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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第二章・八部 超英雄
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集会当日

 次の日の朝、寮のベッドで目を覚ました。やっぱ、広々寝れるのはいいなぁ。……周り、嫁だらけだけど。そして、皆と転移して実家に戻る。そこで、ミルクとミズキが宝石の加工を始めた。


「土魔法は、こういうときにも便利ですよねぇ」

「余った金を操作して、小さな鎖を作っているのか。器用なものだな」

「いや、ミズキのほうが器用でしょう。その石についてた装飾、一寸の狂いもなく一撃で解体してますし」

「なに、これくらいどうということもない」

「……流石ですね」


 そうこうしていると。


「出来ました!!」


 赤い宝石のネックレスが完成した。早速、アリーに身に着けさせてあげる。うん、良いね。髪の色とよくあってぴったりだ。


「ふふっ、少し重いわね」

「まぁ、石が大きいですからね」

「似合ってるよ、アリー」

「ありがとうベイ。大切にするわ。ミルクもミズキも、ありがとうね」

「いえいえ」

「このぐらい、どうということもないですよ」


 ネックレスも出来た。とすると後は……。


「ドレスがいるな」

「そうね。この宝石に合うような、ドレスがいるわね」

「今から買いに行こう!!」

「ふふっ、そんなに焦らなくても大丈夫よベイ。それに、買いに行く必要はないかもしれないわよ?」

「う~ん、生地は欲しい所です」

「ドレスも作るのか。腕がなるな」


 そうだった。うちには、そんじょそこらの職人より、腕のいい仕立て屋がいるんだった。じゃあ、後で生地だけ選びに行くか。


「こうして、こうとか……」

「清楚な感じだな」

「ドレスですからね。気品を保ちつつ、赤い宝石のインパクトと合わせる感じで」

「良いんじゃないか?」

「どれどれ。う~ん、ミルクセンスあるわねぇ」

「ありがとうございます」


 どうやら、デザインは決まったようだ。後は、生地を買うだけだな。楽しみだ。


「ベイ、ご飯よー」

「はーい」


 下に降りて、ご飯を食べる。そして、午前中は皆と買い出しに出て、午後は訓練をした。穏やかな日だな。俺はそう思った。


「ベイ、ちょっと来て」

「うん?どうしたんだ、母さん」

「……やっぱり、かなり成長したわね。ベイ」

「そうかな」


 何処か懐かしむように、カエラは俺の背を自分と比べたり、鍛えた身体を触ってみたりして驚いている。急にどうしたんだろうか? あれか、家を開けてる帰還が長すぎたから、ふっと、そう思ってしまったのかな。


「ああ、そうだな。父さんより、逞しく感じるぞ」

「頑張って、運動してるからね」

「これ、運動って鍛えかたかしら……」


 ノービスも、俺の鍛えた筋肉と、自分の腕を見比べたりしている。あれだな。今度から、こまめに帰ってきたほうが良いかもしれない。2人がしみじみとしている姿を見ると、そう思えてしまう。


「今でも、昨日のことのように覚えているなぁ。ベイが生まれたときのことを」

「そうね。……立派になった」

「ありがとう」

「いや、お礼を言いたいのは、父さんたちの方だ。立派に成長してくれて嬉しいぞ、ベイ」

「自慢の息子ね」

「いやぁ~」


 なんだか、今日はやけに褒められるなぁ。嬉しさ半分、くすぐったさ半分という感じだ。


「パーティに出ても、堂々としていれば大丈夫だ。緊張するかもしれないが、大事な話があるんだろう?今のお前なら、どうとでもなる。気後れせず、頑張るんだぞ」

「ああ、頑張るよ」

「アリーちゃんを、ちゃんとエスコートするのよ」

「努力するよ」


 アリーは、エスコートって感じじゃないんだよなぁ。グイグイ引っ張られてる感じがするから、エスコートする暇があるかどうかもわからない。まぁ、そういう場だし、努力はしてみよう。


「後は、何か注意することはあったかな、母さん?」

「そうね。アリーちゃん達のご家族に、迷惑をかけないようにすることかしら?なんというか、怒らせない感じで」

「それとなく自然に、アリーちゃんと会話する感じで行けってことだな」

「初対面的な感じで?」

「そうね。そのほうが良いわ」


 ……なんだか面倒くさいなぁ。まぁ、会場で魔法を撃たれでもしたら嫌だからな。出来るだけ大人しくするか。


「よし、後は明日の夕方に行くだけだな。父さんと歩いていこう。何、ベイなら疲れもしない距離さ」

「ちゃんと案内してあげてね、あなた」

「任せとけ」

「頼りにしてるよ、父さん」


 うん、ノービスが楽しそうだし良いか。そして、後は明日行くだけだな。パーティか……。どんな感じなんだろうなぁ。変な人とか居ないよな……。そこら辺、会場に行きながらノービスに聞くとするか。明日の話題も決まったし、今日はもう寝よう。


「それじゃあ、俺はもう寝るよ。おやすみ」

「ああ、おやすみ」

「おやすみ、ベイ」


 俺は、部屋に先に上がったアリーを追いかけて部屋に移動した。あの2人も、息子が城のパーティに行くっていうので多少緊張しているんだろう。さっきの会話から、そんな印象を受けた。……アリーの家族との、初顔合わせかぁ。確かに、緊張するなぁ。まぁ、気負っても仕方ない。どーんと行こう。俺はそう思いながら、寝ることにした。


「……」


 次の日、何事もなく目覚め、アリーを実家に途中まで送り。作ったドレスも渡して、適当に訓練をして汗を流した。そして、そろそろ家を出ようかとノービスと会話をしていると。


「お迎えに上がりました」

「え?」


 家の前に、結構豪華そうな馬車が止まっていた。ノービスが頼んだようには、見えないが。はて?


「もしかして、シアさんの取り計らいですか?」

「はい。シア様から、お伺いしております。ご準備はよろしいでしょうか?」

「あ、はい。それじゃあベイ、行こうか。母さん、行ってくるよー」

「ええ、行ってらっしゃい」

「行って来ます」


 馬車に乗り、揺られながら、城へと進んでいく。遠くから見たことはあるが、入るのは初めてだなぁ。そう思いながら、俺はサイフェルム王国の城の城門をくぐった。




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