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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第三章・一部 幻音神鳥 カザネ編
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カザネの行水

 その後、家族の無事を確かめにノービスが一時帰宅をした。そして、町の修理などで色々あるようで、急いで城へと引き返していく。頑張ってるなぁ、ノービス。


「……シッ!!」

「お?」


 何故だか分からないが、カザネが蹴りの練習をしていた。しかし、細くてきれいな足してるよな、カザネは。あれで、岩をも軽く粉砕するって言うんだから、魔力で出来た肉体は恐ろしい。


「ふぅ……」


 軽めに汗をかくほどやっていたのか、額の汗を拭うようにカザネは髪をかきあげる。ああ、美少女だな。運動部系美少女だわ。こんな子いたら、その場で告白してたわ。それぐらい、今のカザネは魅力的だ。最初にあったときとは、全然印象が違うなぁ。まぁ、人化してるからかもしれないけれど。


「あ、主人。見てましたか」

「ああ、気合が入ってるな」


 俺が近づくと、嬉しそうにカザネが微笑む。うわー、なにこの可愛い生き物。抱きしめたい。


「ええ。どうやら、あと2羽らしいですから……」

「敵がか?」

「はい。さっきのやつが、そう言っていました。全部でか、強者が2羽残っているのかは分かりませんが」

「なるほどなぁ。あんな奴が強者と認める相手が、あと2羽か」

「はい。そう思うと、鍛えなきゃと何故だか気持ちが焦ってしまって」

「なあに、それは悪いことじゃない。動けば気持ちも落ち着くしな。でも、戦闘中は出来るだけ冷静かつ前向きであったほうが良い。気を逃さず、下手な立ち回りをしない。これが一番いいはずだ。難しいけどな」

「アドバイス、ありがとうございます」


 カザネは、丁寧にお辞儀する。ほんと、昔の姿からは想像できないほどに礼儀正しく、可愛い子になったな。最初はやんちゃな部分が見えたが、最近はそれも少ない。どんどん別方向の可愛さが身についているな、カザネ。


「……少し、水浴びをしたくなりました」

「ああ、汗かいたからか?そんな、気にする量でもないだろ」

「そうなんですけど。主人の前だと、少しそういうのが気になると言いますか」

「俺は、良いと思うよ!!むしろ良い!!カザネ、お前輝いてるよ!!」

「そ、そうですか」

「うん!!」

「ふふっ、それならこれでも、良いかもしれませんね。いえ、でも折角のチャンスですので……」

「うん?」


 カザネは、周りをちらちらと見ている。そう言えば、今は皆がいないな。家の中の壊れた物を、皆で見て回ったあと、晩御飯の買い物ついでに買ってくると皆出かけたんだった。俺とカザネは、お留守番だ。理由は、敵の出現時に家を守れるようにしておきたいから。と、ここまで連戦してきたカザネへのご褒美らしい。俺が、部屋の中の壊れたゴミを出している時に、アリーがそう言って出かけていった。カザネをよろしくねってな。出来たお嫁さんだ。で、出し終わって出てきたのがついさっきだ。


「お風呂に行きましょう、主人!!」

「え、ちょっと!!」

「こっちです!!」

「いや、知ってるよ!!俺達の家だよ!!」


 カザネが、意を決したように俺を引っ張っていく。あれか、これ、俺も入るやつか? その予想通り、風呂場でカザネが、まず最初に俺を脱がせにかかった。


「いや~ん、カザネさんってば大胆ですね」

「アルティ!!」


 俺の腰に装備されていた、アルティが風呂場で人化する。だが、その後。


「ふふふ、楽しんでくださいね」


 と言うと、俺の中に引きこもった。楽しそうだな、アルティ。


「さぁ主人。脱ぎ脱ぎしましょうね~」

「いや、自分で出来るから。そんな、子供に言うみたいに言わないでくれる」

「ふふっ。私は、主人が脱がせてくださいね」

「えっ」


 カザネと二人っきりでこういう状況は、そう言えば初めてか。なんだろう、かなり新鮮だな。学校の後輩女子とかと付き合っていたらこんな感じなんだろうか、という思考が一瞬頭をよぎる。カザネ、お前後輩キャラだったんか。でも、なんだかんだで俺も手慣れたもので、スッスとカザネを脱がしていく。カザネは、動きやすい服装しているから脱がせやすいんだよなぁ。脱がせると、大事な部分だけは見せないように腕と足でカザネは器用に隠しながら、風呂場へと入っていった。


「さぁ主人。お背中、お流しします」

「お、おう」


 そう言って、カザネは艶っぽい笑みを浮かべながら俺を手招きする。うーん、良い。何よりも良いのが、カザネのその足だ。滅茶苦茶綺麗、かつ健康的。すべすべしていて柔らかい、カザネの特徴とも言えるその足だ。控えめにいって最高。ずっと触っていられる足だ。あんな足、他ではお目にかかれない。尻から足の指先にかけてまで、ラインの全部が芸術的だ。エロさは芸術だな。そう思うほどに凄い。


「よし、よろしく頼む」

「はい♪」


 カザネは、はじめにお湯を俺の体に全体的にかけると。お風呂用のタオルに石鹸をつけて泡立て、俺の背中をこすり始めた。ああ、普通だな。だが、これがなにかいい。癒される。なんでだろう、労われている気がする。日頃の感謝的なのが、こもっている気がする。


「ごしごし♪」

「機嫌が良さそうだな、カザネ」

「はい。主人に、教えていただいた知識を、役立てることが出来てとても嬉しいです」


 そう言いながら、カザネは俺の腕にタオルを滑らせていく。狙っているのか、俺の腕が自分の足に当たるようにカザネは角度をつけた。うん、凄いいい。すべすべで程よい弾力だ。柔らかい。


「はい、洗い終えました」


 ささっと洗い終えると、カザネはゆっくりとお湯をかけて流してくれる。ああ、普通だな。普通の背中流しだ。なんだか新鮮だな。他の嫁達だと、途中から洗い合いになるからな。


「あっ、私、いつもお風呂はささっと入って出ちゃうんですけど。もっと、ゆっくりのほうが良かったですか?」

「ああ、なるほど。カラスの行水……。いや、これでも良いよ。凄いさっぱりした。ありがとうカザネ」

「いえ、主人には、日頃お世話になっていますから。このぐらいどうってことないです。むしろ、毎日でもご一緒したいくらいで」

「ははは、じゃあロデに頼んででかい風呂でも作るか。全員一緒に入れるような」

「……素晴らしい。それで行きましょう」

「えっ?」


 冗談のつもりで言ったのに、カザネが一瞬だけ本気のトーンで喋り始める。やばい、まずいこと言ったかもしれない。……忘れさせよう。


「……よし。次は、俺がカザネを洗ってあげるよ」

「えっ、良いのですか主人」

「ああ、最近連戦で頑張ってるからな。ほらほら、座って」

「は、はい!!」


 カザネが、嬉しそうにお風呂場の椅子に座る。すまんなカザネ、手加減はできんぞ。



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