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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第三章・三部 鎧竜神天 ミエル・シスラ・サエラ・シゼル編
400/632

400回記念 ネタ回 ベイ・アルフェルトは休みたい

 ピンポンパンポーン♪


 ※注意:小説の途中ですが、ここは400回記念の特別回になります。本編とは違う内容になっています。ご了承下さい。


「……」


 鏡を見る。そこにいるのは、どんだけ体鍛えてるんだよってくらいのマッチョマンだ。まぁ、俺なんだけど。それでいて細い。いや、太いことは太いが細い。腕を動かすと、凝縮された筋肉が動くのが分かる。まるで鉄の塊だ。あれだよな。魔法とか使ってるから、こんな不自然な筋肉の発達をしてるんだろうな。今や、俺の肉体全てが魔力だしな。何もおかしくわない。ほんと、おかしくわない。本当なら、俺もガンドロスみたいに、胴体並みに腕が太くなってたんだろうなぁ。普通なら。そう思うと、今の身体を維持できててよかったと思う。アリーはそういうの、好きそうじゃないもんな。


「しかし……」


 これは凄い。いや、自分でも引くぐらいに筋肉が動くたびに盛り上がる。じっくり見る機会なんてこれまで無かったが、俺がどれだけ身体に付加をかけているのか今、思い知った気がした。


「そうだ、明日は身体を休めよう」


 俺は、急にそう思い立った。そして次の日。


「今日は、身体を休めようと思う」

「……何処か具合でも悪いんですか、マスター?」

「いや、フィー。悪いところは何処にもないよ。ただ、たまにはのんびりしたいと思ってさ」

「主も、戦いばかりの日々では疲れがたまり易くなりますからね。休まれるのは、良いことだと思いますよ」

「ありがとうレム。そういうわけだから、俺は今日はゆっくりするよ」

「……なるほど」

「怖いから、何を考えているのか言ってくれ、ミルク」


 ミルクは、フフッと笑みをこぼす。絶対に、俺の休日を破壊してくるぞ。この愛する牛は。


「いえ、せっかくご主人様が休まれるのですから、私達はそれをサポートするべきではないかと」

「サポート?」

「ええ。ご主人様にお食事を運び、マッサージをし、退屈そうであれば話し相手になる。完璧で濃厚な愛のある時間じゃないですか。ああ、素晴らしい!!」

「い、意外と普通だな」

「フフッ、私だって空気は読みますとも、ご主人様。ところで、どんな衣装だといるだけで興奮しますか?私は、シャツ一枚にホットパンツで今日は行こうと思うのですが、それ以外がお好みでしたらすぐに着替え」

「そのままでOKです」


 ミルクの最終兵器によって、あり得ない山を作っているシャツを見ながら俺はそう答えた。最高の威力である。


「なるほど、ベイの休日ね」

「アリーさんも、サポートなされますか?」

「当然でしょう。半時に一回のキスがノルマね」

「ほう、甘ったるいですな。では私は、半時に20おっぱいで」


 なんだよ20おっぱいって。単位がよくわからないよ。


「ふむ、では私は、今日一日主の椅子になろう。ささっ、主どうぞ」

「え、レム。ちょっとどういう」


 そう言っている間に、俺はレムの膝の上に座らされた。そして、後ろから抱きつかれる。背中に柔らかい感触が走った。ああ、これは良いな。


「えっと、それじゃあフィーは」

「フィーは、俺の癒やし担当な」


 そう言って、俺はフィーを抱き寄せる。そして頭をナデナデした。フィーが嬉しそうに微笑む。ああ~、癒やされるわ~。


「私は、殿に何をするべきだろうか?」

「ミズキなら、飲み物持ってくるとかでも十分役立つでしょ。いるだけで便利だし」

「カヤ、それだとイチャつけないだろ。私だって、イチャつきたい」

「まぁ、そうよね。じゃあ、マッサージかな?」

「それだ」


 そういうと、ミズキが俺の肩を揉み始める。レムを挟んでの肩揉みだが、完璧な力加減だ。ああ~、気持ちいい。


「それじゃあ、あたしが飲み物担当で」


 そう言うと、カヤは飲み物を手にした。それは、最初はバナナジュースだった。だが、いつのまにやら純正の牛乳に置き換わっていた。カヤは、その事実に気づいていない。ミルク、お前手品師かよ。


「はい、主様、あ~ん」


 カヤに、口に飲み物を注がれる。ストローとかあったほうが嬉しいんだけど、無いからしょうがないか。俺は、そう思いながら牛乳を飲み干した。


「ふっ、ミルクちゃんの牛乳は最高ですからね。最高」

「ああ、マジでうまい」


 本当に文句無しで。しかし、俺牛乳しか飲んでないけど、よくお腹くださないな。慣れたか。


「それじゃあミエル様は、お風呂担当で。私が、トイレ担当するっす」

「何だか介護じみてきたんだが。そこまでしなくていいから」

「いえ、ベイさんのお身体、洗わせて下さい!!」

「じゃあ、私はお着替え担当で」

「では、私は寝る前の読み聞かせ担当で」

「サエラもシゼルも、明らかに子供に接するかのような役割じゃないか。大丈夫、そこまでしなくて大丈夫だから」

「では、シデンがお休み時の抱き枕担当を」

「私は、どうするべきかな。あれだ、膝枕担当でどうだ。それなら行ける」

「カザネの膝枕かぁ。いいなぁ……」


 凄い安眠できると思う。夢がいっぱい詰まった枕だ。ミルクのおっぱい枕並みに。


「ささっ、ご主人様お時間ですよ。おっぱいしましょう」

「おっぱいしましょうってなんだよ!!おかしいよ!!」

「え、おっぱいですよ!!おっぱいするべきでしょう!!」

「おっぱいしたいけど、おっぱいしましょうはおかしいよ!!どんな介護だよ!!」

「……おっぱい成分を、補給するための介護?」

「いや、そうだろうな。そうとしか言いようがない。おっぱいだもんな。おっぱいでしか無いよ」

「そうですよ。おっぱいですよ。おっぱいしましょう」

「おっぱいしてしまうか」

「おっぱいしましょう」


 ……駄目だな。会話がアホ過ぎる。朝から何を言っとるんだ、俺達は。そうこうしているうち、ミルクが腕に抱きついてきた。ミルクのビックバン(宇宙創生級)物質が俺の腕に当たる。 ……凄い勢いで謎の成分が補給されていくのがわかった。あるんだな、おっぱい成分。


「それじゃあ、私はキスね」


 そう言うと、アリーが顔を近づけてきた。ああ、毎度思うけど幸せだな。やっぱり、好きな人がそばにいるって最高だわ。そう思いながら、俺は目を閉じた。


「……ああ、そう言う」


 何やら腹が重い。俺は目を開けた。そこはベッドだ。寮の、俺達の部屋だ。まぁ、休日なんて当分ないよな。こんな戦いづけじゃあな。


「くぅ~」


 腹にはロロが寝ている、ジャルクを抱えたまま。ロロよ、そこは寝るところではない。


「ご主人様……」


 俺の腕には、ミルクが抱きついている。反対側にはシデン。斜め上にアリー、足に抱きついているのがフィーとレム。これまた斜めにカヤ。頭の上にカザネ。少し離れてミズキ、ミエル、シスラ、サエラ、シゼルとなっている。他の皆は遠巻きか。ほんと広いよな、このベッド。


「起きられましたか、マスター」

「アルティ、寝てなかったのか」

「私には、睡眠はあまり必要ありませんので。迷宮は、まだ動きがないみたいです。眠ってくださっていていいですよ」

「そうか。アルティと、ミズキに任せるよ。いつでも変わるからな。起こしてくれ」

「はい。おやすみなさい、マスター」


 夜が更けていく。早く平穏な毎日が欲しい。そう思いながら、俺は眠りについた。



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