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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第二章・八部 超英雄
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ちょっと多すぎませんかね?

「なるほど。そんなにいるのなら、確かに邪魔にも思うだろうな」

「まだ、これでも全員じゃないんです」

「!?」


 ……全員の視線が、俺に集まっている。やめてくれよ。そんな目で見ないでくれ。


「ああ、何人いるのか分からんが。ともかく、全員アリーが認めるような女性なんだな?」

「ええ、間違いなく。……ロデは、まぁ、金だけはありますし」

「……」


 何故かロデだけは、仕方ない感じで付け加えるんだな、アリーは。まだ、認めていない感じなのだろうか。


「……大丈夫なのか?その、そんな大人数で」

「ええ。まだ足りないと、私は思っています」

「!?」


 だから、そんな目で俺を見ないで欲しい。頼むから。


「元気なのね」

「はい、お母様」

「そ、そうか。あの動きをしていたんだ。体力も、かなりあるんだろうな。若いし」

「……」


 いや、俺何も言えないよ。この会話に入っていけないよ、そんなセリフ。なんて言えばいいの? そうです、とか言えないよ!! 言えたら怖いよ!! この場で。空気読めなさすぎるよ!!


「でも、ほら、そんなに多いと性格の不一致とか、ウマが合わないとかあるんじゃないか?そこら辺は……」

「問題ありません。そんな人はいませんので」

「そ、そうか」

「他の子は、どんな感じなの?名前を上げてくれた子たちは、なんとなく想像がつくのだけど……」

「そうですね。各属性魔法に特化した子たちが多いですね。後は、それぞれ異なった武器の使い手であるとか、サポートが可能であるとか、ベイと渡り合えるほどの力を持っているとかでしょうか」

「このベイ君に、渡り合える女性がいると?」

「はい。私の次に早くベイと出会い、嫁候補となった女性です」

「世の中には、まだそんな使い手が……。城の中にいるだけでは、わからんこともあるもんだな」


 フィーの存在なんて、知りようが無いからな。お城に居ても居なくても、変わらない事実だったと思う。


「そして、彼女達の容姿も多種多様。当たり前ですが、それでいて全員美が付く女性ばかり。私ですら、負けていると思える子も……」

「アリー以上だと?」

「そんな子が……」


 ……アリーの、胸の前で腕を回している動き。明らかに、ミルクの胸を指しているな。いや、あれは誰も勝てないよ。反則級だもんな、あれは。一体化より反則級なきがする。


「胸はミルク、足はカザネ、腹はカヤ。肌のすべすべ具合はフィー。変幻自在な技巧ナンバーワンのミズキ、連携攻撃が強力なミエル、シスラ、サエラ、シゼル。愛らしい仕草ならシデン、そして、トータルバランスに優れ、圧倒的な技巧を誇るレム。完全な補助を行うアルティ。……あれ、私、勝ってない。やっぱり、どこも勝ててない」

「アリー、そんなこと無いよ。俺は、アリーの全てが大好きだ」

「ベイ」


 アリーは、アリーだから良いんだ。何処が良いとかじゃない。アリーが最高なんだ。アリー最高!! アリーバンザイ!!


「まぁ、アリーとの仲は大丈夫そうだな。なら良いか」

「でも困ったわね。バルトシュルツは無理となると、お祖父様になんて言おうかしら」

「そのままを言って下さい。ベイは、バルトシュルツという家名に収まる器ではないと。それ以上、それよりも大きくなれる才能がある人間であるのだと。ですので、家名で縛るのはやめて頂きたいと」

「そうか……。だがな、魔法がなぁ」

「私も、バルトシュルツ家の奥技は知らないわけですから、別にいいんじゃないですか?そこまで、慎重に考える必要がありますか?」

「いや、そう言われるとそうなんだが。何個かは見せてあげただろ?それに、ベイ君はクリムゾンランスを相殺した。アリーが教えたんじゃないのか?」


 正直、アリーが使っているのを見て覚えたんだけど。まぁ、普通はできないからな。そう思っても仕方ないか。


「いえ、教えていません。あの程度の魔法でそんなことを、ベイにする必要はもうないですから」

「あの程度って……」

「それじゃあ、どうやって相殺を?」

「構成されている魔力の流れに合わせて、アドリブで相殺をするんです。今回は、うまくいきました」

「……ベイ君、君、本当に人間か?」

「は、はい」


 やはり、この説明でもおかしく感じるか。まぁでも、これで通すか。


「ふむ、鍛えるとそういうことも出来るんだろうか。今度、うちにも筋トレを取り入れてみるか」

「健康的ね」


 筋肉のおかげ、という所に落ち着いたようだ。流石筋肉、伊達じゃないぜ!!


「よくよく考えると、彼ほど鍛えている魔法使いは見たことがないな。やはり、体力がある方が成長できるということか。納得だ」

「研究ばかりに打ち込んでいても、逆に、研究が遅くなることもあるものね」

「ええ。それが、ベイの強さです。それに、ベイの周りには色々な魔法の使い手が居ますからね。そのおかげもあるでしょう」


 今や、皆の魔法を真似るほうが強くなれるもんな、俺。やはり、俺は召喚魔法使いなんだなぁ。皆が居ないと、ここまで来れなかった。


「あら。なら、召喚魔法使いの方とかも、いらっしゃるのかしら?」

「!!」


 ……アリーが、静かに冷や汗をかいている。この後の展開を想像して、青ざめているに違いない。ゴクリとアリーはつばを飲み込むと、ゆっくりと話し始めた。


「い、いえ、そんな人は居ないですね。ベイも、そっちはあまり詳しくないですし……」

「えっ、そうだったかしら?」

「そ、そそ、そうですよお母様。他の魔法の修行ばかりで、そっちはあまりしてませんよ。あはは、あはは」

「アリーちゃんのあんな白々しい顔、初めて見たよ」

「過去に色々と考えた結果、マリーさんにはああいうしか無いと分かったんだよ。アリーも、全力でその未来を回避しようとしているんだ。それが、あの姿さ」

「何かわからないけど、よっぽど召喚魔法を知らせてはいけない何かがあるんだね?」

「そういうことだ」


 頑張っている正妻の姿を見ながら、俺は深く頷いた。



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