんて、一体いつ手に入れたんだ?」

「まぁ~、いまさっき作った、っていうか。作り直したっていうか?」

「アルティみたいな物かな?」

「ちょっと違うけどね。まぁ、そんな感じよ。で、魔石が欲しいんだけど」

「ああ。はい、これ」


 俺は、一瞬で今出来る全力で作った召喚魔石を出した。創世級ぐらいまでなら入るかな? レーチェは無理な気がする。ああ、そうか。レーチェを仲間にするなら、彼女が入る魔石がいるな。なってくれない気がするけど。


「ありがとう。これを転送して、はい、契約完了。……ああ~、名前がいるわね。ベイ、何かいい名前ない?」

「名前?そいつは、どんな魔物なんだ?」

「う~ん、レムみたいに黒い鎧みたいなやつね。あと、闇魔法が使える。それと、仲間にした闇属性の魔物を召喚・融合できるみたい。この魔法、ベイの仲間になるうえでいらないわね。後でいじって、別の能力にしてみましょう」


 しれっと、怖いことを言うアリー。あれか、改造するのかな?


「なんだか、クローリみたいな奴だな。じゃあ、クローリっていうのは……」

「駄目よ。魔王と同じ名前なんて、外で名乗れないでしょう。そのまんまだし」

「?」


 そのまんまとは、どういうことだ。特徴的にってことかな?


「うーん、鎧、闇属性、クローリみたい……。でも、クローリじゃないほうが良い。なら、ローリィでどうかな?クを抜いただけだけど」

「ローリィ。まぁ、今の見た目的には、合ってるかもしれないわね。じゃあ、新しくこいつは、ローリィ・アルフェルトで」


 そう言うと、アリーの手のひらに契約した召喚魔石が転送されて帰ってきた。魔石は、レムの魔石とは、どこか違う色に黒ずんでいる。


「はい、ベイ。あ、まだこいつの身体調整中だから、まだ呼んでも寝てるだけだけど、そのうち使えるようになるから待ってて。必ず、ベイの力になるはずよ」

「アリーがそう言うなら、期待して待ってるよ」

「ええ、待ってて。魔物の肉体改造なんて初めてだけど、頑張るわ」


 アリーに肉体改造をされた魔物か。ヤバイな。絶対強いぞ。腕がロケットになって、飛び出したりとかしそう。


「どうしようかな~。レムが、主力タイプだから、サポートタイプにしようかしら。遠距離攻撃、外部索敵。あと、魔力感知。そこら辺いじって」

「おお~、遠距離専門かぁ。うちには少ないから、ある意味嬉しい子だな」

「……アリーさん、一応聞くんですけど」


 にゅっと、ミルクが出てきた。その質問に対して、アリーは分かってると言った感じで指で丸を作った。


「勿論、女の子よ。今まではなかったみたいだけど、ま、良いでしょう」

「元鎧でしたっけ。なら、レムみたいなもんですね」

「そうそう。そんな感じ」

「なら大丈夫か。本人がいいなら」

「夢が叶えばいいって。大丈夫みたい」

「なら良いか」


 どんな夢だろうな? クローリみたいな夢かな。人間と共闘するみたいな。なら、あっさり仲間になってくれたのも頷けるんだけど。


「取り敢えず、裏切り防止機能。洗脳は、まぁ、こいつの今後の出方次第にして」

「アリー、洗脳はまずいですよ」

「そう?」

「それ、逃げ出されたらえらいことなるパターンのやつだって」

「でも、始めにやっとくもんじゃない。そういうやつ」

「ごもっとも。だけど、本人の意志を尊重してあげて。お願いします」

「ベイがそう言うなら、改造前に判断するのはやめるけど。でも、ベイに逆らったら身体の全機能が停止する機能は組み込んどく。すぐに殺せる」

「滅茶苦茶その子に辛辣だね!!全機能はやめよう。せめて、ワンクッション挟んでからとかにしよう」

「じゃあ、一回は体の自由が効かなくなるで。それ以降は、死亡で」

「体の機能が効かなくなるプレイですか。なかなか、高等なお仲間のようですね」

「……」


 ミルク君、そのへんにその話題はしておきたまえ。


「ともかく、これで魔王の問題は解決ね」

「ああ、そうだな。ライオルさんも帰ってくるのなら、完全勝利だ」

「クローリも喜んでいるでしょう。自分の夢を叶えていた、主がいたのですから」


 今度は、レムがシュッと出てくる。ミルクと出方に違いがあったのは、何故だろうか? 魔法使って、出方をいじってるのかな?


「主は、敵の望みを叶えた上で倒したのです。まさに、完全勝利でしょうね。相手も満足させ、自分たちにも犠牲を出さなかった。円満な解決です」

「倒しちゃったんだが、円満で良いんだろうか?」

「奴は、最後に微笑んでいました。良いと思いますよ」

「だといいけどな」


 クローリにバズラ。決して、相容れない道を歩む者たちだったが、何かを救いたいという気持ちは俺と同じだった。安らかに眠ってくれ。創世級は、俺達がなんとかするからな。約束するよ。


「そうそう。あんたのために黙祷してるから。……え、泣く。それで泣く!!なるほど。あんた、洗脳しなくて良いかもね」


 アリーは、新人とまだお喋りしているようだった。



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